クレヨンの冷たさと近づいた
三輪車の匂いと近づいた
かさぶたのノイズと近づいた
セロハンテープの重さと近づいた
春の その セーターを着た ぼくの
手にした 四つ葉の 摘まみ過ぎた 茎の
やらかさと近づいた
ぼくはぼくと近づいた
詰まった雨だれの氾濫
水を吸うじゃがいもの根
恵みの三食の時間
箸のような枯れた松の葉
ぼくはそれぞれと近づいて
そしてくっついては離れていった
それらはみんな ぼくより先に ぼくが手にし
ぼくに手渡されたものだった
その時はまだ知らなかった
ぼくは はみ出たぶんだけ
還せばよかった
だから ぼくのいう ぼくはいなくなってしまったんだ
すべての名がぼくによって剥がされて
また与えられていった
実際のところは当人のなにも知らない場所で
よりよい関係で
帰ってこなかったのだった
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 179.2
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作成日時 2024-10-17
コメント日時 2024-10-17
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/10/18現在) |
叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:179.2
2024/10/18 15時16分04秒現在
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>やらかさと近づいた →たぶん「やわらかさ」ですね。 「声に出すとキレがあるのがわかる」という詩群があって、 本作はまさにそれだと思います。 読んでいる最中、作者の頭の良さを想いました。
0「近づいた」と言うフレーズ。「離れていった」と言うフレーズ。「帰ってこなかったのだった」と言うフレーズ。「ぼくはいなくなってしまったんだ」と言うフレーズ。それらが相俟って不思議な雰囲気を醸し出している詩だと思いました。
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