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帰途
あなたが美しい言葉に復讐されたとて きみが静かな意味に血を流したとて 僕には関係ないことだって ただただ眺めては そっと立ち去りました しばらく歩いたところで 言葉が僕をゆっくりと抱きしめ始めました 言葉は、常に僕の傍にいました 目からは透明な水滴たちが 口からは鮮紅の痛苦たちが そうです 美しい言葉に復讐されていたのは 静かな意味に血を流していたのは 僕だったのです 僕の涙が果実の核ほどの意味をなすのですか 僕の血の一滴が世界を夕焼けの響きほどにふるわせるのですか 何もわかりませんでした 僕は僕の涙に溺れるしかなくて 僕は僕の血に絡めとられるしかなくて それでも僕の口角は上がっていて ただ一言をあなたときみに捧げました 「言葉を覚えていてよかった」
帰途 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1843.0
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2024-07-09
コメント日時 2024-08-23
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
こんにちは! とても言葉への思いが1行ずつから伝わってきました! 思いとと共に言葉を覚えていてよかったイコール帰途なんだ!って勝手に感じました!
1コメントありがとうございます! まあ、この詩は僕のペンネームの元ネタの田村隆一の「帰途」をもとにしたのですが……もう一つの帰途の形ではあると思っています。
1ことばは美しくもあり、 冷たかったり 乱暴だったり 残酷だったりもするけど ボクが好きなことばは サヨナラ ボクがキライなことばは 大好き でも本当は、 でも本当は‥‥ きっとおまえは薄ら馬鹿だし、 必ずわかってくれる筈だから 口笛を吹くみたいに嘘を吐いたのさ ふん、おまえなんか大キライだよ ──じゃあね、サヨナラ でもさ‥‥ずっと大好きだからな
1コメントありがとうございま……というよりは、詩をありがとうございますといった方がいいのかな……。 まさかコメント欄でこうやって詩を誰かが書いてくれる日が来てくれるとは思いませんでした。 ありがとうございます!
0美しい言葉に復讐されてと言うフレーズはどうしても田村隆一を想起するのですが、田村とは違って、「言葉なんか覚えるんじゃなかった」と言わないところが新しいと思いました。「言葉を覚えていてよかった」ですね。ゆっくりと抱きしめてくれる言葉は人間の友なのかもしれません。
1でも、作中ではそれに抱きしめられて血を吐いたり涙流したりしてるけどね() ※その辺はフランシス・ジャムの「苦痛を愛するための祈り」を参考にした。
0綺麗な言葉への賛辞ですね。言葉は架け橋。
1コメントありがとうございます! 言葉だけでは伝わらないものもあるけれど、それはそれとして言葉がなければ多くのことが伝わらないからね。
1田村隆一へのアンサーということはわかる。だが元ネタに書かれた言葉を単純に反転させただけで、田村の詩が持っている、「世界との和解を拒絶」する態度がいまいち、この詩の作者の言葉として見いだせないところに限界を感じる。
1コメントありがとうございます! 反転させたのも、まさにそれが理由なんだ。「世界との和解を拒絶」というもの自体を僕が好んでないからというもの。その態度がないのは、普通に僕があえて入れなかったから。 まあ、今の僕の限界といえば、その通りでもあるのも確かだけれど。 ただ、僕自身は彼の名前を借りながらも、世界や詩に対しての姿勢は星菫派に近いんだ。
0とても(音も)整っていて綺麗な作品だと思いました。 が、だからこそ思うのだけれど固い。 硬質・・・とも言えないのが惜しいくらい(綺麗だから)。 肩肘飾らないテイムラーさんの作品を見たいなーって思います。
1耽美っぽくて不思議な雰囲気の中に悲しさや哀愁が感じられますね。 鮮血の赤が綺麗な映像として思い浮かびました★
1コメントありがとうございます! うーむ……Pixivでなら、そういうのを書いているから、そのノリをここに持ってくるべきか……。
0コメントありがとうございます! 映像として想起できるような詩であったのなら、本望です!
1分かりやすくてスッと入ってきました。その中に何か熱のようなものを感じました。 それを温かさと呼んでもいいかもしれません。
1コメントありがとうございます! そういった詩を目指しているので、嬉しいです!
1この詩を書くためにそのハンネにしたのか?
0言葉とは不思議なもので、何気なくふと見上げたときの夕闇に似ているかもしれません。
0コメントありがとうございます! 同じ夕方でも、僕の場合は夕焼けに照らされる入道雲とかが思いついた。空の青い部分とのコントラストがいいよね、あれ。
1夕焼けに照らされる入道雲はなんだか壮大で偉大な感じですね。 世界観も広がってゆきますね。
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