AMUSED TO DEATH。 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。

硬派な作品

萩原朔太郎や中原中也のエッセンスを感じます。

千治

体験記『呆気ない宣告』

それはあなたの現実かもしれない。

大概のことは呆気なくドラマティックではない。そうした現実の丁寧な模写が作品に厚みを増している。

ほば

世界は自由だ━不死━

わかるということ

あなたにとっては何が、その理解が起きるピースになるだろうか?

ほば

ふたつの鐘がなるころは

鐘は明くる日に鳴る! いつでもそうだ!

運営在任中に出会った多くの作品の中のベスト。決して忘れない。

yasu.na

良い

シンプルに好き

あっす

パパの日曜日

パパの日曜日

いい

明林

終着点

生きる、その先に死地はない!

美しくさわやか、そして深い意味が込められたシーン、均衡の取れた心情と思想、強い意志で最終連へと迫る引き締まった展開、我が胸にこの詩文を抱いて!

yasu.na

九月の終わりを生きる

呼び覚ます声

夏の名残の暑さが去ろうとする頃、九月の終わりになると必ずこの作品のことを思い出す。

afterglow

こっちにおいで

たれかある

たそがれに たれかある さくらのかおりがする

るる

詩人の生きざま

言葉と詩に、導かれ救われ、時に誤りながらも、糧にしていく。 赤裸々に描写した生きざまは、素晴らしいとしか言いようがない。

羽田恭

喘息の少年の世界

酔おう。この言葉に。

正直意味は判然としない。 だが、じんわりあぶり出される情景は、良い! 言葉に酔おう!

羽田恭

誰かがドアをノックしたから

久しぶりにビーレビ来たんだけどさ

この作品、私はとても良いと思うんだけど、まさかの無反応で勿体ない。文にスピードとパワーがある。押してくる感じが良いね。そしてコミカル。面白いってそうそう出来ないじゃん。この画面見てるおまえとか、そこんとこ足りないから読んどけ。

カオティクルConverge!!貴音さん

あなたへ

最高です^ ^ありがとうございます!

この詩は心に響きました。とても美しく清らかな作品ですね。素晴らしいと思いました。心から感謝申し上げます。これからも良い詩を書いて下さい。私も良い詩が書ける様に頑張りたいと思います。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

これ大好き♡

読み込むと味が出ます。素晴らしいと思います。

きょこち(久遠恭子)

輝き

海の中を照らしているのですね。素晴らしいと思います☆

きょこち(久遠恭子)

アオゾラの約束

憧れ

こんなに良い詩を書いているのに、気付かなくてごめんね。北斗七星は君だよ。いつも見守ってくれてありがとう。

きょこち(久遠恭子)

紫の香り

少し歩くと川の音が大きくなる、からがこの作品の醍醐味かと思います。むせかえる藤の花の匂い。落ちた花や枝が足に絡みつく。素敵ですね。

きょこち(久遠恭子)

冬の手紙

居場所をありがとう。

暖かくて、心から感謝申し上げます。 この詩は誰にでも開かれています。読んでいるあなたにも、ほら、あなたにも、 そうして、私自身にも。 素晴らしいと思います。 ありがとうございます。みんなに読んでもらいたいです。

きょこち(久遠恭子)

カッパは黄色いのだから

良く目立ちます。 尻尾だけ見えているという事ですが、カッパには手足を出す穴がありますよね。 フードは、普通は顔が見えなくなるのであまり被せません。 それを見て、僕はきっと嬉しかったのでしょう。健気な可愛い姿に。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

永訣の詩

あなたが出発していく 光あれ

羽田恭

あなたには「十月」が足りていますか?

