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相対化する高校生の欠片
「春になってもまだ、好きかもしれん、かんたん過ぎるっちゃろうけど、ここしか居るところがないけん、外はまだ寒い」 歩道橋で。しょんぼりしとったね。振り向いたけんね。先生しかおらんっちゃないかいなって。みうらくん。まだ好いとうし。 「気づかんかったって、泣いとったちゃんね、先生が怒らんかったら、卒業制作もやめとったもん」 嫌いやけんって。いつも描くのばやめて。午後からおらんごとなっとうし。 「はぐらかしよったけん先生、声、きいておれんし、意味わからんし、今はわかっとうばい、教師がむかんちゃない」 父親が夜逃げするっちゃろう。行かんでいいとね。ひとりで九州大学の横ば走っとうって。聞いたけん。見にいったちゃん。お父さん。線路跡にしゃがんどんしゃった。はよ行かんと。 「卒業制作の絵、どうしたらいいとうかいなね」 絵は春まで。部屋に置いとくけん。また遊ぼうか。みうらくん。子供やけんね。 トラック一杯に 家具を積む 頬が痩けてしまった僕のお父さんは 夜逃げするぞってニヤニヤと 脱げた靴のままに立とうとして 一月十八日
相対化する高校生の欠片 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 965.0
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-02-01
コメント日時 2018-02-11
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ようわからんこつあるバッテン(ボクのこれ中国語なの?)。笑。 対話ですね。下記にね、もう少しだけ解説欲しかったかな。ちょっと話が読めてこないのだ。
0アラメルモさん コメントありがとうございます。投稿した後に自分の作品を読むと、あ、これは失敗していると気が付くのになんで投稿する前に気が付かないんでしょうね。これを何回も経験しているのに。しかも、貴重な月2回の投稿数の一つを初日に使ってしまったという、かなり残念な気持ちですね。 しかしながら、今作で私がやりたかったことっておそらく、アラメルモさんには伝わったんじゃないかと。勝手に思っているんです。いやあ、もう一回もう一回。
0カギカッコ内がみうらくんのセリフの引用で、地の文が先生の内心の発話。語り手は高校生のころの経験を相対化するために先生の立場から語る試みをしたのだ、とすると、先生は本当にそぎゃんこつば思っていなさったとだろか。先生らしきひとのはなしには、本当に先生が話しよんなさるのか、実は親父の年齢に近づいていくずっと後のみうらくんが話しよるのか、ようわからんところがある。相対化の試みっちゅうのは、そぎゃんごつ過去の自分と先生と父親の記憶ば掘り起こして、語り手自身を異質化する試みなのかもしれんなと思いました。ちなみに私が混ぜているこれは作中人物がしゃべっているのとは違う方言です。九州にもいろいろあるけんね
0原口さん コメントありがとうございます。いやあ、ご指摘の先生の心情について。原口さんのご指摘に思わず、苦笑いしてしまいました。私が今思うに、この作品を成功させるためにはもう一人、「先生の愛情がなんでわからんとう?みうらくん!」って訴えてくる、みうらくんに想いを寄せるガールフレンドが必要という。 ばってん、ありがとうございます。先生。
0方言ってずるい なんだか愛がある この前沖縄からきた兄ちