フィラデルフィアの夜に 52 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。

硬派な作品

萩原朔太郎や中原中也のエッセンスを感じます。

千治

体験記『呆気ない宣告』

それはあなたの現実かもしれない。

大概のことは呆気なくドラマティックではない。そうした現実の丁寧な模写が作品に厚みを増している。

ほば

世界は自由だ━不死━

わかるということ

あなたにとっては何が、その理解が起きるピースになるだろうか?

ほば

ふたつの鐘がなるころは

鐘は明くる日に鳴る! いつでもそうだ!

運営在任中に出会った多くの作品の中のベスト。決して忘れない。

yasu.na

良い

シンプルに好き

あっす

パパの日曜日

パパの日曜日

いい

明林

終着点

生きる、その先に死地はない!

美しくさわやか、そして深い意味が込められたシーン、均衡の取れた心情と思想、強い意志で最終連へと迫る引き締まった展開、我が胸にこの詩文を抱いて!

yasu.na

九月の終わりを生きる

呼び覚ます声

夏の名残の暑さが去ろうとする頃、九月の終わりになると必ずこの作品のことを思い出す。

afterglow

こっちにおいで

たれかある

たそがれに たれかある さくらのかおりがする

るる

詩人の生きざま

言葉と詩に、導かれ救われ、時に誤りながらも、糧にしていく。 赤裸々に描写した生きざまは、素晴らしいとしか言いようがない。

羽田恭

喘息の少年の世界

酔おう。この言葉に。

正直意味は判然としない。 だが、じんわりあぶり出される情景は、良い! 言葉に酔おう!

羽田恭

誰かがドアをノックしたから

久しぶりにビーレビ来たんだけどさ

この作品、私はとても良いと思うんだけど、まさかの無反応で勿体ない。文にスピードとパワーがある。押してくる感じが良いね。そしてコミカル。面白いってそうそう出来ないじゃん。この画面見てるおまえとか、そこんとこ足りないから読んどけ。

カオティクルConverge!!貴音さん

あなたへ

最高です^ ^ありがとうございます!

この詩は心に響きました。とても美しく清らかな作品ですね。素晴らしいと思いました。心から感謝申し上げます。これからも良い詩を書いて下さい。私も良い詩が書ける様に頑張りたいと思います。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

これ大好き♡

読み込むと味が出ます。素晴らしいと思います。

きょこち(久遠恭子)

輝き

海の中を照らしているのですね。素晴らしいと思います☆

きょこち(久遠恭子)

アオゾラの約束

憧れ

こんなに良い詩を書いているのに、気付かなくてごめんね。北斗七星は君だよ。いつも見守ってくれてありがとう。

きょこち(久遠恭子)

紫の香り

少し歩くと川の音が大きくなる、からがこの作品の醍醐味かと思います。むせかえる藤の花の匂い。落ちた花や枝が足に絡みつく。素敵ですね。

きょこち(久遠恭子)

冬の手紙

居場所をありがとう。

暖かくて、心から感謝申し上げます。 この詩は誰にでも開かれています。読んでいるあなたにも、ほら、あなたにも、 そうして、私自身にも。 素晴らしいと思います。 ありがとうございます。みんなに読んでもらいたいです。

きょこち(久遠恭子)

カッパは黄色いのだから

良く目立ちます。 尻尾だけ見えているという事ですが、カッパには手足を出す穴がありますよね。 フードは、普通は顔が見えなくなるのであまり被せません。 それを見て、僕はきっと嬉しかったのでしょう。健気な可愛い姿に。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

永訣の詩

あなたが出発していく 光あれ

羽田恭

あなたには「十月」が足りていますか?

