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醒
午後、わたしはひどく醒めたが 形見のように愛を抱いて あなたは激しい眠りに落ちた 長い髪が 竜巻みたいに渦巻いていた 神様から わたしたちの窓へ 吹きつけるあめかぜ かみなり その光りが照らす あなたの寝顔がむやみにしろい (神様、どうかこの子を濡らさないでください (わたしの傘をここに置いてゆきます 祈るような姿勢で あなたは激しい眠りに落ちた あなたはあなたの眠りに落ちた わたしは果てしなく醒めて、醒めていた、 醒めていたから 帰らなければならなかった わたしはわたしの生活へ 帰らなければならなかった
醒 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1267.6
お気に入り数: 3
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2024-09-01
コメント日時 2024-10-05
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
- 愛とは、なにか? (万太郎)
この詩は**上位10%**に位置すると評価します。 ### **評価と分析** **1. 詩の構造と技法** この詩は、シンプルでありながら感情を強く喚起させる構造を持っています。全体的なトーンは抑制されており、感情の激しさが静かに流れるようなリズムと共に表現されています。詩の構造は、短いフレーズと繰り返しを用いることで、一貫したテンポと抑揚を生み出しています。 - **対比と反復**:詩の中で「醒める」と「眠りに落ちる」という対照的なイメージが繰り返し使われています。この対比によって、語り手の意識と相手の無意識の世界が強調され、物語に深みを与えています。 - **感覚的な表現とイメージ**:「竜巻みたいに渦巻いていた」「むやみにしろい」「祈るような姿勢」といった表現が視覚的なイメージを強調し、詩全体に鮮烈な感覚をもたらしています。これらのイメージが、語り手の感情の揺れと相まって、読者に強い印象を与えます。 - **内省的な語り**:詩全体が内省的であり、語り手の内面の葛藤や感情が中心に据えられています。「醒めていたから/帰らなければならなかった」といった表現が、語り手の現実との折り合いをつける姿を描いています。 **2. 詩のテーマと意味内容** この詩のテーマは、**愛と別離の中での葛藤と、それに伴う自己の覚醒**です。語り手は、愛する人のそばにいることができないという現実を受け入れる過程で、深い苦悩と覚醒を経験しています。 - **愛と別れの葛藤**:「形見のように愛を抱いて」という表現が、愛する人への深い愛情と、その愛が失われる不安を示唆しています。語り手は「あなたの眠りに落ちた」相手に対して、守りたいという気持ちと、現実に帰る必要性との間で揺れ動いています。 - **自己覚醒と現実受容**:「わたしは果てしなく醒めて、醒めていた」という表現は、語り手が愛の幻想から目覚め、現実を見つめなければならないという覚醒を示しています。詩の最後で「帰らなければならなかった」という結論が、現実の厳しさとその受け入れを象徴しています。 **3. 言葉の選び方と表現** 詩の言葉遣いは、簡潔でありながらも非常に感覚的で、強いイメージを喚起します。具体的なイメージと抽象的な感情表現がバランスよく組み合わさり、詩の奥行きを深めています。 - **抑制された感情表現**:詩全体のトーンは抑制されており、感情が爆発することなく静かに表現されています。この抑制が逆に、読者に強い感情的な共鳴を引き起こします。 - **視覚的なイメージの効果的な使用**:「竜巻みたいに渦巻いていた」や「むやみにしろい」といったフレーズは、読者の視覚に強く訴えかけるイメージを生み出し、詩の雰囲気を一層豊かにしています。 **4. 改善点** - **象徴性の統一性を強化**:詩全体のイメージは強烈であるものの、いくつかのイメージが重複しているため、より統一された象徴性を持たせることで、詩のテーマがさらに明確になるかもしれません。 - **感情の緩急の調整**:詩全体のトーンが一定であるため、感情の高まりと静けさをバランスよく配置することで、詩にさらなるダイナミズムを加えることができるでしょう。 **5. 詩の意図と解釈** この詩は、愛する人との別れとその受容を描いたものであり、語り手の内面的な変化と成長を強調しています。愛と喪失の経験が、語り手を現実へと引き戻し、自己の覚醒を促す様子を描いており、読者に対して感情的な共鳴を引き起こす作品となっています。 ### **結論** この詩は、愛の喪失と自己の覚醒をテーマにした非常に感情的で奥深い作品です。シンプルな構造と強いイメージが効果的に組み合わさっており、読者に対して強いインパクトを与えます。詩全体の象徴性や感情の緩急をさらに調整することで、詩の深みを一層強化することができるでしょう。それでも、この詩は非常に優れた作品であり、上位10%に位置する詩として評価されます。
