別枠表示
光と影の綴織
初期作品集 あゝ満たされない日々よ 澱んだ情動を喰らう純情を 愚かな思考に狂わされる愛憎が 無意味な踊りに安息の刻はあるのか 神々の死骸が永久に我らを堕落させる 『極彩と灰塵』 闇に呑まれし月光に群衆は涙し唄う 我らの道標に成りたまえ 苦しみに満ちた現世に癒しを 祈りの届かぬ巫女に燐光あれ 永遠の渇望に無垢の心を授け賜う 軈て群衆は疲れ果てり 母なる大地に包まれ群衆は眠りけり 『揺らめく月光』 陽光に反射する君の笑顔 今は亡き貴女の記憶に縋る心に花が咲く 桜が舞い散る時、貴女の唄を愛でるだろう 美しい刻は宙なり 『藍』 太陽を待つ日々、天使の涙が降っている 貴女を待つ日々、此処で独り雨を感じる 幸せを待つ日々、胸の中の灯火が消える 悲劇を繰り返す下界を神は嘆き叫んでる 幾多の弾丸が身体を貫き、魂が天へ昇る 五月雨は全てを洗い流し、斜陽を迎える 『五月雨』 人はなぜ嘆くだろう 他人の痛みを知るためだ 人はなぜ笑うだろう 幸せを分かち合うためだ 人はなぜ争うのだろう 醜い生き物だからだ 人はなぜ愛し合うのだろう 美しい生き物だからだ 全ての事象に答えなどない 群衆は死の舞踏会で墜つ定めだ 紅葉が風に乗ってゆらりゆらと流れるままに 刻や生命は流麗に散るまでである 『舞踊』 明媚な大海原に茜さし 陽光が眩く輝きを放つ 雄大な獣も目覚め、無慈悲な連鎖の胎動を感じる 古の刻、人は在るがままに生きていた プロメテウスの火が齎したのは喜劇か悲劇か 血の海に成り立つ我らに罰を下したのは神か悪魔か 生命の潮流は絶え間なく廻る 我らの罪も罰も許さずに 『曙光』 鮮彩な庭園で忘れて逝った蒼椿 色彩豊かな香りは疾くの昔に駆け抜ける 無邪気に微笑んだ二つの影は舞い散り 極彩色の蕾に成った 心に刻まれた閃光は永久に響く 過ぎ去りし街灯は軌跡を描き茜色の導を残す 先人が現に還ると一瞬が幾重に重なり意味を為す 理想郷を求めて地平線に向かった群衆 幸せは只々穏やかにあなたを包んでいた 闇に惑わされ彷徨う群衆を月は観ている 純白の椿が陽光に反射して巫女を祝福した 幾星霜の年月を経て我らは愛するだろう 在りしもの全てを 『庭園』 幼子の透き通った瞳に何が映る 新世界の民は無垢なまま歩めるだろうか 万物は変わり星々の輝きは過去を写す 永久の刻を生きる宙も移ろう 日を重ねて瞳は虚う 螺旋状の造化で現と常世は抱き合い 理が穏やかに在るものを溶かし雫にするだろう 『パンタ・レイ』 初期作品集2 ありふれたものが大事なものになる 夢想家は現実をみて失望する 成功者はなにも手にしていない 凡人は本質から目を逸らす 人々は何かから逃げている。 何かに抗っている。従っている。微笑んでいる。 欠けた心を胸に何かを求めて手放している 現は幻想に成り、幻想は揺らいで深海に潜る 深い深い海底で人々は一つになる 深い深い闇の中で 幼子は昨日を赦し明日を信じた 街が閃光に包まれ人々は夢から覚めた 心地よい夢から… 『希』 貴方は花園で深い哀しみに呑まれ 真紅の葡萄酒に沈み嘆いていたわ 蒼い薔薇を胸に刺し去って逝った貴方は 何を感じていたのか、想っていたのかわからない 身を引き裂く心の痛みは満たされた憧憬を映している 私を置いて逝かないで。只鼓動を感じ 生きていることを確かめたかったの 空の蒼さが清々しくて、苦しくて堪らない 私の中のもう一つの命に有り余る愛を与えるから 過ぎ去りしあの日々を返してください あゝ神様…。 『葡萄酒』 愛を求める万象が氷柱に変わる刻 熱雷が森羅を呑み込むと、憤激の雲から太陽が顕れる 哀れなる愚民よ、万能なる始祖よ 歪な我らはビーコンを崇め祀っている 終点はどこだ、永久に愛してくれるか、報われるか。 