もし、あなたが「今年は、十月が足りてない」と お感じでしたら、それは『十月の質』が原因です。 詩の中に身を置くことで『短時間で十分な十月』を得ることができます。この十月の主成分は、百パーセント自然由

るる

だれのせいですか

どんな身体でも

どんな自分であっても愛してくれるか、抱きしめてくれるか、生きてくれるか SNSできらきらした自分だけを見せてそんな見た目や上辺で物事を判断しやすいこんな世の中だからこそ響くものがありました。例えばの例も斬新でとても魅力的です。

sorano

衝撃を受けました

ベテルギウス。まずそれに注目する感性もですが、詩の内容が衝撃。 猫。木。家族。犬(のようなもの)。女の子……。など、身近にあふれている極めて馴染み深いものベテルギウスというスケールの大きいものと対比されているように感じられました。

二酸化窒素

ずっと待っていた

渇いた心を満たす雨に満たされていく

afterglow



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フィラデルフィアの夜に 52    

 フィラデルフィアの夜にパーカッションが鳴ります。  本当は誰もいないはずの真夜中のスクラップ置き場に、ようやく帰途に就こうとしていました。 いつもならここまで遅く仕事を続ける事はないのですが、今までにないほどトラブルが続き、気が付けばこんな遅くになっていました。 見慣れた鉄屑も、夜になると表情を変えたように恐ろしく感じさせます。 それに噂も。  何かが、化物の様な何かがこの辺りを蠢いていると言うのです。 確かに、鉄屑が前の日とは違う場所に動いている事がしばしばあります。 夜中にこの場所に近づいた人が、聞いた事のない音が聞こえてきたとも言っています。  寒気を堪え、足早に鉄屑の間を抜けていきます。 ただ自分の足音の上に、何かが聞こえてくる。 聞いた事のない音が、足音より大きく聞こえてくる。 細く長い鉄屑を引きずる音が、聞こえてくる。 駆けだし逃げる、その速度より早く、迫って来るのが聞こえてくる。  両腕が動かない。 音が止まった。 何かが、両腕に絡み、掴み上げ、自由を奪った。  渾身の力を両腕に込めても、ビクともしない。 動かされる。動かされる。 自分の意思を超える力に、腕が体が、金属が軋む音と共に、動かされる。  目の前には大量の鉄屑。 その山が、音もなく割れ、開いた道を進まさせられる。 そしてあるのは、病的な肥満の腹の如くに膨れ上がった水か何かがかつて詰まっていただろうタンク。 その前にまで進み、止まった。 今度は手だ。 手が、勝手に動き、そのタンクを叩いた。  軽快なリズムで。  明るく軽い、真夜中とは思えない。 腹太鼓。 軽いビートを刻んでいく。 そんな音共に現れる。 錆びたネジ、捻じれたボルト、壊れたナット。  細い針金を手足に、踊り出す。 踊り出す、踊り出す。 パーカッションが踊り出す。 踊り出す、踊り出す。 パーカッションで踊り出す。 動かされた手で、これ以上ないパーカッションが響き出す。  踊り狂う、舞い狂う。 この時ばかりは許してくれ。 様々なワイヤーとコードが暴れ出し、絡み込んで踊り出す。 舞い出す。人の形を作り出して、舞い出す。 今晩だけは我慢して。 お前の体を貸してくれ。 パーカッションが轟く。この宇宙の果てまで轟け。  人の形を決め込んで。 自動車を体に組み込んで。 即興で忘れ去られた俺たちは踊るんだ。 鉄骨を手足に、トリック決めて。 明日も知らない俺たちは歌うんだ。 軋む金属音を声にして。 今晩だけはリズムに乗るんだ。 捨てられた俺たちは声に出す。 このパーカッションが続く限り。 お前の手で鳴り響く、パーカッションが続く限り。 この上のないパーカッションが。  あくる朝。 信じられませんでした。 でもボロボロになった手が、リズムを刻まれた心が、事実だと確信させてくれました。 明るくなるにつれて、踊り歌いリズムに乗る鉄屑たちは少なくなり、踊りも歌も小さくなってしまって、ついには止まらなくなった腹太鼓の様なパーカッションだけが朝日に向かって続けてしまって。  体に絡んでいた針金はいつしか消え、あれだけ動き楽しんでいた鉄屑たちは、微妙に場所を変えてそしらぬ顔で佇んでいます。  寝不足の上に疲れ切った体に、不思議と力が宿りました。  このスクラップ置き場で、新たな噂が囁かれます。 夜な夜な誰かがこの場所に忍び込み、演奏会を開いていると言うのです。 腹太鼓の様な水タンクを打楽器に、鉄琴みたいな鉄骨を打楽器に、シンバルらしきディズクを打楽器に、自らの掌を打楽器に。 そして何かが金属音を鳴らしながら舞い踊っているそうです。 そのリズムに乗って。