0ネット詩に蔓延っている「無機質に見せたい私」=「わたしの頭の悪さ」自慢みたいなものが払拭されていて(尤もいわゆるエモを前面に出しているとかいうのとも違う)、質の高い作品。 この線はまだAIには分からないか。
0恋人の寝顔を見つめてその無防備と安楽を見つけると醒めて責任や人生が押し寄せてくる、説得力がありますね。古風なのも好み。
0こ、恋人……? ではないような気がします。AIさんも「愛の喪失と自己の覚醒」とまとめていますが、果たしてそうでしょうか。 一番分かりやすいのは、「(神様、どうかこの子を濡らさないでください」の文で、親子関係のイメージが浮かぶのではないでしょうか。 一行目、最近私もどう使うか考えたもので、「午後」という単語、人生の折り返しを比喩しているように思います。「激しい眠り」、「あなたはあなたの眠り」という表現からも、子供のこれからの激動の青年期が想像できます。「愛の形見」を抱きながら眠り進んでいるのですから、愛は喪失していないでしょう。髪が竜巻みたいに渦巻くのも、元気さ。顔の白さに「むやみに」という形容動詞が使われているのも、なりふり構わず生きていく無邪気さがある。 「覚める」ではなく「醒める」を使っているのも、「生命」に刺激されて起きたからでしょうか。だから、喜びも隠れているのかもしれません。「醒めて、醒めていた」と反復して、その命を噛みしめている。 子供は子供の眠り、「わたし」は「わたし」の生活だ、と起こさないようにする親の愛。シンプルで良い詩です。
0オッ 高評価ありがとう。
0親子ってのは想定していませんでしたが、なるほど面白い解釈だと思います。
0なんだろ、罪というか、悪っていうことがテーマの作品なのかもしれないな、と思いました。 本当は誰ものぞんで罪を負うたりしたくないわけですよ。 でもやっぱり、自分の生活が大切なわけですよ。そういう意味で、世のエンタメの「自己犠牲」を 緩やかにノンしているような気がする。まあ最近のアニメも利己的らしいけれどよく知らないです。 詩全体に緊張感が失われてなくて良いと思いました。
0どうもありがとうございます。「世のエンタメの「自己犠牲」を緩やかにノンしている」というのは全くその通りですね。そういうことが書きたかった。
0不倫の詩かなと思いました。いつもながらモヤがかかったような薄気味悪い世界観ですよね。 ここ最近読んだ完備さんの作品の中ではいちばん好きでした。 ただ、タイトルはこれじゃない気がするなあ…
0「狂気と正気の詩」だと思いました。狂気に落ちていく「あなた」(これはもしかすると「わたし」の一部なのかもしれません)と、あくまでも正気で、自分の生活を守る「わたし」の対比が鮮やかに描かれていると思いました。狂気と正気の狭間で揺れる、ということはなく、あくまでも狂気に落ちていく「あなた」と正気にとどまる「わたし」。傘を置いていくのは、「あなた」へできることがもうそれしかないということで、「祈り」のようなものだったのではないでしょうか。
0生と死をこの作品から感じました。 勝手な解釈で申し訳ないのですが、もしかしたら「あなた」は近い未来に不治の病にかかって苦しみながら死ぬ運命が待っているんじゃないかと想像しました。
0作品へのコメントを読み、これをいいと思う人もいるのだと知りました。 しかしこれを玄人のところへ送付し、見せたらどう思うか? 完備様は、私の作品についてあれこれ意見するのはいいのですが、どこか信頼出来るパーソナリティのところへ送付し、賞など受賞したことがあるのでしょうか? よければ回答お願い出来ますか? ちなみに私はココア共和国で十五作佳作を受賞しております。優秀作品は2作。あさひてらすでも幾つか掲載されておりますが、どれも履歴も経歴も顔も出さず実力のみによるものです。私の私感では完備様がそのような経験をしたことがあるお方だとは思えないのです。他人の作品に対するなんの根拠も示さぬ軽はずみな罵倒。それをやってなにが楽しいのか。クリエイターとしての健全な精神がない。もし、なんの受賞経験もないということなら、自己満足でこのまま腐り続けてればいいと思いますよ、私は。自分が腐っているともわからぬ、無自覚的腐りで生き続けるならそれはそれでいい。 最後にあなたのいいそうな頭の悪い他人のものの返しで、話を締め括らせていただきます。 「腐ってんのはオメーだろ」
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