愚民を操る下界の始祖は真善美を探していた 皇女が救われない者の末路を嘆いていた 王は支配する者に跪き慈悲を求めていた 憂や喜び、痛みが貴方を創る。聖母が淡々と… 祈り終えた聖母を見護る民はなにを想っただろうか 歪な傷を負った旅人は湖の女神から地図をもらったが 地図を捨てて旅人は湖の女神に云った "旅路に地図は要らない、在るがままに歩めるなら" 途方に暮れた旅人は刻を重ね砂漠に沈み緑の種になる砂の城で旅人の亡骸はオアシスを生み愚民の始祖となり永久の存在へと成った……。 『凍てつく心象』 擦り減った心は此処ではない世界を求める 救いを願った青年は佇み中空を見つめる 愛を手放した淑女は傷んだ感覚に浸ってる あゝ歪な世俗を創りし人間達よ 一瞬の閃光で滅ぶ世界をどう愛せばいい 己の無力さに隷属している我らに答えを 癒しを、幸福を、理想を、希望を 錆びた心に光を取り戻させてくれ 『常世』 古の人々は暗闇を畏れ敬う 暗闇は総てを掌握したが堕落する 古の民は光を畏れ敬った 光は確かに存在していた 闇に包まれた世界にも 一縷の光は人々の期待を胸に闇と苛烈な闘いに挑む 闇に呑み込まれ光は欠ける 闇は無惨な光を踏みつけると嘲笑い唄った "蒼い天の先には暗黒物質が総て" "暗黒物質は安らぎの媚薬" "人々は光を求め、心に闇を宿す" "夜を、現を、痛みを、感じ給え" 温かい闇の温度を感じた人々 光の復活を夢見る民 陰を畏れることはない 我らを受け入れてくれる 唯一の聖母だからだ 『暗黒』 矛盾に沈澱した日常はつまらない 独善的に過ぎ去る毎日 影に満たされた夕陽みたいに僕の元から去る人々 あなたの全てを奪って壊したい 瞳に映るものを愛した少年はもういない 心の指針はあの日の憧憬を刺している 偽りの関係値でも未来を無駄にしたくない 灰になって空を舞う刻、僕は笑ってられるだろうか 矛盾した心象は退屈だ 『命題』 淡々と窮屈な業務は進む 労働者と味のしないコーヒー 両者は混ざり合い、無色透明に濁る レールの上を歩く静かな民は、異邦人に冷たい視線を向けた。 安全な道から外れた異邦人達を蔑み嘲笑っている。 なんて厳しい世間だろう、無常だ。 正しくなれない人間は お互いの正義を押し付け 心臓に弾丸を打ち込む定め 醜く足掻く我らは優しく世界を回している 『硝子格子』 なあなあお嬢ちゃん世間は退屈じゃないのかい 悩んでないか、不自由ではないかい なにもしないからこっちへおいでよ 欲しいのもは全部手に入るところだよ 嘘や建前などなく本心しかないところで 俺や人様達が笑顔で悩みなく過ごせるところだよ 怖いのかい 嫌なことはない理想狂だよ さあさあ躊躇わないで 眼を閉じて真紅の薬を飲み込もう もうそこは新世界 『理想狂』 灰に埋もれた常闇に魅惑の果実が実る 終末に呆れた人類は暗がりに実った深紫の果実をみる 醜く争う愚民よ、快楽を求めし青年よ 全てを満たす魅惑の果実 産み堕とされた赤子の泣き声 愚かな獣が知恵の果実を貪り喰らう 不快な軋みと共に獣は人狼に成った あの果実は神々の共謀の末に実った産物か 人類に此処は相応しくないと断言した人狼 この星には人はいない 文明の亡骸と人に成った獣だけが 只々爪を研いでいる 『魅惑の果実』 机で語り合った青い春 蒼さはあの頃の琴線に触れる 一瞬の煌めきは醒めない夢を見ていた 淡々と廻る刻の歯車と共に 真実を知った瞳は濁ってゆく 自由の代償に愛は嘆いてゆく 笑顔と引き換えに苦しくなる 憧憬は切ない恋を願っていた 憂いと記憶は心の年輪だ 『鮮烈な輝き』 "散歩のときは身軽がいいね" あの時そう云った君はもういない 