フィラデルフィアの夜に 52 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 8
P V 数 : 640.8
お気に入り数: 0
投票数   : 2
ポイント数 : 62

作成日時 2024-08-02
コメント日時 2024-08-20
#現代詩
項目全期間(2024/11/21現在)投稿後10日間
叙情性1010
前衛性55
可読性55
エンタメ1010
技巧77
音韻1515
構成1010
総合ポイント6262
 平均値  中央値 
叙情性1010
前衛性55
可読性55
 エンタメ1010
技巧77
音韻1515
構成1010
総合6262
閲覧指数:640.8
2024/11/21 23時26分28秒現在
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    作品に書かれた推薦文

フィラデルフィアの夜に 52 コメントセクション

コメント数(8)
ハツ
ハツ
作品へ
(2024-08-02)

読んでいて、楽しい!って感じさせるのってすごく難しいことだと思いますが、こちらを読んでいるとき、画面をスクロールする指がいつもよりリズミカルでした。すごい。読んだ後、楽しかった〜!と思いました。小学生の作文みたいな感想ですみません。52まであるんですね。それもすごいことですね。他の回も時間を見つけてチェックしてみます!

0
羽田恭
作品へ
(2024-08-03)

実は79作品もあります。 https://ncode.syosetu.com/n5588fv/ 最初の方の作品だと拙かったり、気に入らなかったりしますが。 今回はふとパーカッションを題材にしてみようと思い立ち、この様にしてみました。 軽快にスクラップが踊る様を描けたのは成功ですね。 やたら量はありますが、ショートショートと言える分量ですので空いた時間にどうぞ!

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つつみ
羽田恭さんへ
(2024-08-06)

本当にあった話のような、細かい描写。鉄屑に踊らされているのか、話者自身が自ら踊っているのか、最後までわかりませんでしたが、少し不気味な話ではあるけれども、「腹太鼓」のような水タンクを軽快なリズムで、話者の手によって叩かれている。 鉄屑達だけのわがままな演奏会ではなく、話者にも力を宿している。両者イーブンな物語でほっこりしました。

抒情:10 前衛:5 可読:5 エンタメ:10 技巧:7 音韻:15 構成:10  
0
羽田恭
つつみさんへ
(2024-08-06)

最初の方の不気味さと腹太鼓から始まる軽快さの落差の大きい作品になりました。 無理矢理拘束されたところから始まった演奏会ですが、途中から相当楽しかったんだと思います。 結構気に入った話となりました。

0
秋乃 夕陽
秋乃 夕陽
作品へ
(2024-08-06)

一夜の音楽会、踊り狂うスクラップたち。まるで息づくようなそんな光景が目の前で繰り広げられてゆくように感じました。

0
羽田恭
秋乃 夕陽さんへ
(2024-08-07)

そう感じていただき、幸いです!

1
青十字
作品へ
(2024-08-20)

漢字を多用していますね。漢字、カタカナ、ひらがな、アルファベット、これらを確かな意味付けを持って使い分けると、より読みやすくなると思います。

0
羽田恭
青十字さんへ
(2024-08-20)

その発想はありませんでした。 一理あるかと思いますが、どのように使い分けるべきなのか、難しいですね。

0

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投稿作品数: 1