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夜の腹
夜の腹が減る 今日もまた 食わせてくれ 沸騰した湯を 音を立てながら入れていく 諸々が浮いていくのを確認し それはそれとして 蓋をした 湯気が少し上がる 見えない向こう 手探りが唯一 今を知る方法 手を抜くと 冷たい外気に 煙が上がる 声が感触が 切迫を告げる 混沌している 開ける 混沌が始まっていた かつての秩序は 色付いた汁と 見覚えのない具材 下にはよく分からなくなった麺が 沈んでいる 引きずり出せ 粘液が滴り その中に具として血の塊が混ざり 動きを止めた足を 母牛のいきみも合わせて 100円の シンプルな味が下の上を流れていく 羊膜が破れ 人工的な具材が口の中を駆けていく タンメンの様に絡みつく 色水みたいな汁が 生々しい子牛の体が露わになってくる 体を温めていく 母牛の足元の方向へ 子牛の足を引け 引きずり出せ 束縛する麺類を引き千切れ 食い足りない 汁が粘液がぬめり 鼻が見え 具材如き何かが零れ落ち 子牛の舌が味わうように動いた 引け引け引け 腰の強い滑車のロープを 子牛の足に引っ掛けて 伸ばして 引き出せ 子牛の頭が出る 混沌から秩序に移行し始め 味わい浸かり続けたスープを 子牛は吐き出し 秩序へ この世へ向かい続ける 母牛の声と共に子牛の体が零れ落ちる しつこく繋がる臍の緒を 太麺と同じく掴んで絞り上げて擦切っていく 腹が減る 腹が減る カップの中は何もない 母牛の腹の体積が減った 秩序だ 出始めている後産を残し 何もなくなり 数々の麺と具材と汁は 胃の中で消化される 様々なスープと麺と具材がまとわりついていた 子牛は関係なく カップ麺を 立ち上がろうとする また食わせてくれ 腹の中みたいな夜に 朝に 母牛の産道は蓋されたかのように塞がり 空をゴミ箱に入れた 混沌をまた受け入れる
夜の腹 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 677.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-06-29
コメント日時 2024-07-05
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ちょーと読みづらいっす。そんな感じっす。
0これ、空白連打大変だっただろうなとwww自分のよくやるので思った。こういうのって携帯で見るとものすごくずれるので、それが難点だなとおもった。この作品凄くいい。牛の腹と自分の空腹を横並びに置くことで、時間や思いや行動がリンクする仕組み、カッコいいと思います
0確かに以前この形式の詩を投稿した際に読みにくいとの感想があったので、かなり久々の形式になります。 元々何気なく書いてみたカップラーメンについての詩に、牛の出産の描写が合う気がしてやってみました。 あまり連発すべきものではないかもですね。
0画面が小さいとどうしても崩れてしまいますね。 一時期(20年位前?)よくやっていた形式です。 アメリカンコミックスでキャラの独白とコマの絵が同等に並べられているのをみて思いつきました。 どうしてもちょっと読みにくいのが難点ですね。 同時並行に心理描写と目の前の情景を書けるのはいいのですけど。
1そういえば今日、職場の休憩時間に、カップ焼きそばを食べ終わった容器のなかにそのままスープをいれてみたら、「なんだか汚水みたいだな」と思ったんですよね。それでも全部飲みましたが。そんなことはどうでもいいのですが、人工物と生物の境界線をなくすもの、それが汚れ物なのかな、なんて思いました。視点がとても面白い作品です。
0書くのたいへんだったでしょう。
0確かに汚れているものは人工物と生物の境界が曖昧ですよね。 生命活動そのものや残滓が付着している物が汚れではありますし。 読んでいただき感謝です。
1まずワードで書いてからペーストしているのもあり、そこまで大変ではなかったです。 ワードならスペース管理がしやすいので。 前にいた牧場でやっていた牛の尻尾洗い百頭分よりはるかに楽ですし。
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