もし、あなたが「今年は、十月が足りてない」と お感じでしたら、それは『十月の質』が原因です。 詩の中に身を置くことで『短時間で十分な十月』を得ることができます。この十月の主成分は、百パーセント自然由

るる

だれのせいですか

どんな身体でも

どんな自分であっても愛してくれるか、抱きしめてくれるか、生きてくれるか SNSできらきらした自分だけを見せてそんな見た目や上辺で物事を判断しやすいこんな世の中だからこそ響くものがありました。例えばの例も斬新でとても魅力的です。

sorano

衝撃を受けました

ベテルギウス。まずそれに注目する感性もですが、詩の内容が衝撃。 猫。木。家族。犬(のようなもの)。女の子……。など、身近にあふれている極めて馴染み深いものベテルギウスというスケールの大きいものと対比されているように感じられました。

二酸化窒素

ずっと待っていた

渇いた心を満たす雨に満たされていく

afterglow



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AMUSED TO DEATH。    

●ゴホン●ゴホン●ある日●風景が咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばの風景も●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにある風景まで●最初に咳をした風景に似てきて●ゴホン●ゴホン●咳がひどくなって●とうとう●そっくり●瓜二つになって●同じ風景がふたつ●みっつ●ゴホン●ゴホンとするたびに●同じ風景がよっつ●いつつ●ゴホン●ゴホン●むっつ●ななつ●と●風景の伝染病が広がって●とうとう●すべての風景が●たったひとつの風景になりましたとさ●あれっ●たくさんの同じ風景じゃないの●細かいことは言わんでよろしい●プフッ●ゴホン●ゴホン●ある日●吉田くんが咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばの山本くんも●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにいた阿部くんまで●最初に咳をした吉田くんに似てきて●ゴホン●ゴホン●咳がひどくなって●とうとう●そっくり●瓜二つになって●吉田くんが二人●三人●ゴホン●ゴホンとするたびに●吉田くんが四人●五人●ゴホン●ゴホン●六人●七人●と●吉田くんの伝染病が広がって●とうとう●すべての人が●たったひとりの吉田くんになりましたとさ●あれっ●おおぜいの同じ吉田くんじゃないの●細かいことは言わんでよろしい●プフッ●ゴホン●ゴホン●ある日●納豆のパックが咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばのマーガリンも●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにあった活性炭入り脱臭剤のキムコまで●最初に咳をした納豆のパックに似てきて●ゴホン●ゴホン●咳がひどくなって●とうとう●そっくり●瓜二つになって●納豆のパックがふたつ●みっつ●ゴホン●ゴホンとするたびに●納豆のパックがよっつ●いつつ●ゴホン●ゴホン●むっつ●ななつ●と●納豆のパックの伝染病が広がって●とうとう●すべての食べ物が●たったひとつの納豆のパックになりましたとさ●あれっ●たくさんの同じ納豆のパックじゃないの●それにキムコは食べ物じゃないでしょ●細かいことは言わんでよろしい●プフッ●ぷくぷくちゃかぱ●ぷくちゃかぱ●ふくとくぷぷぷ●ふくぷぷぷ●ごごんがてるりん●てるてるりん●ごごんがてるりん●てるりんりん●てるてるりんたら●てるりんりん●ふにふにふがが●ふがふがが●ふにんがふがが●ふにふがが●んがんがんがが●んがんがが●ふにふにふにゃら●ふにふにゃら●ふにふにふにゃら●ふにふにゃら●ぷくぷくちゃかぱ●ぷくちゃかぱ●ぷくぷくちゃかぱ●ぷくちゃかぱ●ぷくちゃくぷぷぷ●ぷくぷぷぷ●ぷくちゃかぷぷぷ●ぷくぷぷぷ●ぷぷぷぷぷぷぷ●ぷぷ●ぷぷぷ●ぷぷぷぷぷぷぷ●ぷぷ●ぷぷぷ●ぷぷぷぷぷぷぷ●ぷぷ●ぷぷぷ●ぷぷ●ぷへっ●ぷへっ●ぷぷぷ●ぷへっ●ぺっ●ぺっ●ぺえええ●ゴホン●ゴホン●ある日●ひとつの音が咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばの音も●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにあった音まで●最初に咳をした音に似てきて●ゴホン●ゴホン●咳がひどくなって●とうとう●そっくり●瓜二つになって●同じ音がふたつ●みっつ●ゴホン●ゴホンとするたびに●同じ音がよっつ●いつつ●ゴホン●ゴホン●むっつ●ななつ●と●ある音の伝染病が広がって●とうとう●すべての音が●たったひとつの音になりましたとさ●あれっ●たくさんの同じ音じゃないの●細かいことは言わんでよろしい●プフッ●ゴホン●ゴホン●ある日●ひとつの言葉が咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばの言葉も●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにあった言葉まで●最初に咳をした言葉に似てきて●ゴホン●ゴホン●咳がひどくなって●とうとう●そっくり●瓜二つになって●同じ言葉がふたつ●みっつ●ゴホン●ゴホンとするたびに●同じ言葉がよっつ●いつつ●ゴホン●ゴホン●むっつ●ななつ●と●ある言葉の伝染病が広がって●とうとう●すべての言葉が●たったひとつの言葉になりましたとさ●あれ●たくさんの同じ言葉じゃないの●細かいことは言わんでよろしい●プフッ●ゴホン●ゴホン●ある日●ひとつの意味が咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばの意味も●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにあった意味まで●最初に咳をした意味に似てきて●ゴホン●ゴホン●咳がひどくなって●とうとう●そっくり●瓜二つになって●同じ意味がふたつ●みっつ●ゴホン●ゴホンとするたびに●同じ意味がよっつ●いつつ●ゴホン●ゴホン●むっつ●ななつ●と●ある意味の伝染病が広がって●とうとう●すべての意味が●たったひとつの意味になりましたとさ●あれっ●たくさんの同じ意味じゃないの●細かいことは言わんでよろしい●プフッ●ゴホン●ゴホン●ある日●実際には起こらなかった事が咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そのそばのもしかしたら起こったかもしれない事も●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●少し離れたところにあった本当に起こった事まで●最初に咳をした実際には起こらなかった事に似てきて●ゴホン●ゴホン●咳がひどくなって●とうとう●そっくり●瓜二つになって●実際には起こらなかった事がふたつ●みっつ●ゴホン●ゴホンとするたびに●実際には起こらなかった事がよっつ●いつつ●ゴホン●ゴホン●むっつ●ななつ●と●実際には起こらなかった事の伝染病が広がって●とうとう●あらゆる事柄が●たったひとつの実際には起こらなかった事になりましたとさ●それって●どうやって見分けんのよ●つーか●一体全体●それって●どういうことよ●細かいことは言わんでよろしい●プフッ●ゴホン●ゴホン●ある日●ひとつの*が咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばの@も●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにあった[まで●最初に咳をした*に似てきて●ゴホン●ゴホン●咳がひどくなって●とうとう●そっくり●瓜二つになって●同じ*がふたつ●みっつ●ゴホン●ゴホンとするたびに●同じ*がよっつ●いつつ●ゴホン●ゴホン●むっつ●ななつ●と●*の伝染病が広がって●とうとう●すべての記号・文字・数字・アルファベットなどが●たったひとつの*になりましたとさ●あれっ●たくさんの同じ*じゃないの●それに●などって何よ●何か他にあるの●細かいことは言わんでよろしい●プフッ●ゴホン●ゴホン●ある日●ぼくが咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばにいたぼくも●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにいたぼくまで●最初に咳をしたぼくに似てきて●ゴホン●ゴホン●咳がひどくなって●とうとう●そっくり●瓜二つになって●同じぼくが二人●三人●ゴホン●ゴホンとするたびに●同じぼくが四人●五人●ゴホン●ゴホン●六人●七人●と●ぼくの伝染病が広がって●とうとう●すべてのぼくが●たったひとりのぼくになりましたとさ●あれっ●おおぜいの同じぼくじゃないの●それに●そもそもみんなぼくじゃない●細かいことは言わんでよろしい●プフッ●ゴホン●ゴホン●ある日●ひとつの風景が咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばにいた人も●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたら●そのそばにいた人が●最初に咳をした風景に似てきて●ゴホン●ゴホン●咳がひどくなって●とうとう●そっくり●瓜