４６ ＃ 私の世界には正解は無くて、間違いだけがあって、どうしてと泣き叫んでいると、いつの間にか怪獣になっていて、どこからともなく軍隊がやって来て、ミサイルや砲弾を浴びせられる、痛い苦しいと泣き喚いていると、ウルトラマンがやって来て、皆は彼の応援をする、そしてスペシウム光線で私は殺されていく。 ＃ この世界は高密度の問いに溢れている、無限に夢幻がかけられて、極彩色の解像度を上げていく、この世界が全て解答を求めている、魔法だって証明出来る、あの世や神様の存在だって知れる、私が例え死んでも、感動が次の人へ人へと繋いでくれる、そうやって続いていく、サーガじゃなくてクロニクルで。 ＃ 職業適性診断、いつも芸術家タイプだったね、絵も音楽も才能無くて、こうやって書き続けてる文章だって、フラッと現れた天才に負けて、あまりにも好みじゃない作風の奴がチヤホヤされて、自分の周りには誰も居ないね、凡才なのに芸術家ってなんだろうね、死んでもゴッホやカフカにもなれないなんて悲しいね。 ＃ 塩が溶けてオーロラを作っている、車で吸うのは電子タバコにした方が良い夜の寒さなのに、未だにホープばかり買ってしまう、忙殺に気が滅入って、身体に悪い飲み方をしながら新聞配達員のバイクの音を聴いていた、ヘヴィメタルは暴力的なサウンドで私の心に寄り添う、同じ気持ちで聴いてるのは世界で私だけ。 ＃ 地球防衛軍に所属して、インフェルノ、銀の巨人を倒すまでに何回も死んで時を戻した、戦略的な攻略よりも、アーマーに頼った殴り合いの方が突破口になる事が多かった、信じられていた方法論は私には合わなかった、昔からのそうだった、合わせたくても合わせられなかった、個性の喜びよりも孤独を感じていた。 ＃ たまに忘れてしまうけど、私の事だから計画や理想は頓挫する、神様はいつも意地悪だ、私に存在を示したくて、こうやって試練ばかりを与えている、私は決してお祈りなんてしない、救えない現だとしても、あんたの名前なんて呼ばない、猟銃を咥えて引き金を引いた時、あんたは私を殺さないで生かしたから。 ＃ 余りにも不平不満に満ち溢れて、怒りの自己増殖を繰り返すものだから、とうとう手を上げてしまいました、クビになるだろうなと思いながら働くのは、変に胸が軽くて、視界がクリアになりました、私には同情と味方が多くて、おばちゃんには誰１人として居なくて、暴力を振るった筈なのに肯定されて、不思議に包まれる。 ＃ ハロウィンでお菓子を頂く、丁寧な仲直りを互いにした記憶がないのに、ぎこちない空気が職場を包み込んだ、本当は仲が悪いままになるその筈なのに、幻の中を私は過ごしていた、精神病棟の時代の、どの患者にも当てはまらない情緒の波に、私の常識が乱されていく、混沌を整えるには数日が必要だろう。 ４７ ＃ バラのように、トゲが生えてても、美しいと愛でられる、そんな風に生きてみたかった、暴力に慣れすぎて、引くことを忘れてしまったから、エスカレートしかしなくて、仲直りのやり方もぎこちない物になってしまうね、あんたから貰ったハロウィンのお菓子は、毒もないのに怖く感じて、食べずに捨ててしまった。 ＃ 血の気の多い家庭に私も生きてきたのに、選んできた生き延び方は違くて、空想に逃げる我慢の石になって、やり場がないと酒で薄めながら詩を吐いた、何処までも意識を遠ざける事を選んできた、暴力を選ぶと苦しくなる、胸が軽くなるけど、後の動き方を私はどうしたら良いのか分からないから、明日がしんどくなる。 ＃ 衝突なんて慣れない方が良くて、痛がる方が誰にでも優しくなれる、何処に置いてきたんだろうね、流してしまえ水曜日、出し忘れた燃えるゴミも巻き込んで、また同じような詩ばかり書いてる君達がいる、もう読まなくてもどんなんか分かるよ、テキストの上でくらいは冒険しなよ、同じ所をグルグルしてないで。 ＃ 何の為にアリンコ気付かず、踏んづけながら生きて来た、無駄な殺生を重ねてきた、確かめるように靴の底で、鳴らす足音、まるでジャムセッション、何も掴めないまま終っていくのだろう、盛り上がりもない、始まりだけが途切れ途切れで、モールス信号みたいな点と線になって続いてく、観客は退席する。 ＃ 急に冷え込んでしまったから、うっすらと引いていた風邪を、また少しばかり拗らせた、温かいものばかり朝食は食べてしまうし、お酒の飲み始めは割らずにストレートで喉に流し込んでいる、人の温かさなんかよりも長く、確かに感じられる、たまには誰かから親切にされてそんな気持ちになってみたいこの頃。 ＃ 加減の分からないカプサイシン、ボリューミーなメガ豚汁で体温を取り戻せ、寒暖差が大きな波を作ってる、自律神経サーファー、乗り熟すにはまだ早いハイローのリズム、こういうのはもっと緩やかに入ろうよ、アナタだけに掛ける催眠術、魔女狩りで石打ちが行われたならば、魔女を選んで市民を殺せ。 ＃ 伸びきった足関節の靭帯、捻挫がしやすくなって痛め続けてる、いちいち攻撃的でごめんね、歌ってる奴は虐めがいがあるんだ、でも直ぐに罰当たりになっている、一方的なんてそんなにないよ、小さい頃からあったガソリンスタンドが閉店したよ、最後にまたレギュラー満タンにしておけば良かったけど出来なかった。 ＃ 無意識にアナタへ生き霊を飛ばしてる、お空で擦れ違ったら軽い会釈する、知らないうちに魂は知り合いを作っている、現の私は半分脱け殻で、何だか回らない頭や空っぽの元気を振り回して乗り切ろうとしている、誰か私の頭をぶっ叩いてくれ、押し込んでくれたら全てがシャキッとなるような気がするんだ。 ４８ ＃ 予め伝えてた病変のキャンセル、苦しさ誤魔化しての出勤、後からゴネて隣人が仮病、書庫のベッドに休憩までダイブ、後出しなのに早退してって、先出しなのに働かされるのは不公平だね、これ全部、私には関係無いこと、手出しの出来ない不条理な景色、今日も部屋は暖かいから、カメムシが何処からか湧くのかな。 ＃ フワフワの中を労働していた、重力が無いみたいで、頭蓋の内側で脳も漂っている、そんな気がした、気絶に近い眠り、目を醒ますと目覚まし時計が鳴っていて、既に出勤の時間だった、身体は、景色は、心は、まだフワフワと浮いていた、疲れている、リポビタンは役にたたなかった、蝿は忙しく飛んでいる。 ＃ 車内で吸う煙草も、寒くなったから加熱式タバコに変えた、窓を開けなくても匂わないのは良い、これでも暖かいらしい、南に住む緑のカメムシが北の方でも見掛けられるようになった、スポーツガムを噛んでいる、何時までも変わらない固さを感じながら、途切れ途切れの意識を繋いでいく、来年は華だが安泰で構わない。 ＃ 部屋の中を飛び回る蝿は、飲まず食わずの筈なのに、速度の変わらない飛行を何日も続けている、さらば彼方と窓を開けるが、飛び出していかないのは何故だろう、温かさ以外はこの部屋にはないと言うのに、来年の一白水星は最高だ、私は一生で最後の中年星のピークを、派手に生きるより、静かに生きることを選ぶ。 ＃ Ｘ軸Ｙ軸を描き続ける蝿の機動、フリーズしているパソコンは再起動でなんとかしてみる、残業に残業を継ぎ足しされた昨日、機能していない事柄が幾つもある、風は吹いて雲を運んでいる、清潔にした筈の肌に、蝿が纏わり付く、スローバーニングのペーパーで煙草を吸う、吸い終えるまでに動く幾つかの事柄がある。 ＃ 進化するゲーム機の中で、私はリアルなんて求めていなかった、近付くにつれて操作が複雑になって、息抜きのし辛いものばかりになった、とは言っても古いゲームも要求のエスカレートで難易度が高くなっていて、懐かしさに買ってプレイしても、子供の頃と変わらず１面すらクリアできず死んでいくものばかり。 ＃ 独りだけ膨らまない膀胱に申し訳なさを感じながらトイレに駆け込む、皆が心身を労働に蝕まれてる、朝からド派手な喧嘩が起きたらしい、ハールメンは奴隷商、ネバーランドの建設に子供達をピーターパンに売り付けてるって話、もっと良い言葉があった筈なのに、ライン作業と共に流れて消えてしまったんだ。 ＃ 形見の鉛を融かしてもらうし、コインの表裏には決意を委ねない、分けあって継ぎ足され内を流れる物、この血と共に大地に立っている、膨大な物語の主役どころか、役にも数えて貰えない端側だとしても、私が不在の未来、感動の一部を届けられるのならば、私はきっと喜ぶだろう、この詩にそんな価値があるかは知らないが。 ４９ ＃ 過去を全て受け入れて、先が無いと知った時には、私は昇り出す明日が今日になった時に、拝める日射しを、全身で受け止めて死んでみたい、私はきっと家や病室では死ねないだろう、昆虫のように背で浴び続けた光を最期には、仰向けで真っ正面から受け止めて死んでみたい、このくらいは神でも叶えてくれるだろう。 ＃ 延ばされて殺されていく、希望を目の前にぶら下げられながら働かされるのは苦しい、やり場の無い事は煙草の灰に全部閉じ込めた、バターを塗りたくったパン、こぼれそうになるほどのハチミツ、朝をどれだけ優雅に過ごすかが、それ以降にも影響する、筋弛緩剤に頼って眠るまで、曇り空から漏れる日射しを浴びる。 ＃ 極論だけどアナタだけが詩人だった、死んでしまったこの先もずっとそれは覆らない、隙間を埋めるように誰かが入ったつもりになって、皆はそうなんだと思い込むだけ、用意した三千円は木曜日に出せと雑に言われたから、もしまた年末調整の書類が足りないとか締め切り直前に言われたら、クレームを言ってやろう。 ＃ お湯を使わないで噛るチキンラーメン、口の中で解していく、舌がしょっぱくなったなら芋焼酎を飲んでを繰り返す、そして身体が火照る頃に煙草を１本だけ吸って、曖昧な意識の中で寝落ちする、それが家についてからのルーティン、なんだかエアコンの効きが悪くて、暖房なのに暫くは冷たい風を吐いている。 ＃ カナ文字の造語を呟いていたら魔法になってくれないだろうか、クソみたいな毎日を、水洗便所で流していく、人の夢は規模を問わず儚い、寒さにだけ思考を奪われるのも悪くないと思えた夜雨に射貫かれた日、足りないよマテリアル、置いていかれるよ待ってリアル、プロテインじゃ血肉にはならない何かがある。 ＃ 忙しさに殺されてきた甲斐がありました、最後に正社員だった職場に捧げる、あんたの作っている環境はクソだった、さっさと廃業してくたばってくれ、でも休日はいつも疲れて、眠ったままで１日が終わってしまう、何も出来ないで終わってしまう、元気に動ける休日をたまには過ごしたい、叶わぬなら冬眠したい。 ＃ チカチカと視界が摘ままれる、片頭痛にバファリン、優しさで半分は出来ているから、成分が足りていないのかもしれない、断られる早退、頭を抱えながら物置小屋にある、枕の無いベッドで横になって過ごした、意地悪したくなる、日付をずらして欲しい有給は、変えられるけど無理だと言って断ってやろう。 ＃ ロックンローラーが死んでしまってから、生活はほんの少し静かになりました、隙間を埋めるようにギターを弾いてみるけど、なんだか悲しい音に聴こえる、幾つもの光が私の前に現れては通りすぎることを繰り返しているけれど、それを掴まないで今に至る、この世の裏側に何があるか分からないけど、きっと今日は。 ５０ ＃ 落としたピザはマーフィーの法則から逃れたが、楽しくやっていた上海が、いつの間にか義務化していたことに気付いた、仕返しをしたいと、傷付いてる人ばかりが、新しい窓の向こうで叫んでいる、打って走る、鬱蒼とした中を、もうそんなのはごめんだと、ダイヤを描かずにさようならを告げる、ただ静かに。 ＃ シュールに取りあえず、ツァラツァラと歩いてみる、健康的な芸術運動、ご覧よ、昇った太陽がやわらかい、昔誰かがアレは穴で外から光が漏れているんだと言ってたな、水平線を眺めていると、何だかそんな暴論もスンナリと入ってくるんだ、好きな食べ物は増えないけれど、嫌いな食べ物は減っていくこの頃。 ＃ ダッターダ、ドゥッティドゥダ、ダッダダ、プティツゥダ、綺麗な私だけを見て、ダッターダ、ドゥッティドゥダ、ダッダダ、プティツゥダ、甘く噛んでみて、ダッターダ、ドゥッティドゥダ、ダッダダ、プティツゥダ、淡い君の手、ダッダダ、ドゥッティドゥダ、ダッダダ、プティツゥダ、儚い夢に生きているね。 ＃ ビニール色の空、移ろいでいたら、希望から指が、また少し遠くなる、あぁ言葉の持つ意味が、決してそのままだけでありませんように、悪意に似ているよ、ビートにノルには、寛いでから、天動説から地に落ちて、此処に鳴る、あぁ言葉の持つ意味が、決してそのままだけでありませんように、悪意に似ているよ。 ＃ ボクはディズニーのハードコアなポルノを見たいんだ、この時代に絶滅寸前の中古のビデオ屋さんに置いてあった気がするんだ、もうマニアックなモノしか置いてない、スナッフなんて最早メジャー、カマキリと交尾した後に食べられる男性とか、あの政治家の暗殺の真相だとか、職場のあの人の家での様子が売ってたりする。 ＃ 游泳、溶けるキス、君にウェーブ、確かなメロディ、震える、声が透ける、日々をセーブ、感じたいメモリー、ボクはアライブに溺れたいのに、ボクはアライブに溺れたいのに、幽霊、硝子のスキン、狂える、確かなメロディ、夕景、紅いのが好き、キリンに見える、感じたいメモリー、何か潜んでいる、微睡んでいる。 ＃ 波の嘘を辿る前の、ハッピーな土曜、今・起きた・世界の・朝に・奪われた・輝石、踏み鳴らそう青色に、テキストの宙、今・眠る・世界の・夜に・手に入れた・奇跡、君に曖昧な物語、訊ねる者は居ない、傍に居るのに、誰一人として、集めた裳抜けに、魂込めた、息を吹き返す、明日を生み返す、La La La…。 ＃ ダラダラと、日々を書き垂らす、紙の上、インクの宇宙、句点が星や惑星だった、ローファイ、チルアウト、気持ちだけヒップホップ、憑依させたつもりでやって来ていた、もう充分だろう、いい加減電波なアイドルをヤりたいんだ、パワー・マキシマム・デストロイ、そんなポエムをポップにヤりたいんだ。