大切なものを無くしたときに限って 代わりのものはなにもないのに 生まれ変わったら無垢の白さが眩しい雲に成りたい 僕を置いて人々は喧騒へ向かっていた 嫌になるほど清潔な空をみて 君の笑顔を想い出すのはなぜだろう 『大切なもの』 小鳥の囀りが淑やかな街で響く 風の息吹を、水滴の儚さを含んだ生命の水脈が 重力に身を任せて流るる 少年は感覚を研ぎ澄まし 無名の人々から半透明の人生を 秒針の凍てつく旋律を味わい なにかを求めて喧騒に呑み込まれた 我楽多から忘れものを見つけた刻 貴方は喜びを噛み締めるでしょう 真珠を嗜む淑女は伴侶の横顔を感じ 満たされた真夏の蒼さを全身で憶えた 生命の三重奏は煌めきを乗せて深海に潜って逝く 『ラシーヌ』 大樹の隙間から光が溢れている 刻の行進が止み、白昼夢が総てになる わたしは独り、異才が綴った文字を追う 他人とは永らく話していない 自己と他者の輪郭でさえ朧気になる 穏やかな瞬間が重なり生と死が消えた 真理を知った異才は麗しかった 愛おしい旋律が樹々から聴こえた 瑞々しい水鏡を観てわたしは悟った 穢れなき異才が狂気に苛まれ 終末を予見し地上の魂を浄化させたこと。 純真な瞳からわたしが生まれ 天海から白昼夢が造られたことを… 『静謐』 伽藍堂の聖地に色褪せた壁画を持つ骸が在る 月光を浴びた壁画には、罪を贖う神が居る 業火が罪人を赦し、苦しみのない世界へと導いた 骸を剥き出し罪人は真理を叫ぶ 十字架で泣き叫ぶ罪人に見向きもせず 人波は其々の日常を送っていた 燃え盛る炎の園を背中で感じながら 軈て聖地は変わり果て、頽廃的で抗争的な都市に変貌した。それでも尚、大衆は濁った心を抱え、月日を送る。 幸せという名の桃源郷を追って 真理を叫んだ骸は哀歌を奏でながら待っている 安息の刻の到来を…… 『ornament』 天の河に星々が咲き誇る 地上の恵みと共鳴し 慈しみの協奏曲が聴こえる 憂いも痛みも忘れる者は 天の河の輝きになるだろう 星が望んでいた生命は 新たなものを産む原石 後悔ばかりの選択も 正しかったと思える日が 報われたと感じるだろう 天の河は総てを優しく包む 過ちも怒りも孤独も赦す光だ 『天の河』 初期作品集3 絶対なるものは間違いだらけの此処を造った 此処で偶然、絶対なるものに似た群像が顕れた 群像は絶対なるものを殺した。躊躇なく 血潮は数多の生命を産み、群像劇が始まった 愛、哀れなり。醜いとは美しい。過ちは正しい。 群像は数多の生命達を殺した。躊躇なく 骸と化した亡霊は滅びの道具を群像に与えた 万能の器のそれを使い、群像はお互いを殺した。 躊躇なく。…群像劇は悲劇を望んでるかのようだ 絶対なるものは劇場を噛み締めていた 群像が間違った台本に倣い演じているのを…。 『Paradise 』 無音が空虚な俗世で響いていた 煩いほど。異物は無音に憎しみを抱いていた 耳の奥で突き刺す痛みは音はない 其処にはない、異物が望む心地よい旋律は 異物は俗物に抗い不協和音を鳴らした 煩いほど。動かない異物は侮蔑な扱いを受けた 不協和音と俗物達の叫びは様相を変えた 狂気が孕んだ美しい調律へと 異物が忘れ去られた 俗世ではヴァイオリンや唄が奏でられ 世界を祝福していた。