二つになって●同じ風景がふたつできた●でもそのうち●もとは風景じゃなかった方の風景が●ゴホン●ゴホン●咳をすると●もとの人の姿に戻っちゃって●そしたら●もとは風景だった方の風景も●もとは風景じゃなかった方のもとは人だった方の人の姿に似てきて●ゴホン●ゴホンと咳をするたびに●もとは風景じゃなかった方のもとは人だった方の人の姿に似てきて●ゴホン●ゴホン●咳をするたびに●ふたつの風景は二人の人になったり●二人の人はふたつの風景になったりして●ゴホン●ゴホン●そのうち●咳をするたびに●風景が人になったり●人が風景になったりして●とうとう●どちらがどちらか●わからなくなりましたとさ●あれれー●あなたってば●ただ単に同じフレーズの繰り返しがしたかっただけじゃないの●細かいことは言わんでよろしい●プフッ●ゴホン●ゴホン●ある日●うれしいが咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばの楽しいも●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●別のところにあった悲しいまで●最初に咳をしたうれしいに似てきて●ゴホン●ゴホン●咳がひどくなって●とうとう●そっくり●瓜二つになって●うれしいがふたつ●みっつ●ゴホン●ゴホンとするたびに●うれしいがよっつ●いつつ●ゴホン●ゴホン●むっつ●ななつ●と●うれしいの伝染病が広がって●とうとう●すべての気持ちが●たったひとつのうれしいになりましたとさ●あれっ●たくさんの同じうれしいじゃないの●細かいことは言わんでよろしい●プフッ●ゴホン●ゴホン●ある日●ひとつが咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばのふたつも●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにあったみっつまで●最初に咳をしたひとつに似てきて●ゴホン●ゴホン●咳がひどくなって●とうとう●そっくり●瓜二つになって●ひとつがふたつ●みっつ●ゴホン●ゴホンとするたびに●ひとつがよっつ●いつつ●ゴホン●ゴホン●むっつ●ななつ●と●ひとつの伝染病が広がって●とうとう●すべての「─つ」が●たったひとつのひとつになりましたとさ●あれっ●たくさんの同じ「ひとつ」じゃないの●それに「─つ」じゃないのもあるでしょ●細かいことは言わんでよろしい●プフッ●仕事帰りにミスド行って●ドーナッツ買って●はああ●くだらない●ドーナッツの輪っかと●ミスドのウェイトレスの顔を交換する●運んだトレイと●聞こえてくる50年代ポップスを交換する●はああ●くだらない●コーヒーは●なんだか薄いしぃ●そのコーヒーカップのシンボルマークと●パパの記憶を交換する●バレンチノ●なんで●はああ●くだらない●違うカフェに寄ろうかな●チチチチチチチ●なんだ●これミルフィー●ムフッ●フフ●ファレル●ねえ●ぼくのこと●愛してる●きょうは●もうほとんど寝てた●きれいになる病気がはやってた●ぼくは何年も前にかかって●ラジオで聞いて●知ってたけど●みんなは●あ●ただ●ぼくたちは●くすくす笑って●みんなは●あ●ただ●ぼくたちは●くすくす笑って●まだたすかる●まだたすかる●マダガスカル●かしら●日曜日にかけた電話が土曜日につながる●ボン・ボアージュ●ディア●きみの瞳が写した●ぼくの叫び声は●まだたすかる●まだたすかる●まだたすかる●タチケテー●イヤン●途中で切れちゃったわ●ファレル●ぼくたちの間では●どんなことでも●起こったわけじゃない●信じられないようなことしか起こらなかった●いまでは信じられないような●すてきなことしか●プフッ●モア・ザン・ディス●パパやママは●ばらばらになったり●またひとつになったりしながら●航海する●後悔する●公開する●こう解する●こう理解する●愛しているふりをすることは大切だ●とりわけ●まったく愛していないときには●おお●ジプシー●あらゆるものが愛だ●愛だ●間●思うに●きみは愛しているふりをしながらでしか●愛することができないのだね●おお●ジプシー●きみは●こう理解する●本当のことを言っているはずなのに●しゃべっているうちに●なんだか嘘をまじえてしゃべっているような気がするのだね●嘘を言っていると●ほんとうのことを言っているような気に●木に●きみになってしまうような気に●木に●きみに●なってしまうような●きみに●なるのだね●それはなぜだろう●交換する●転移させることに意味はない●交換する●転移させることに意味はない●交換する●転移ではない●時間が超スピードで過ぎていく箱がある●ぼくはそこに●ハインリヒの夢のなかに現われた青い花を置いてみる●プッ●時間が超スピードで過ぎていく箱がある●ぼくはそこに●これまでぼくが書いてきたたくさんのぼくを置いてみる●プッ●時間が超スピードで