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しゃがんで「田中宏輔」を読む
●●●●◯●●● https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=383497 一見して「ああ、なるほどね」と思った。 何が「ああ、なるほどなの?」と問う人もいるだろう。 いないかもしれないが。 それを解説すると身も蓋もなくてつまらないものになるのだけど 一応、《説明》という詩にとってもっとも白ける操作を やってみようと思う。 たとえば厚労省に文書の開示請求してみるとする。 実際に、コロナワクチの販売もとであるファイザーとどのような 契約をしたのか、 密約はあったのかと問うて契約内容を開示請求した方がいる。 開示されたのは全面が黒塗りの文章である。 そしてときどきポツポツと数行の文字が顔を出している。 さらに他の例を示すならば、仮に南米のアマゾンの奥地の洞窟に、 古代人が描いた形象文字を発見したとする。 雨風にさらされたそれはほとんどが文字としても 解読できないほどに塗りつぶされている。 そこにあるのはただの文字の跡である。行と行替えと段落が わすかにその文が書かれた当時の人々の 文字に対する美意識を示している。 コメントをされているアラガイsさんは行替えと段落の 落差のある詩をよく書かれる。 わたしは読まないが吉増剛造とかいう詩人の作風の影響があるの だろうか。 わたしはああいう短い行をあちことに飛ばしたり、ばら撒いたりする 手法を必要とする詩を思いついたことがないので書かないが、 ああいうのに ぶつかると、なにかアクロバティクな一種の誤魔化しと映るときがある。 吉増風のああいう詩は、わたしには、たんに読みづらいだけなのである。 しかし、吉増の”あざとい”詩風は、詩というもののひとつの本質 的な側面をあらわしている。 思った通り吉増はこんなことをいっている。 “「詩の心」、「詩情」とか「詩心」とか、それから「ポエジー」 あるときには「ポエム」とか、そんな言い方をしますけれども、 それよりもはるかに底のほうの、「かたち」にならない、名づけ がたい根源的なところにあるらしいものの、「思想」というより も、「思いの塊り」といったほうがよいようなもの、それの、そ のはたらきのようなものをこそ、そして、そのはたらきを促す、 あるいはさそう僅かな力をこそ、つかまえなければならない。” (吉増剛造『詩とは何か』より) 田中広輔さんのこの詩は指示的な意味は捨象されているけど、 ◯と●によって 吉増がいう“偶然性とハーモニー”をつくりだしている。 それが詩以前というか詩の根底にある骨格のようなものであるといえる。 実はわたしは、このような感想文でも改行にものすごく神経を使っている。 利便性や意味の通しやすさで改行するのではなく 段落の美しさをいつも念頭に置いている。 行の長さと改行のタイミングがまず詩としてあるからだ。 わたしがときどき散文を詩のコーナーに投稿するのは 傲慢なことをいうようだけど、いつも詩として書いているからである。 (といって吉増にとっては大事なことかも知れないけど、わたしにとって それは二次的なことで、わたしはやはり詩の意味のほうを重視している) ここまで書けばわたしが田中さんのこの作品をぱっとみて「ああ、なるほど」 と感じたわけがわかっていただけると思う。 口にしてしまえばつまらないことで、それは感じるものであるとしても あえていえば、意味を失くした白黒の文字が 縦のリズムと横に流れるメロディをつくりだしているのである。 白玉が横に流れる動きを目で追うと黒玉の雨だれのような動きが目に 入ってくる。雨だれを中断していく白玉の動きがメロディになる。 口に出してみればただそれだけのことである。 しかしこのようなハーモニーが、詩の行分けという操作のなかにある。 そしてそれをわたしたちはとくに意味としてではなく 一瞬のうちにひとつの感性的なものとしてとらえているのである。 余談 こんなことを書くとまたアラガイsさんから「あんたのいうようなこと は詩を書く人はみんなとうにわかっていることだよ」 とお叱りを受けるかも知れない。しかし、本を読んでそれを 知識としてわかっている人はたいしたことはないのです。 大事なことは皆が知っているあたりまえのことを 自分の力で、徒手空拳で、無からはじめて、問題意識から その理解に到達することです。 わたしがいうことはいつも自分ん家(ち)で 自家製でつくられてたものです。 ゴーマンかましてよかですか? アラガイSさん。 わたしの詩や批評は即席ラーメン じゃないのです。
しゃがんで「田中宏輔」を読む ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 554.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-06-12
コメント日時 2024-06-19
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
好意的に読んでいただけたようで、ほっとしています。ありがとうございます。
0よっぽど、と言っても以前からだが、アイラブユー田中宏輔氏の所業が気になる様子ですな。 わかりますか? 詩 所業 詩は、少なくとも私の場合ですが、魂を込めた誤魔化しです。心を込めたといってもいい。つまり欲の無い詐欺師といってもいい。私の場合ですが、 自分を信じて誤魔化している。 普通ではない見方をしようとして鷹は届かない鳴き声を発するのですよ。
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