バナナが
バナナでなくて
何だろう
黄色い顔して
艶やかで
人を
人間を
斜めに見ている
少し小馬鹿にしたように
鼻でふふんと笑いながら
愛嬌など微塵も見せないで
横目でちらちら
眺めている
舐めるように
人間を
人間のことを
眺めている
私を
私のことを
ながめている
ああ覚えている
温もりが足りなくて
泣いたこと
愛情が多過ぎて
塞いだこと
ああ
あなたはバナナ
食べられるとも知らないで
美味しいことも知らないで
スマートなのをいいことに
名前の通りの風貌で
「私はバナナ」と言っている
バナナでなくて
何だというのか
バナナだろう
紛れもなく
バナナであろう
いや
バナナであって欲しいと
そう願わずにはいられないほど
あなたはバナナ
バナナ
なのだ
それ以外は考えられず
それ以上は許されない
そんな名前の
あなたは
ああ忘れられない
共に生きたこと
共に歩んで来たこと
覚えているよ
長い睫毛と
肩を鳴らす癖と
朝の窓辺に漂う匂いと
私だけの
バナナ
作品データ
コメント数 : 12
P V 数 : 910.7
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-10-09
コメント日時 2024-10-16
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:910.7
2024/11/23 17時22分28秒現在
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えっ?バナナマンのこと?とか思いました。違うと思うけど。
1黄色い顔というからには喩えは日本人でしょうが、このバナナ(実は野菜らしい)という果物に少しだけ揶揄を込めて言葉にして捻ればこれくらいスンナリと入ってくる読み切れる、の詩は容易いでしょう。だけの感想なので、そういうことも踏まえてお作りになったのでしょうね。
1いいえ違ってませんよ。バナナマンのことです。YOUは何しにビーレビへ。
0ありがとうございます。さすが読まれてますねー。おそらくそれなりのことを踏まえた上で書きました。あーあ落とし穴があるって言っちゃった。バナナって正確には野菜なんですか? いい豆知識をいただきました。
0面白かったです。人間的な愛嬌が出ている。面白いものを描ける人は面白い人なんでしょう。妻咲様、貴方は面白い方ですね? (ふうせんへのコメント返信、少しコメント欄が荒れ気味のため、只今考え中です)
1ユーモアや空想を持った人が何か不思議と気になる物を見つけて、詩でちょいちょい、とちょっかいをかける、みたいな詩が好きなので楽しく読みました。 最後の方で、バナナは比喩らしいとも思いましたが、バナナは比喩ではなくて、筆者はバナナとただじっと対面して、心を近づけて描写しているのだったら良いなあと思いました。
1ありがとうございます。いやいや賛否両論の渦を巻き起こせる人は羨ましい。私は自分で言うのもなんですが比較的過激な思想を持ってるつもりではいるけど、なかなか持続力のある波風は立たせられない。意義のある嵐を起こせる人になりたいものです。
0バナナの風物詩の効果を生かした潔い詩ですね!!簡潔なところが好きです。回りくどい詩を読むのめんどくさいです。
1ありがとうございます。この詩は実は2年以上も前に書いたものなんですが、要するに静物画みたいなことをしたかったんです。だから皆が想像してるメタファーは実はそれを想定してはいないんです。ただ書いてる最中にはそう受け取られることも当然理解した上で、そうじゃないことに気付く人がどれだけいるだろうか、という私なりの引っかけみたいな部分で敢えて書きました。どう受け取っても全部正解という前提での遊びですね。
1ありがとうございます。普段から回りくどい詩ばかりを書いている私が本当に回りくどいのかを知りたくて、本当に回りくどいということはこういうことなんだよ、と言うつもりではっきりさせるためにわざと簡素に読みやすく書いたのでした。
1バナナ食べたくなってくる(笑)
1ありがとうございます。バナナも食べられるのをきっと待ってます。 関係ないけどうちのおばあちゃんはバナナのことをいつも「バナ」と呼んでました。
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