光に希望を見るのは誤謬であると常常思ふが、
その際たるものは今もロザリオで磔刑に処されてゐる基督であらう。
光はしかし、闇なくして輝くことはないが、
だからといって光に希望を見るのは
なんとも無謀といはざるを得ぬ。
つまり、飛んで火に入る夏の虫といふ慣用句があるやうに
此の世の光は近づけば大概は灼熱地獄である。
地獄に希望を見るといふのは
最早殉教を信条としたカルトと何ら変はりなく
カルトに身を投じて自己陶酔の中死ぬのは勝手だが、
光に希望を説く宗教は大抵が他に対して閉ぢた集団で、
それは集団催眠にかかってをり
皆が修行の名を借りた自慰行為をしながら
恍惚の中に溺れる欺瞞を行ってゐるに過ぎぬ。
その時、世界が目を開き、
此の世を一瞥したならば、
世界が自己嫌悪にならぬ方がをかしいのである。
しかし、この自己嫌悪が推力となり、
世界は瞬時も休みなく生生流転する。
つまり、変はるといふことには
必ず自己嫌悪が含まれてをり
それが自在に行われるところが闇である。
闇は寛容にも何ものも呑み込み得、
来る者拒まずである。
だから、闇こそに希望を見なければ、
それは欺瞞であり、
闇こそが千変万化するに相応しい
希望が休まる場所なのだ。
作品データ
コメント数 : 2
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作成日時 2024-07-03
コメント日時 2024-07-04
#現代詩
#歌誌帆掲載応募
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2024/11/21 22時45分40秒現在
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「白々しい」という言葉があるように 闇がなければこの世はどれほど退屈で白白しかったか しかし、「ぬまたばの~」の世界はますます失われつつある というふうなことを、これを読んで感じました。 まあこの作品のような大人の感慨はなかなか渋いものであって なかなかに受け入れられるものではないでしょうね。
0此の度は、歌誌「帆」自由詩掲載欄へとご投稿を賜りまして、允に有り難うございます。 未だ、ご応募受付開始よりは間がございます。 暫し、(一から三ヶ月程度)お待ち下さりますと嬉しく存じ上げます。 御作を拝読させて頂きました。 一般信仰的な「光」への懐疑が記述されており、着想に於きましては興味深く拝読をさせて頂きました次第でございます。 然し乍ら、「詩」作品と申しますよりは意見文、エセーと申します様な色合いが稍、強くていらっしゃられる。 如何か、一工夫を致しまして「詩」へと記述を変化‐昇華なされますことを、切に希求致します次第でございます。 闇の光のなかにも闇、光の闇のなかにも光、と申します様な複層矛盾的な現‐存在を把握なされましたならば、 より一層、現実味、或は真実味を含みになられた詩文となられるのではないでしょうか。 それでは、復のご挑戦をお待ち申し上げております。 此の度はご応募ご投稿を賜り、允に有り難うございました。 追記でございます。 discord上の歌誌「帆」チャンネルにて、前号第三号が閲覧可能となっております。 アクセス可能な方に於かれましては、 誌面の傾向を通読為されて後より、応募作品の程を構想、起草為されて下さりますと心嬉しく存じ上げます。 そして、来たる八月十七日に於きましては、歌誌「帆」主宰のオンライン歌会‐詩批評会が開催をされます次第でございます。 事前エントリーが必要でございますので、ご興味をお懐きになられた御方に於かれましては、 エックス上の歌誌「帆」アカウントよりの歌会概要ポストをご参照に為られて下さいませ。
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