儚げで醜い俗世間に抗うように 『心地よい旋律』 機関車に揺られ現実に正された男がいる 眉間と頬に皺が刻まれていた 皺の数だけ喜びと悲しみが在った 男は思った "手にいれるものは大きくなったが 苦しみが首を締め付けてくるのは不可避な運命か" 機関車は三珠の宝玉を求め、レールが歪んだ そう楽になれると思って 機関車の運転士は御霊の宝玉がある深い闇に堕ちた 運転士を失って尚も進む機関車 男は夢想から覚めた、其々の定めが待っている現へ 旅路を歩む意味を求めることは愚かだろうか 否や、希と現が混ざり合う現世は 調和を保ち無関心に混沌を産むだろう 『弁明』 幾星霜の銀河に空虚で尊大な人工物が漂っている 嘗て人工物には栄華が溢れて満ち満ちていた あの頃の輝きは朽ち果て虚しく宇宙に向かい瓦礫と化した 太陽のエネルギーを奪い切った人工物 愚かな我らは無限に近い太陽の力でさえ 煌々たるものの総てを犯し、捨て去るのか 虚しくも壮大な骸は永い時間を掛けて霧散した 誰かに気づいて欲しかったみたいに 『Sci-Fi』 エントロピー増大の法則とは 秩序と調和が保たれたものは 崩れ去る定めにあるものだ この大原則は何人たりと逃れられない 宇宙すらも………。 たった一世紀足らずの命 我らにとって幸せに足る充分な時間を刻めるのか 満たされた瞬間は有限であり 頭蓋骨に収められた心は不感症だ 答えのない問いに対し エントロピーはこう云う "そう頑なに幸せを追い求めんなぁ" "皆仲良く灰になるんだからさぁ" "刹那の甘酒を求めて生きようぜぇ" "太陽すらも俺から逃れられんのよぉ" "なあ愛すらも終わってんだよぉ" 彼は蒼白い瞳をこちらを向け独りごちる 片手には華やかなで美しい生気を失った薔薇が有った 万物は毒だ。毒は等しく死を与える 安らぎも与える、辛さも痛みも捨て去って 終わりを怖がることはない 苦しみと癒し、怒りと笑顔に溢れた現世に 永久の御別れをするだけである 『エントロピー』 自由と享楽の狭間で幻想を謳歌する青年 責任と権力に呑まれ、我に溺れる独裁者 愛と安住の地を求めすべてを捨てた淑女 自由と享楽は確かなものを破滅させ 独りという名の真の自由を知るだろう 責任と権力に溺れる凡人は裏切られ 惨めな死かそれ以上の屈辱を味わう 愛を求めた淑女は人間の残酷さを知り 無様に路頭に迷う哀れな負け犬になる 其々の定めは変わらない 人は己の欲望に支配されている限りは タナトスとエロスは微笑み 我々を満たすに違いない 理性など意味を為さない世界 哀れな我らを傍観するものは どこにも居ない あなたも当事者なのだ 『Show me now』 得物を丹念に研ぎ、獲物を円やかに裂く感触 あの官能的な快楽は忘れられない 何年も蒸留した美酒を味わう舌みたく身体の芯を貫く 生命の奪い合いは何物にも優らない 世界そのものが遊戯場みたいだ 獲物を丹念に調べ、得物で艶やかに啄む感覚 あの魅惑的な旨みは忘れられない 何年も怨みを抱えた仇敵に相応の報いを与えた瞬間だ あの刻から醜く、より洗練された得物 九つの得物は不可解な悲劇を求め 鈍く反射光を放っている 遊戯場ではルールなどない 獲物が逃げる足音 哀れな獲物が残響へと変わる涙 円やかに切り裂かれ変わり果てた肉塊 神経を貫くオキシトシンだけが すべてを物語っている 『夜鷹』 あゝ朝露が我を濡らしている 素晴らしき祝福が収斂し結晶化した愛は 天へと舞い上がり朝露と成った 何時迄もこの愉楽を存分に味わせ賜う 魂が消え、肉体が消えようとも 海原を創った朝露は欣快(きんかい)を広げる どれだけ醜怪な世界だろうと 無言で可憐に包むに違いない おゝ朝露が霧散し消えて逝く……。 