モノクロに映る虚ろな瞳を
果てなき空に向けながら
干からびた土の上で一人
枯れ木のように死を待っていた
白い手足は傷だらけ
赤黒い血が臭気を放ち
腐敗する時を待っていた
多分此処からは出られない
私がそれを望んだから
"もう放っておいて、私を放っておいて"
そう呟くも涙は出ない
何処からか吹き込んだ
若草色の春風が
囁くように私に触れる
"帰っておいで、私のもとへ"
抱きしめられる温もりと
懐かしい故郷の声
寄り添うように、励ますように
柔らかな口づけが
私の中に命を吹き込む
"戻って来て、私のもとへ"
渇いた大地は潤いを取り戻し
新しい芽が顔を出す
枯れた木々が蘇り
花が咲き、緑が茂り、私を包む森となる
"帰っておいで、愛しい子"
"私はあなたを愛している"
いつの間にか傷は消えて
新たな鼓動が胸を打つ
いつの間にか流れていった
一筋の雫が落ちて
木漏れ日のように煌めいた
"やっぱり生きたい"
"私もあなたを愛している"
春風は導いていく、光差す生の道へ
そして私は、今、歩き出す
作品データ
コメント数 : 14
P V 数 : 688.9
お気に入り数: 1
投票数 : 4
ポイント数 : 0
作成日時 2024-09-10
コメント日時 2024-09-13
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/10現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:688.9
2024/11/10 01時57分56秒現在
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ライトな痛みと嘲りみたいな、自虐というか、待ち望んだ救いというか、予定調和というか、とりあえず良かった、そう思いました。
1コメントありがとうございます★ 作品から色々感じ取って頂けたとのことで、光栄です★ 一部解説になりますが、生きるのに疲れて死のうとした主人公が母親の思いに励まされて結局生きる道を選ぶといったストーリーを作品のベースにしてみました。 荒廃した世界を死にたいと思う主人公の気持ち、春風を母親が子を思う強い気持ち、森を母親の優しさに触れ、再び生きようとする主人公の意志と例えてみました。
0もののけ姫みたいな、自然が人に救いを与えるイメージ、木漏れ日の中から、救いの日が差す映像が頭に浮かびました。田代さんはとても文才のある方だと思いますが『お洒落で、面白い主婦』みたいなキャラが立ち過ぎていて、其れが隠れて感じてしまうことがあります。今回は、其れがなかった。文章を通じて、読者が世界観に引き込まれ、物語世界の中に入っていく。よく出来た演劇のようで、楽しく読めました。
1『モノクロに映る虚ろな瞳を 果てなき空に向けながら 干からびた土の上で一人 枯れ木のように死を待っていた』 『白い手足は傷だらけ 赤黒い血が臭気を放ち 腐敗する時を待っていた』 ……という最初の部分だけ見えていたから、「ああ、また結局綺麗な詩をかけなくなってしまったか。あんにゃろ急にどうしたってんだ。Oさん(仮名)や万さん(仮名)から悪い影響を受けてしまったのか」と思ったけれど、きちんと読んでみればなんてことはない。田代さんの詩に特有だった素朴かつ自然的な綺麗さと、序盤にみられるような最近の頽廃・陰湿的な雰囲気が何の違和感もなく合体しているから、良い意味で面食らってしまった。 これはこれで興味深いかもしれないし、作品としても良いものになってる。
1コメントありがとうございます★ 今回の作品は死からの生還をテーマに、自然や森をモチーフとした作品にしてみました( ꈍᴗꈍ) "木漏れ日の中から、救いの日が差す映像が頭に浮かびました。" ↑素晴らしい着眼点ですね!感服です★ 終盤に光要素を持ってくることで、生きる希望を取り戻していく様を表現してみました(*´ω`*)
1コメントありがとうございます★ 今回の作品は死からの生還をテーマに、自然や森をモチーフとした作品にしてみました( ꈍᴗꈍ) "木漏れ日の中から、救いの日が差す映像が頭に浮かびました。" ↑素晴らしい着眼点ですね!感服です★ 終盤に光要素を持ってくることで、生きる希望を取り戻していく様を表現してみました(*´ω`*) コメントの場所間違えました、すみません(汗)
1コメントありがとうございます★ 今回は死からの生還を荒廃した大地が森に変わる様で表現してみました★ 序盤の荒廃した様子を極端に生々しくすると、後から森が蘇る件で盛り上がるかなと思ってこのようなフレーズにしてみました。 ティムラーさん好みに書けたかな? でも、もうちょいこだわれたかもしれない(泣)
0コメントありがとうございます★ 作品から色々感じ取って頂けたとのことで、光栄です★ 一部解説になりますが、生きるのに疲れて死のうとした主人公が母親の思いに励まされて結局生きる道を選ぶといったストーリーを作品のベースにしてみました。 荒廃した世界を死にたいと思う主人公の気持ち、春風を母親が子を思う強い気持ち、森を母親の優しさに触れ、再び生きようとする主人公の意志と例えてみました。 コメント場所間違えました、すみません(汗)確認ミスです(汗)
1ドラマチックな人生への憧れが見てとれて素敵だ。たぶん、いやかなりの確率で女性の作者でしょうが、女性の書きものは優しさに充ち満ちていてこのような世界観を紡ぎ出せることが羨ましい。
1コメントありがとうございます★ 今回も楽しく読んで頂けて嬉しいです★ 今回は死からの生還をテーマに、自然や母性を盛り込んだストーリーにしてみました(*´ω`*) 優しさに溢れた世界観とのことで嬉しいです♡
01番最初の 「モノクロに映る虚ろな瞳」が良いなと思いました。 それにしても、何故バッドエンドではいけないのでしょうか?
1コメントありがとうございます★ 敢えてバットエンドにしなかったのは、死からの生還を作品のテーマにしているからです。 死の淵を彷徨う主人公が母親の生きてほしいという強い思いに励まされて生を取り戻すストーリーを詩の中に組み込んでみました(. ❛ ᴗ ❛.)
0"帰っておいで、私のもとへ" 苦境にたたされたとき、一番救いにおもえる言葉かもしれません 人類に共通の母なるものがいれば、せかいは変わるのでしょうか…
1コメントありがとうございます★ "帰っておいで、私のもとへ" 苦境にたたされたとき、一番救いにおもえる言葉かもしれません ↑素晴らしいご感想に感謝致します★ このフレーズを盛り込むことで、死にたい気持ちから生きたい気持ちへ徐々ににシフトしていく形にしてみました(. ❛ ᴗ ❛.)
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