コンビニは詠いにくい
コンビニは難しい
コンビニは確かに僕らの身近にあって
芸術の中に取り入れようと考えがちである
絵に描けばそれはいちおう絵になるし
小説に書けば何かの象徴か物語の舞台になる
詩歌に詠めばそれなりに
または楽曲に歌ってもそれなりに
現代社会の風景を美しく思い起こさせる
でもコンビニはどこか難しい
コンビニの自動ドアが開くことや
コンビニの店員の朗々たる声を聞くことや
並ぶ商品のことや
近日閉店するコンビニの店舗の悲哀やらを
僕は書こうとしたが
千字書いたけれどそこに美は乾ききっていた
昼も夜もコンビニは僕の心をしっとり動かす
でも作品に扱うには何か足りないようだ
現代現実に無欠の有用と充実を誇るコンビニ
それは僕らの心を感じ入らせて過り
そのまま美をもってすっかり立ち去るようだ
作品データ
コメント数 : 16
P V 数 : 1466.3
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-07-15
コメント日時 2024-07-27
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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閲覧指数:1466.3
2024/11/21 19時32分51秒現在
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確かに内容にはうなづけるものがあります。 わたしは個人的にはコンビニは大嫌いで 電気ガス料金の支払い以外では行ったこと無い。 渡辺玄英なんかの詩の文体には新しさを感じますが なにもコンビニがそんなにとも思わないですね。
1コンビニには、日夜お世話になっており、感謝しきりな私ですが、コンビニの美について、 私がいつも思うのは、店員さんや客との触れ合いということです。顔を見るだけでも ほっとします。その分、お金は使うのですが。
0たしかにコンビニは日常化しているけど人間的なことはないですよね。AI の文章題みた いでも、あなたの文章は人間的な疑問点があって感心します。
0コンビニと言うものの質内容について十分吟味して考えると、否定的に捉えてしまい、歌を作ることが難しいと言うことなのかなあ。 ポップスの中には、コンビニで出会った恋愛物語が沢山あります。基本歌や作品なんて、恋愛が主ですから、舞台内容はどこでも良かったりするものです。 美とか質内容について、考え深い方なのかと感じます。生きていると醜だらけです。 リッチな生活の中で、優雅な美を追い求め描くことは容易かも知れませんが、置かれた状況。コンビニで働くような条件下に生きて、美を追い求め描くのはとても難しいように思います。それよりも生活のリアルを描いた方が、リリカルな美が浮かび上がるのではないか? そんな気がします。
0コメントありがとうございます。今を描くのだから今の言葉を果敢に取り入れるのは良いと思うけれど「コンビニ」はちょっとね、歌になりませんね。現代に満ちる無数の名詞群に呑み込まれないように気をつけないと、ガチャガチャとうるさいノイズになりかねない。それを喜ぶ人もいますが。かく言う私も実は……笑。
0コメントありがとうございます。拙作中にも書きましたが、私もコンビニからさまざまな興趣や感銘を受け取ります。私は詩よりも短歌をよくするので、こういった興趣や感銘を歌にしようとして、これまで千字を優に超える量の言葉を書き連ねましたが、自身で納得のいく歌には結実していません。いつか歌として決着をつけたいと思っています。この煩悶から、ここに一詩書いて、投稿した次第です。
1コメントありがとうございます。コンビニの利用も運営も、機械的な表面を持っていますね。でもその向こうに、人間的なものがないと成り立たないとは思います。黒髪さんへの返信コメントにも書きましたが、なんとかして、コンビニから受け取ったものを、人間のワザである短歌に結実させたいと思っています。
0コメントありがとうございます。とても示唆に富むコメントでした。 >生活のリアルを描いた方が、リリカルな美が浮かび上がるのではないか? すばらしいです。本当にありがとうございます。
1それでは即興でコンビニを詠んでみます コンビニの クーラー涼み 一休み コンビニで 行きかう人を 思いやり コンビニは 一期一会の 浮世なり コンビニよ 汝のお陰 人の顔 コンビニで 珈琲を買いたり 漆黒よ コンビニよ 珈琲の如く 黒くなり 宇宙へ通じ 全てを集え コンビニよ 其の恩思い 自動ドア コンビニを 振り返り思う 合掌
0「美は乾ききっていた」って本当にすごい表現ですね。私が人生で唯一読んだ本のロング・グッドバイみたいだ。 私は全然かけないんですが言わんとすることは分かるような気がする・・コンビニは何かの変化が起こる場所ではないからなんじゃないですかね。たとえば、学校は恋が起こるから絵になると思う。コンビニは基本的に通過をしていくからそうならない。 いまどきFAXなんて持ってなくて、コンビニのコピー機で、死にそうな顔で、なぜか、FAXを使っている人がもしもいたとしたら、そこで一戦交えることで、コンビニも学校と同じレベルの舞台になれるような気がします。
0詠題「コンビニ」の即興詠、興味深く拝見いたしました。ありがとうございます。私も羽田さんの力量を知る者です。さすがチャレンジングですね。中では、これが良かったかな。 >コンビニよ >其の恩思い >自動ドア
1コメントありがとうございます。ここまで返信コメントを書いているうちに、なんだかコンビニも歌に詠えそうな気がしてきました。再挑戦してみようかな。つまりは私には人間が見えていなかった。例えば、「近日閉店するコンビニの店舗の悲哀」は感じ取っていたけれども、私が見ていたものは、品物が減って、はげたように白い面が目立つ陳列棚でした。
0コンビニって身近で便利で、近くにあったら嬉しいものであるけれど、ひっそりした深夜のコンビニは時々なんだか無機質に感じられることがあります。なんというか、すごくシステム!って感じがします。
0コメントありがとうございます。やっぱりそういう感じありますよね。でもコンビニもなんとか歌にしてやっつけたいです。マクドナルドとビル街は詠えました。紹介させていただきます。二首とも自作既発表作です。 ○ 会ふ時日習ひとなれる母息子今夜もマックの隣席にをり ○ 未だビル開かぬ時間の石の街噴水一つ音たて流る
1コンビニは、街の縮図なのかなと思います。皆さんのコメントも、コンビニの代わりに「街」や「都会」を当てはめてみると意外と辻褄が通りそう。どちらも24時間起きているものだからでしょうか。 唯一、いすきさんのコメントには当てはまらないでしょうか? コンビニでは何も出来事が起きない→街では何も出来事が起きない? まあ、何かしら変化が起きるっちゃ起きるとは思います。新商品が出たりするのは街の流行の移り変わりだったり、万引きなどの犯罪もありますし。 コンビニと街が似ている引っ掛かりから、街と似ているものは……と次々に連想してみると、面白く詠めるかもしれません。美があるかは分かりませんが、詩の題材としては使いがいありますね。
1コメントありがとうございます。この作を書いてからみずから、また皆さんからのコメントを読みながら考えたのは、コンビニは私たちに時間的にも物的にも心的にもあまりに近くにあるために詠みにくいのかもしれないということです。筆記手法にもよりますが、基本的にはものごとは少しは突き放して見ないと見えてこないものです。何しろ、コンビニは最先端のものですから、筆を執る者の精神の中になかなか固まらないと思うのです。「街」は類似していますが、コンビニよりもちょっと突き放して見ることができるように思います。コンビニのような超身近なもの、かなり手強いけれど、それだけに挑戦する価値は大であると感じます。
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