『朝露』 頽廃都市 月は堕ち、乱世に逆行 金を奪い合い、資源は枯渇 治めるものは行方知れず 私は独り、平穏を待つ 騒乱の刻は過ぎ去った 大地は芽吹き、星は瞬いた 私は独り、星を抱く 穏和な連鎖は悲劇を包み 再生への扉をそっと開いた 少女を独り置いて逝って 『堕ちた月』 勘狂い艶やかな沼へ誘う 魅惑薫る沼は道ならぬ恋 破滅の足音は何時迄も 見惚れた世界は鮮明に 凡ゆるものに依る人々 綺羅めいた刻は疾くの昔 廻る街頭は快を求め 満たすものは何処か 耽溺は人を駆り立て 狂わせる劇薬 生き甲斐なり 『愛の耽溺』 悦楽を隅々まで貪る王たち 側近、玉座を虎視眈々と狙う 無数の刃、力無き民を屠る 悦楽の蜜、川上へ姿を変え昇 黄金の蜜、純金へ替わり王へ 血潮で汚れた手、王らは洗う 悪魔と結託した正義の使者 悪魔、地上を跋扈し王らを屠る 悦楽の実を捥ぎ取った民 新たな支配者と成り シンジゲートを創る 天へと昇る、嘗ての王 純金は只々其処に佇む 哀れなもの達の末を観て 其の快の海に呑まれる 悪魔は只々嘲笑いながら 『Crimers high』 都は廃れ、逞しい大樹が根を張る 枝葉は鳥獣の寝床、地に眠る骸は芽となる 幾多の幹で蝶の舞い踊る 幼子は草原を駆け夢を観る 留まらない刻が世界樹と成った大樹と悠久と共に在る 巡り廻る自然界には幻想が広がる 我らの父であり母である原初の芽よ 憂い嘆く我らを慰め賜う 刻は廻り、万物に神が宿る 都は栄え、彩色豊かな巨塔を燈す 愛しの芽、移り変わる 今に捉われる我ら コンツェルンは重なり 新世界を照らすだろう 『華』 虚飾で煌めく都 別れを惜しむ人 常夜灯は闇夜を照らす 誰も居ない世道を独り 想い出の海を泳ぐ街は 紅の糸を探し結ぶ涼月 虚飾で煌めく都 玉響、営みを灯す 『灯籠』 独りで生きていけない 誰もが優しさを浪費し 愛を渇望する 偏見という名の刃で 無辜な民を傷つける 嘆かわしくも美しい光 頽廃が侵食する中で 人は其々の花束を持ち 舞い散るだろう 『偏光』 川に漂う鎧、宿主を失い彷徨う 淑女は鎧の主に想いを馳せ花を摘む "わたしを忘れないで" そう云って沈んで逝った騎士は 今も淑女の心を締め付ける 都会の煩い騒音の深いところ 勿忘草は蒼々と空想を詠んだ 騎士を想いて 『勿忘草』 此処は鬼哭啾々と云った詩人 千紫万紅、澄み切る瞳 柔和に佇む、高架下のバラック 娘が水鏡の花を只々見護る 夕凪、海の原と街が鎮まる 老人、亡骸と夕陽を観る 鉄塊、空を纏った刻 メメントモリが幕開ける 朝凪、爽やかに世を移す 静謐、娘と老人が凪いだ 此処は十万億土と云った青年 如法闇夜、咲き乱れる 『凪ぐ』 ストリングスは優美な旋律を奏でる 弦と弓が絡まり合い憂鬱が清き調べに顕れる 旋回する感情を澄んだメロディに昇華する声音 聴衆の心に安寧な居場所を与える歌姫 混迷極まる言葉が蔓延する都 民よ、喉の奥深くに眠る感情を解放せよ! なんと形容すれば良いだろう 澱んだ劇場を晴れやかな空へと変える 優雅な音色と声音の連なりを……… 『mellow』
ログインしてコメントを書く
光と影の綴織 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 420.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-11-01
コメント日時 2024-11-14
項目 | 全期間(2024/11/15現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ぼくのような底辺肉体労働者でも読めるのだろうかとかまえてしまいました。が読めました。意味はわからなかったです。
0大ボリューム。そういうのってなかなかこめんとつかないよね(自分も5篇ぐらい纏めて出したとき悲しい結果になったことを思い出しました(*_*; 美文が目を引きました。詩集をそのまま転機した感じ。title?の置き方(空白処理)がまばらなのが気になった
0