過ぎていく箱がある●ぼくはそこに●等比級数的に増加していくうんこを置いてみる●ブリブリ●ププッ●ププッ●時間が超スピードで過ぎていく箱がある●ぼくはそこに●さっきテレビで見たベネチアの美しい街並みを置いてみる●フウム●時間が超スピードで過ぎていく箱がある●ぼくはそこに●人間を置いてみる●もちろん●あらゆるすべての人間を●プフッ●時間が超スピードで過ぎていく箱がある●ぼくはそこに●時間を置いてみる●時間というものそのものを●ブッフッフ●時間が超スピードで過ぎていく箱がある●ぼくはそこに●ひとつの波を置いてみる●これって●ちとリリカルでしょ●フニッ●時間が超スピードで過ぎていく箱がある●ぼくはそこに●かつてぼくを傷つけたひとつの言葉を置いてみる●フフンッ●だー●道を歩いていて●通りの向こうからやってくる人を●女性だった●車道をはさんだ●向こう側の道に置いてみる●目のなかで●そうなってることをイメージする●うっすらだが●反対側の道から●その人がやってくるのが見える●しかし●こちら側の道でも●向こうの方から歩いてくるその人の姿が目に見える●そこで●今度は●その二人を交換する●二人の映像は●多少濃淡の違いがあったのだけれど●交換すると●その違いが少なくなった●そこでさらに●二人の姿を交換する●二人が近づいてくる●交換する●二人が近づいてくる●こちらの人をあちらに●あちらの人をこちらに●交換する●スピードをあげて●交換する●二人は●ぼくにどんどん近づいてくる●ぼくは二人にすれ違った●ぼくも二人いたのだ●ブフッ●二人は近づいてくる●どんどん●ぼくに近づいてくる●反対側の道にいる人をこちらに置いて●こちらの側にいる人を反対側に置こうとしたら●反対側にいて●ぼくがこちら側に置いた人の方が●消えてしまった●二人は近づいてくる●近づいてくる●どんどん近づいてくる●すると●ぼくの傍らを二人が通りすぎた●通り過ぎていった●ぼくとすれ違って●道はひとつじゃなかったけど●ぼくたちはすれ違ってしまった●反対側の道の向こうには●ぼくの後姿が見えた●振り返ると●その人は二人いて●前を見ると●反対側の道とこちら側の道の上に●ぼくから遠ざかるぼくの後姿があって●ぼくは●ぼくとすれ違う●たくさんの人たちのことを思った●時間が超スピードで過ぎていく箱がある●ぼくは●ぼくとすれ違う●たくさんのぼくのことを考えた●記憶が●蝶の翅のように●ひらいたり●とじたりする●そのスピードはゆっくり●蝶は●記憶を●ひらいたり●とじたり●違った●いや●違わない●わたしは●翅をひらいたり●とじたりして●記憶を呼び覚ます●アー・ユー・クレイジー・ナウ●ぼくは救急車になりたかった●あ●違う●救急隊員に●プフッ●あ●違わくない●うん●まっ●どっちでもいいや●プフッ●交換する●交歓する●交感する●こう感ずる●こう感ずる●パパがママを食卓で食べてる光景●ファレル●ぼくはきみを傷つけたりなんかしないよ●たとえきみが●ぼくに傷つけられたいと望んでも●ただひとつの言葉●たったひとつの単語が●長い文章に●複雑で遠大な意味を与える●海に落とされた一滴のぶどう酒と同じように●ってか●プフッ●パパとママの首を交換する●60歳になったら選べるの●そのまま人間の姿で●あと1年過ごすか●犬の姿となって3年生きるか●って●だとしたら●どうする●パパとママが戻ってきた●戻ってきたパパとママは●ぼくがミルクを入れておいたミルク皿に顔を突っ込むようにして●ミルクを飲んだ●ひとつのミルク皿にはいったミルクを●パパとママは同時に飲もうとして●頭と頭をゴッツンコ●わわんわんわん●わわんわん●だって●プフッ●朝霧をこぶしに集め●樹は●わたしの顔の上にしずくをもたらす●水滴は●わたしの顔面ではね●地面の上にこぼたれた●雨は●と●父は言った●地面に吸われ●地面はまた太陽に温められ●水蒸気を吐き出す●こころとは●地面のようなものであり●思いとは●雨のようなものだ●と●わたしが死んでも●その場所はあり●その場所に雨は降るのだ●と●フォロー・ミー●ファレル●水蒸気は塵や埃を核として凝集して水滴となる●水滴は水滴と合わさって●雨となる●思いもまた●なにかを核として●それは感覚器官がもたらすものであったり●無意識領域で息をひそめていたなにものかであったり●それらがはっきりとした形を取ったものであろう●そのはっきりとした形にさせるもの●その法則のようなものがロゴスであり●そして●そのはっきりとした形を取る前のものも●そのはっきりとした形を取ったものも●またロゴスに寄与するのだから●その区別が難しい●わたしが死んでも●その場所はあり●その場所に雨は降るのだ●と●パパ●絵になる病気がはやってた●最初はやせていくので喜んでいた人もいた●どんなポーズで絵になるか考えた人たちもいた●どんな格好で絵になるか気にしない人もいた●しかし●突然●絵になるので●どんなにポーズをとっても●その望んだポーズで絵になることは難しかった●あとから●他の人の絵に加わる人もいた●自分の親や子供の絵のそばで●恋人たちの絵のそばにいて●彼らの傍らでやせていく自分の姿を見ながら●自分の傍らで絵になった彼らの親や子供や恋人たちの絵を見つめながら●絵になっていく人もいたし●憎んでいる者のそばで●じっと絵になるのを待っている者もいた●ものすごい形相をして●しかし●あとから加わっても●もとの絵にしっくりくるものは少なかった●絵のタッチがどれも異なるものだから●あとから加わるのは●あまりおすすめじゃなかった●絵になる病気●これって●これまで画家たちが●多くの人間を絵のなかに閉じ込めてきた●絵の復讐かな●絵のなかの人物たちの生身の人間に対する復讐なのかしら●ぼくもとうとう絵になるらしかった●最初は●ぼくもおなかがへっこんでよろこんでたんだけど●ううううん●ファーザー●ぼくは●どんなポーズをとろう●とったらいい●ま●どんなポーズでもいいけどね●ああ●あとどれぐらいしたら●絵は●ぼくになるんだろう●てか●あっ●ファーザー●ぷくぷくちゃかぱ●てか●あっ●ファーザー●ぷくぷくちゃかぱ●てか●あっ●あっ●あっ●あっ●きたわ●きたわー●ひさしぶりに●きたわあ●頭にきたのよお●なんで●わたしが謝らなきゃなんないわけ●それに●なによ●あのやり方●直接言いなさい●直接●バカのくせに陰険なのよ●まあ●バカは陰険なものだけど●プフッ●そんなわけで●もう耐えられません●いつも被害を受けるのは●わたしの方ばかり●このまま●やってきたことに対して●たいした評価もあるわけではないのですが●これもオリンピック開催国の事情によると思います●テロの予告も日増しに●苦情の多くが役所に寄せられて困っています●人工肛門・マダガスカルの夜は●苦情の多くが役所に寄せられて困っています●人工肛門・マダガスカルの夜は●苦情の多くが役所に寄せられて困っています●おとつい●おっと●つい●お●違う歯●あ●違うわ●ちょっと前ね●おとつい●って言葉が好きなの●ううううん●考えごとをしながら歩いてると●車に轢かれそうになって●この感じ●この感じ●この漢字●書けないわ●ひとりでは●にっこりしぼんで●しぼって●しおれて●しおって●でも●運転手がバカだから●ぼくを轢かないで●ワードでなかったら●こんな字●ぜったいに書かないわ●ブヒッ●この感じ●この感じ●この感じよおおおおおおおお●前を歩いてた男の子を●轢いちゃった●の●よおおおおおおおおおおおおお●この感じ●この感じ●この感じよおおおおおお●ぼくの目の外では●その子は●ヘンな音を立てて●道路に●べちゃ●ぼくの目のなかでは●その子は脚のない木の椅子のように立ちすくんで●ギコギコ音を立てて●バタン●苦情の多くが役所に寄せられて困っています●人工肛門の夜・マダガスカルの夜は●木になって●気になって●木になって●しかたがなかった●人工肛門・マダガスカルの夜は●ピン札●言葉は●言葉の上に●言葉をつくり●言葉は●言葉の下に●言葉をつくる●ゆきちちゃん●ありがとう●いつまでも●ぼくといっしょにいてね●プッ●宇宙船片手に●ホームステイ●人工肛門・マダガスカルの夜は●苦情の多くが役所に寄せられて困っています●精神とは●精神の働きを意味する●あるものに精神があるというのは●対象とするものがあって●それを知覚し●そこからなにものかを統合する作用が起こるということであって●そこからなにものかを統合する作用が起こらない場合●それには精神の働きがない●精神がない●と●言●わ●ざ●る●を●得●な●な●な●な●な●な●な●人工肛門・マダガスカルの夜は●苦情の多くが役所に寄せられて困っています●ベイベエ●それより面白いのは●ぼくたちのなれそめ●ぼくと詩との●あー●あ●そう●陶酔間●間●缶●巻●観●冠●感●ね●陶酔感●イッパツで出ろっちゅうねん●あ●あの子は●どうしてるだろ●ヘンな音立てた●あの男の子●ベスト●ぼくがいままで見た子のなかで●いちばんかわいい後ろ姿してた●あの子●太い太ももが●細い太ももって書くとヘンね●書いてないけど●おっきなお尻と●グッド・ミュージックが流れてた●詩には音楽があって●あ●言葉には●音楽があって●でも●きっと詩の音の構造に対してきわめて敏感なぼくの耳は●意味の構造に対しても●きわめて敏感でね●意味の構造に対して敏感だと思ってる詩人のなかに●音の構造に対して敏感な者がどれぐらいの割合でいるのか●たぶん●ほとんどいない●情けないわ●情けないわ●ほとんどの詩人は贋者なのよ●本物は●ぼくぐらいって●そんなの●情けないわあ●ああ●なんで●なんで●なんで●いつも●苦情の多くが役所に寄せられて困っています●人工肛門・マダガスカルの夜は●ぼくのほほに●燃えるくちづけ●なぜ●産むものより●生まれるものの方が先に生まれてきたのか●ぼくのために●ただひとりきり●ぼくひとりきりのためだけに●ヘンな音立てた●あの子!



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AMUSED TO DEATH。 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 4
P V 数 : 675.1
お気に入り数: 0
投票数   : 2
ポイント数 : 0

作成日時 2024-08-01
コメント日時 2024-08-05
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2024/09/20現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合00
閲覧指数:675.1
2024/09/20 01時16分27秒現在
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    作品に書かれた推薦文

AMUSED TO DEATH。 コメントセクション

コメント数(4)
おまるたろう
おまるたろう
作品へ
(2024-08-04)

小さなトゲみたいなものが隠されていて、読む者にある種の緊張を強いる。わたしは迷い込んでしまった。

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田中宏輔
田中宏輔
作品へ
(2024-08-04)

お読みくださり、ありがとうございました。 ご感想のお言葉もいただけて、うれしいです。

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万太郎
万太郎
作品へ
(2024-08-05)

前半の言葉の遊びの面白さと心地よさは、中学校の教科書に載せて、子供達に音読させても面白い内容だと思いました。中盤から新たな展開に入り、アナーキー度は増していきます。 意味性や情緒性に囚われて、作品が自由度を落とすことを拒否したような、安定感の中に不安定感を讃えた不思議な文章芸です。漫談のようでもあり、それがお笑いに留まらず、深いウィットユーモアになっている。 中学生的な遊び心と、反抗精神を保ちながら、それが大人の芸になってる。白いYシャツと黒いズボンを履いた思春期のままの大人がいつもいる作品、素敵です。

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田中宏輔
田中宏輔
作品へ
(2024-08-05)

お読みくださり、ありがとうございました。 ご感想のお言葉もいただけて、うれしいです。 ユーモアを感じていただけて、よかったなあと思いました。

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