自由律俳句集成「句帳より」 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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自由律俳句集成「句帳より」    

  コーヒー一本で安い男だったよ 幾山越えて只ここに存在する 日向ぼっこして段々生きかえる 物を少なに、本はもう買わない 書きつめる思い悩む 冬の星 私はきっといかさま師 健常の壁が高い 冬になれば父と甲府を思い出す コーヒーが飲みたい、一人渇いておる 落ちきって 落ちきって 落ち着く 〇 自分で自分を励ましてゆく 雨に試されている私を感じている 寒さの、もう朝は終わりました 雲のながれる青い空である アイスコーヒーつくって暖房効いた部屋 私に地獄はない、他のひとは知らない 私が病気で妻に申し訳ない 優しすぎる妻で嬉しかったよ 業の深くなる冬の夜です つかれたのでつかれたと書く冬の午後 〇 ひとりの空をみる 歩けばさみしい木枯らし吹いて 揚げ足取りがひじょうに面倒くさい この頭痛はなんだろう 冗談みたいな私が歩いている 万引きはほんとう一度もしたことがない 握手したおじいちゃんの手船乗りの手だ さびしんぼう不確かな夜は 木枯らしに押され流れる一人 少しだけ歩こう面白いぞ 〇 冬の川眺めていれば小便したくなる ここがどんづまり 寒さ 背中にゾクゾクする いい事も悪い事もこの一年のはじまり 自分に自信がないことを認め元日 わたしに歯がある幸せを噛みしめる 冬薔薇ふわりと咲くおとなりの庭眺めている こころここに非ずや青い空をみている この道の険しいとおもう 奮ってゆく 日本という小さな国に生まれたよ 〇 よく見れば茶色でありし冬の山 茶色の山を眺めてこころ慰める いつも一人で夕暮れて いつも一人で烏となって  山頭火讃 旅に出れないわが身をおもう 人生というこの旅をつづけてゆく とかく寒さの、ふたり旅へ出る さまざまを思い出せずに春の雲 米と芋もらって実家を帰る 存在する事も難しい日本のへそに 〇 歩くは楽しい一日の旅 お米に玉子 これをいただく 濁りよ澄めよ春の水 詩人として死にたい花に朧月 澄みきる 幽霊となるくらい ぼろぼろのだらだらである 良心を信じる 人生は空しい苦しい だから楽しくしよう 病気がちひとりでのたりのたりする 漢字が書けなくなった 鶯鳴く 過去を追うな未来願うな水仙の花 〇 青春はこんな冷たい時の中 横向きに花びら散るや寺の上 これが最後のお酒になりますように 湯の力を信じている 紫雲英田の旅路に光るヘルメット 波の高まりと共に電車は行く 曇り日どろっとした心で外へ 爽やかなしかし空の暗さよ なにとなく尻が痛む晩春一人 煙草というドラッグをやる昭和の日 こんなよい花を一人でみている 走りつづけ犬ころ とかく句を成す 浄土を今朝つくる  



自由律俳句集成「句帳より」 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 9
P V 数 : 584.4
お気に入り数: 1
投票数   : 2
ポイント数 : 0

作成日時 2024-05-04
コメント日時 2024-05-04
#縦書き
項目全期間(2025/04/15現在)投稿後10日間
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閲覧指数:584.4
2025/04/15 07時53分09秒現在
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    作品に書かれた推薦文

自由律俳句集成「句帳より」 コメントセクション

コメント数(9)
おまるたろう
おまるたろう
作品へ
(2024-05-04)

「自分で自分を励ましてゆく(ganbare_myself)」 いいっすねえ。 最近、運動公園で練習中の女子高生たちにアピールするために、るんるるんるる~ん、と壁に手をつけた姿勢で、お尻をフリフリしていたら、強面のおじいちゃん職員にポンポンと肩を叩かれて「ここ、そういうことする場所じゃねっから。金返すから帰って!」と言われ。「OKです、おじいちゃん」って笑顔で返事して、退散したのですけどね、そのときに思わず一句、詠みそうになったのですが、何も出ませんでした。

1
シノハラマサユキ
シノハラマサユキ
作品へ
(2024-05-04)

