さようならの花 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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さようならの花    

夕陽に照らされる からたちの垣根 風が咲き乱れた白い花々を 優しく優しく送っていく この上り坂の はるかはるか遠くまで あなたが手を振っている あの郷愁の彼方まで からたちのそばで泣きました あんなにあんなに優しかったのに からたちの青い青いとげは 僕が心を捧げるにふさわしい存在の そんな心象の現れでした からたちの花はさようならを告げる その後には甘やかな金色の実が残る からたちの実で作ったお酒だ どうか断らずに飲んでくれやしないか 風雨の喩えにからたちの花だけがふさわしいように 人生だけがさようならを表せられるように “さらばあげましょ此盃で” 実の後には種が残ります 僕に残されたものです 僕は種を丘の上に植えて いつか芽吹くのを待ちます 芽が出た後は木が伸びて 枝から花から出でることでしょう そして花の後には また実るでしょう 種はまた誰かに譲りましょう 譲り葉の木の下に立って 譲り葉を見る時が来るように そうだ この花たちは 存在するがゆえに美しかったんだ どうして僕にはそれが 今までずっと わからなかったんだろう からたちの花が散ったね 僕らのさようならと一緒にね


さようならの花 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 10
P V 数 : 648.7
お気に入り数: 0
投票数   : 3
ポイント数 : 0

作成日時 2024-09-14
コメント日時 2024-09-14
#現代詩
項目全期間(2025/04/14現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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叙情性00
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 エンタメ00
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閲覧指数:648.7
2025/04/14 22時17分24秒現在
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    作品に書かれた推薦文

さようならの花 コメントセクション

コメント数(10)
おまるたろう
おまるたろう
作品へ
(2024-09-14)

たとえばだけど、槇原敬之のいう「きみ」「あなた」は(当然)同性なんだろう。 この詩にもそういう気配を感じた。 田村さんの意外な顔を垣間見たような作品。

1
テイムラー隆一
テイムラー隆一
おまるたろうさんへ
(2024-09-14)

コメントありがとうございます! 僕が「きみ」や「あなた」を使うときは、異性……つまり、女性をイメージしてる。 だから、槇原敬之さんとは違う部分はあるとはいえ……。 しかし、そういう読みもあるか。僕の作品における「きみ」、「あなた」は基本的に僕の中のイメージだと女性(少女)だったけれど、男性に置き換えて読み解くと何か別の発見できそう(たまに自分が作った作品で新しい発見をすることはある) ありがとうございます!

0
佐々木春
佐々木春
作品へ
(2024-09-14)

テイムラーさんの信念というか世界観というか、ぶれないのがすごいと思います。 たぶんお若いのだと思うのですが、あんまり周りに見ないのではないかと思います。 最後の > そうだ この花たちは 存在するがゆえに美しかったんだ どうして僕にはそれが 今までずっと わからなかったんだろう ってなかなか心から思うことが難しいことなんじゃないかと思うので。

1
テイムラー隆一
テイムラー隆一
佐々木春さんへ
(2024-09-14)

コメントありがとうございます! まあ、いつかはブレるかも……というか、場所によってはすごくブレてる。(とくにPixivとか見たら仰天すると思う。ビーレビと雰囲気が違いすぎる創作してるし) とはいえ……そう言ってもらえるのは嬉しいです!

0
完備
完備
作品へ
(2024-09-14)

作者の人柄がやわらかいのだろうことは伝わるが、それだけだな。

1
テイムラー隆一
テイムラー隆一
完備さんへ
(2024-09-14)

コメントありがとうございます! まあ……星菫派だし、僕。うん。

0
完備
完備
作品へ
(2024-09-14)

田村隆一をモジるならもっと田村隆一リスペクトみたいな詩を書けよ。どっちかっていうとタツィハラ道造って感じじゃねーか、ゴリゴリに近代詩の感性だろ……

1
テイムラー隆一
テイムラー隆一
完備さんへ
(2024-09-14)

こ、これには深いわけが…… 僕「あー……小説もいいけど、詩もいいね……」(読み込んでたのは尹東柱や宮沢賢治) このときはまだ小説中心で、李箱もあくまで小説の方を好んでた。 が、ここで田村隆一と出会い…… 僕「大学に全集あるじゃん!よし、バンバン読み込んで……僕も詩を書いてみるか。でもPixivだと前々から詩への反応が悪いってわかってるし……ここはいっちょ現代詩サイトに特攻!」 ただし…… 僕「まあ、田村隆一のセンスは好きだが、完全に好きというわけじゃないし、僕には真似できないし、結局は近代詩や韓国の詩に戻っちゃうし……まあ、名前だけもじっておくか。下手な田村隆一リスペクトを書いてもファンに殺意向けられかねん……僕の好きな近代詩っぽいのを手始めに書いてみよ……」 こうしている間に身も心も近代詩になって、今に至る。 ……ノムリック英夫にでもしとくべきだったか? まあ、今のユーザーネームもなんか染み付いたし……このままでいっか()

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田代ひなの
田代ひなの
作品へ
(2024-09-14)

ノスタルジックな雰囲気が好き♡ からたちの実が出て来た件から想い人がいなくなった寂しさと愛おしさを抱えながらも、前に進もうとする主人公の意志の強さが感じられました。映像にすると、驚く程綺麗に映し出されると思います(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)

1
テイムラー隆一
テイムラー隆一
田代ひなのさんへ
(2024-09-14)

コメントありがとうございます! 良かった……読者が心のなかで映像化したときに綺麗に映し出せるように心がけて書いたのが、うまくいった……。 ノスタルジックは僕の好みですから

1

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投稿作品数: 1