友が闇の中で闘っているいる間
闇の中にも入れず眠りを貪っていたお前
一条の光を掴んだ友を羨望するなら
もう詩を書くな
お前は知っているはずだ
目の前に闇が立ちはだかるならば
避けられるものではなく入るしかないことを
果たして暗闇の洞に入ったなら
闇に飲み込まれないよう手のひらの内を見よ
いつからかお前は青いペンが大事だと言うようになった
詩を書くには青いペンが要るのだと言う
そのペンは今どこにあるのだ
青いペンは今どうしているのだ
お前は知っているはずだ
小さなお前のたなごころには
這いつくばって集めた言葉の種を湛えていることを
確かにその種の発光は淡く心許ないのだが
お前が大切だと言う青いペンの
青いインクは青いままなのかを
確かめるには充分な輝きではないか
あの青いペンは今どうしているのだ
さあ、僅かでも胸が騒ぐのならば
お前のたなごころに居る青いペンに手を伸ばし確かめよ
それさえできなければ
もう詩を書くな
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 399.9
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-05-16
コメント日時 2024-05-17
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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2024/11/21 21時32分18秒現在
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赤い色のペンで文章を書いてはいけない、と母に習いました。大人になったら、エンピツではなく、 ペンを使うのだ、とも。そして、私の恩師である柴田元幸という翻訳家の方に、青いペンを使うと いいということを、教えていただきました。間違ったことを教えない人々が、親切に教えて下さる 良い土地で、昨日も今日も、青いペンで詩を書き続けています。青い字で書いた私の詩もまた、 独特の情緒を発して、目に優しいです。
1コメントありがとうございます。 そう言われてみれば、赤って日本ではめでたい印なのに文字で赤で記すことはネガティブですね。 やはり青で書くことはいいんですね。私も「独特の情緒を発して」を体感しております。
1勇気をふり絞って書いてる感じがしました。
1コメントありがとうございます。 自分に問う、自分に向き合うことは結構勇気がいりますね。
1たいしたコメントはできないのですが、すごい覚悟で「書いて」らっしゃるのだろうなと感じました。普段メモにしかペンを使わないからフィジカルな意味でも特にそう思うのかもしれません。
1コメントありがとうございます。 覚悟というか自戒のほうが近いです。書けないことの免罪符を探していたみたいです。
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