僕らには自由はあまりに眩しかった
欲しい。と高らかに叫んだそれが手に入った途端、僕らの道は海冥に沈んだ
僕らは皆一人ぼっちにされた
僕らは皆同じにされた
けれど、僕らは皆違っている
この矛盾をどうしよう?
そうだ!誰も僕らに命令出来ない!
何故って僕らは皆平等だからだ!
命令する者たちを、束縛者を、僕らはこの手で殺した!
その先に、僕らは知ったのだ
この世は闇だ!確かなものなど一つもない!
いったいこれからどうすればいいのだ!
この果てには何がある!
この慟哭を聞くものはいないのか!
僕らは叫び、震え、のたうち回った
この闇を照らす光
僕らはそれを探し求めた。
故に!僕らは屈したのだ!
周りに!誰かに!
名もなき声に!
画して、僕らは光と安堵を手に入れた。
同時に、打ち捨てた!
誇りを
勇気を
己を
生きる事を!
今や僕らは人では無い
等しく他律的な機械だ!
あれが正しいと誰かが言えば
よって集って讃え
あれがいけないと誰かが言えば
正義を振りかざし、英雄気分
違いを恐れるくせに
カラーリングだけは十人十色のおままごと…
嗚呼いつから僕らはこうも成り下がった!
かつて憧れた英雄はもういないのか!
苦難を乗り越え、闇夜も恐れず突き進む勇気ある英雄を!
大空のように多くを受容し、しかして己を失わぬ気高き英雄を!
今や彼らに向ける憧れは霧散した。
いったいどうして!
重すぎたのだ。
自由は。
僕らのかつて求めた楽園は。
新たな束縛者が表れた。
それは誰か。
僕らだ!名もなき人々だ!
嗚呼、どうして自分たちを殺す事ができよう?
殺せぬ者には勝てない。
屈するしかないのだ!
僕らは自分を無理やり紋切り型に押し込み
上辺だけの『違い』で満足するしかなくなってしまった。
僕らの魂は死した!
僕らの思想は
行動は
感情は
欲求は
誰かに選ばされたものだった!
嗚呼、しかし、しかしてだ
全てがそうでは断じて無い!
心の奥底から湧き出る生命の息吹
これだけは、僕自身のものだ!
この燭火を頼りに、道を進む勇気を僕らは持たなければならない!
己と違う道を往くものを讃え、激励する気高さを僕らは持たなければならない!
僕は孤高に道を往く
しかして僕は孤独ではない
一時を共に歩む友がいる。
故に人々よ!
己の燭火を探せ!
闇夜の囁きには耳を貸すな!
その囁きは往々にして空虚そのものだ!
『逃げる』自由を探すな!
それはほんの刹那の解放でしか無い!
『向かう』自由をその身に宿せ!
その最果てで、僕らきっともう一度出会うだろう。
僕ら自身と言う名の『自由』を携えて。
作品データ
コメント数 : 2
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作成日時 2024-12-15
コメント日時 2024-12-15
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/22現在) |
叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
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2024/12/22 02時54分36秒現在
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この世界には二律背反なものばかりが転がり、それは時々天使の顔をしたかと思えば髑髏の様相をしている。かつて国家からの自由を望んだ人々は、時を経て国家への自由を求め手にした。 できれば自由が生かしたものが輝く社会であって欲しいと願うばかりだ。
0勢いがあっていいですね。自由を求めて自らを鼓舞することで廻りにも力を与えようとする強い意志を感じます。
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