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鏡が肉体だ なめらかな顔たちを湧き出させる 彼らがお喋りをやめないから 鏡の肛門が糞をひり出していく 地下水路に沈み込んだ 豚の横腹 時計の胃痛 枯渇した馬車に乗る幼児と母親 話すこともないとき 二人の表情は純白のシーツに包まれて 蛙の口内に吊るされた蝶々は 冷たくし、冷たくされたいという欲望の種だ 人間がひとり乳房の中で昏睡する 蟻の行列が浸透して、腹を満たした 食虫植物と口づけを交わす 弾丸の中に青い光を詰め込んでやろう 静かな息を吐き続ける拳銃を可愛がってやろう 炭鉱へと嵐が吹き寄せる でもそれは決して満たされることを知らない接吻だ 暗闇に手を伸ばすと長い髪の毛があった そして満月が地獄に堕ちる 鉄のドアに一本、また一本と血管が浮かび上がる 水の周りで洗顔するクラゲの群れ 蝿を飲み込んだ少女は今夜から 蝿の悪夢を眼にし始める 赤剥けにされた肉の窓 足と指と肩と首と 顔のない耳が痙攣しながら血を噴き出していく
3 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 452.9
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-06-07
コメント日時 2024-06-08
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
いいと思います。 やや、抽象表現主義寄りのシュル。 具体性の払拭に拠って、普遍主義とでもべき呼ぶべきものを獲得していらっしゃる。 弱点は、普遍の為に個別的心象(つまり細部の取り合わせの意外性)、デペイズマンが弱くなる、という事でしょうか。 独断に基づき、批評をさせて頂きました。
0この詩はイメージとしてのシュルレアリスム詩 と見て取ると、おもしろい、なにかしら物語のようなものがありそうな気がしてきますね。言葉として強く感じさせるのですが、無駄にぎちぎちに書かれてなく言葉を狭めてないので、それがかえって解けられる、考える余地を与えてくれそうです。まあそのぐらいの楽しさでかえって好感が持てるのですよね
1コメントありがとうございます。類です。 過去作品を投稿させていただきました。 シュルレアリスムの手法を用いて哀れな独白を書きました。茨の道へと追い立てられた話者の哀しい独白です。煮え滾る復讐心が創作行為の原動力となっております。負の感情から生まれた心象風景のありのままを叙述させていただきました。普遍的であることを僕は認めません。しかし、鷹枕可さんの炯眼には敵わないことです。僕が待ち望んでいることは、僕の深層に眠る敏感で黒い何かを強引に、白日の下に晒すことなのです。詩とは、そのようなものであるべきで、詩でしか行えないと信じているからです。 (……全く返事になっていないですね。白状しますが実は独自の方法論を用いてコメントを書いています。ずっと前からそうしています。言葉の操作が難しいので中々、返事らしい返事が書けないのです。まだまだ研究段階で完成していません。僕は自分の考えをそのまま書くことはしないのです。しかし、独自の方法論を通して、なるべく自分の考えを忠実に再現しています。ご容赦ください。)
1コメントありがとうございます。類です。 この詩は僕にとって特別な詩であり、或る特別な関係を語っています。辟易とすべき関係ではありますが……。過不足ない表現を目指し、必要な言葉を費やして書いたものなので、嬉しい感想でした。呪われた落伍者である僕の怨念に満ちた詩ですが、楽しんでいただけたようで幸甚です。
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