ひとつひとつの句は、ばらばらの時期に書かれたものですが、時系列に並んでいて、しかも全体でひとつの詩になっているような感じです。すいません、うまく言えませんが、いいなあと思いました。

1
紅茶猫
作品へ
(2024-05-04)

長く見ていると何となく行動パターンが分かって来て、いくつかは言葉を入れ替えた同じテーマだなと思ってしまいます。 >波の高まりと共に電車は行く こういう句があったりすると、やはり力のある作者さんだなと偉そうに思ったりしております。

1
田中恭平 new
田中恭平 new
おまるたろうさんへ
(2024-05-04)

こんばんは。 おまるたろうさん、コメントありがとうございます。 いいっすねぇ、というのも嬉しかったです。 モテ、ですね。モテに関しては37にして高校時代のトラウマ、ひきずっているので 突き抜けられないなぁ~、お尻ふれないだろうなぁ~と思いました。 自分で自分を励ましてゆく。 実家に猫が三匹いるのだけれど、彼等から嫌われたくない。 でもきっとめちゃくちゃ下とか敵に見られている。 自分で自分を励ましてゆく!

1
田中恭平 new
田中恭平 new
シノハラマサユキさんへ
(2024-05-04)

なんでしょうね。 一つには自由律俳句が、短詩ながら、とても私小説に近いと言えると思います。 生き方がそのまま句になると信じて疑わなかった人々がかつており その残滓のようなものを私も取り入れて、それをベースに句を書いていると思います。

1
黒髪
作品へ
(2024-05-04)

走りつづけ犬ころ とかく句を成す 浄土を今朝つくる この二句がいいと思いました。作者、田中さんについては、以前、映像で、過去の原稿用紙が束になって、 何メートルも重なっているのを、見たことがあります。古い作品は捨て、新しい作品に向かえるように、 部屋を片付けられたらいいと思うのですが。僕も、昔の服とか、つもりに積もった誤解を、 解くために、今日は部屋を必死に片づけました。どうしようもないものは、廃棄処分、 粗大ごみにして、出しました。新しいときがやって来るのを、待ちながら、いろんな本を 読んだりしています。一番大事な富とは、文化を作り上げる技能を持った、人間の業であります。 職業というのは、カルマを作りますが、詩人というのも、立派な職業です。 「詩人は言葉を使って感情や考えを表現し、読者に新たな視点や感情を提供する役割を担います。これは、芸術家、作家、音楽家などと同様に、文化的、芸術的価値を社会に提供する重要な職業です。」 「詩人は社会に対して深い洞察や感動を提供することができ、その作品は時として歴史的な出来事や社会的変動を記録する手段となります。そのため、詩人は単に職業としてだけでなく、文化保存者としての役割も担っています。」(GPT-4) 専業詩人と、兼業詩人という枠はあるようですが、大差はないでしょう。

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田中恭平 new
田中恭平 new
紅茶猫さんへ
(2024-05-04)

こんばんは。 「この一日も人生の旅」。これが私のスローガンです。 句のマンネリズムは、定住するより他無い身の上から来ていると思います。 手帳の句を閲みしましたが、殆どが採用できない句でした。 私もほとほと困りつつ、一日十句をこなしてゆくんでしょう。

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田中恭平 new
田中恭平 new
黒髪さんへ
(2024-05-04)

今、原稿用紙の山は二山になっています。 正岡子規が俳句分類?の仕事をしていたときに、山のように紙を積んでいたのに憧れたのです。 また、日々、物を書き、日記を書き、積んでゆくことは、病気から抜け出す大切な一過程だったのでしょう。 今現在、病気の方は毎日服薬して、ハイ、終わり、といった感じです。 まあ僕は自由律俳句の人間で行く、って決めたのが遅かったですから それを念頭に置いたなら、余計な原稿は捨てられるでしょうね。 一に掃除、二に信心。 長期休暇ですからね。頑張ってみます。

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テイムラー隆一
テイムラー隆一
作品へ
(2024-05-04)

>爽やかなしかし空の暗さよ 僕も似たような空を体験したことあるから、すごく共感できます。言語化が難しいけれども。 >青春はこんな冷たい時の中 どことなく物悲しいノスタルジックな感じがしました。 自由律俳句は今まであまり見てなかったけれど……いつか書くのに挑んでみようと思います。

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