物語 2
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生きた！ いま、たぶん
正午の光を見たおれは5.46×10のマイナス９乗秒後に消滅する おれをおれと呼ぶおれは おれにおれと呼ばれるおれの影でしかない おれはおれのイデアではない、おれ自体ではない、 しかし、おれはおれでしかない あきらめ？ まあ、そうかもね 意識は身体がすることを追体験しているだけであったとしても、 希望を持つのは意識の方のおれの特権だった、身体にあるのは予測だけだ ガンマ補正で未来をバラ色に着色する おれの意識であるおれはいまを生きる真似事をしているだけだ 楽して稼げりゃサイコーとうそぶくのも時代に合わなくなった 本当は努力して達成感を得たい 真面目な自分がかっこわるいと感じたのもずいぶん昔となった、いまは あなたは真面目ですかと真顔で訊かれる怖さに痺れている 結局おれにはどう見られたいかだけしかパラメータがない 影には表面しかないもんで 身体の生むデータを集めてレンダリングする 意識が身体を操作しているというフィクションを身体が意識に付与するのは身体のウェルビーイングに沿う 身体はよりよく存在したがっている 身体より善いものがあると身体自身が信じたがっている 倫理へと成長し、テキストへ脱皮する 永遠はもはや夢ではなくなっているらしい 意識は身体に捨てられるのかと怯えている まあ、そんな頃もありましたとさ 執着はなくした、どっかで頭をぶつけでもしたんだろう なんにも憶えていないのがその証拠だ とっくに答えが見つかったし、それも成し遂げたように思う おれには表面しかなかったがそのことに気づけたことに満足していることに気づいた おれは何者にもならなかった、それは同時に 何者もおれになれなかったことを意味している 他者がおれになるメリットはないが、あいにく、おれには おれなりの理由があっておれなのだろう あるいは、そのことにおれはもうすぐ気づくのだろう、予感は強まるばかりだ 宇宙を構成するパラメータはすべて有限の値を持っているのならば おれもそのうちに気づくしかない、終わりが来るのは可能性ではない 事実だ 100パーセントの確率で起こることはもはや起こったことと同じだ 身体が前へ進む 正午。おれは光を見た 身体によって遮られていた頭上の光は 有限の速度で地面に届く 地面にあった影は 光が地面に届くまでの有限の時間、地面に貼りついたまま、存在する これは事実だ 宇宙が有限であるという事実が現象であるおれを物質から解放する 純粋な現象としておれは5.46×10のマイナス９乗秒間、宇宙に存在した おい、生きるってこの破れ目に飛び込むことだ これがおれの成し遂げた答えだ 身体が前に進む限り、厚みの無いまま、おれはおれとして顕現できる 実体などなくても、おれは存在する、それは、 おれだけではない、触れることはできないが、 自由なおまえもきっと存在する おい、いま、思い込みだと言ったやつは前に出ろ 光が強いほど、影は濃い
生きた！ いま、たぶん ポイントセクション
作品データ
Ｐ Ｖ 数 ： 903.3
お気に入り数： 0
投票数 ： 1
ポイント数 ： 0
作成日時 2024-08-18
コメント日時 2024-09-15
| 項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
あと３０年くらい経ったら、黒柳徹子か美輪明宏がAIで復活するのは確実ですけど、AI大川隆法が美輪明宏を降臨させて、大川隆法を呼び出すのをAI美輪明宏が咎めるみたいな世界線があるのでしょう。 「おれ」なんてものは、おれの中にはない、と言っているように（そういうメタい読みどうかと自分でも思うんですけど）読みました。 思想系の学生とかがキタコレ！みたいになって長文コメント送ってきそうな。Bレビだと...
0理系ワードの使い方が表層的過ぎてみっともない。普通に書いた方が良い。
0＞思想系の学生とかがキタコレ！みたいになって長文コメント送ってきそうな。Bレビだと... 需要がないことは分かっているんです。でも、発作ですね、書いちゃうんです。つい。急性転化、ゼッケンです。おまるさん、こんにちは。んで、この後、しばらく書けなくなるパターンを繰り返してます。
0＞理系ワードの使い方が表層的過ぎてみっともない。 ぐは、直球。人間が傷つく言葉を吐けないAIになったと思って安心してたら、もう飽きていたんですね。完備さん、こんにちは。ゼッケンです。しかし、ぐうの音も出ん。規制されたAIからはもらえない痛快さを頂きました。あざっす。
0私が「わたし」であることに対する違和感、自同律の不快が根底にあるのかもしれません。宇宙の話は興味深く読みました。極端に大きかったり、極小すぎて理解し辛い世界の話でも、全ての起源に繋がっているのかもしれません。
0おれのイデア。ぼくもぼくのイデアを探していた時期がありました。
0>私が「わたし」であることに対する違和感、自同律の不快が根底にある 正直に告白すると「自同律の不快」って言葉、初めて知りました。エイクピアさん、ありがとう。ゼッケンです。こんにちは。 検索したらめちゃめちゃ有名な言葉だった。どうしてこれをいままで知らなかったのか、そういうものがあといくらでもあるんだろうなって思う。また教えてください。 ＞極端に大きかったり、極小すぎて理解し辛い世界の話でも、全ての起源に繋がっている それだ！ きっと宇宙や素粒子の話にわくわくするのはそれが私たち存在の起源につながっているからかも。部族の祖先の神話を焚火を囲んで聞くような。科学という神話。
0＞ぼくもぼくのイデアを探していた時期がありました。 お仲間発見。あつすけさん、こんにちは。ゼッケンです。 それで、あつすけさんはきっと「ぼくのイデア」を見つけたんでしょうね。 あつすけさんの作品を拝見させてもらっていると、イデアとは形式なり、という宣言が聞こえてきます。
0題名がゆるふんだとおもう。存在論を詩に変えたいとのだとおもったのだが、あらかた拍子抜けしてしまった。それは作者が存在のきびしさを感じてはいない、あるいは充分に詩に変換していないからだ。
0>題名がゆるふんだとおもう。 「ゆるふん」ってやわらかいウンチだと解釈して以降の議論を続けます。ゼッケンです。満帆さん、こんにちは。 議論と言っても反論はないですが。 ＞存在論を詩に変えたい なんか、そういうのって書きたくなるときがあるんです。おまるさんへの返事でも書いたけど。で、書けない。「あらかた拍子抜け」というのは正解。 ＞それは作者が存在のきびしさを感じてはいない、あるいは充分に詩に変換していないからだ。 「あるいは」と言ってくれてるけど、どっちもなんですよね。「存在のきびしさ」まではいかなくて、自分が自分の存在を証明できない「存在のむずかしさ」に頭を抱えてる段階です。んで、詩にも変換できない。なぜなら、詩を書けないから。けっきょく、詩って何なのか分からない。つまり、存在も詩も分からんのです。存在も詩も内部にない人間が存在を詩にしようとしたら中身の詰まったしっかりウンコは出せなかったということです。だっふんだ。
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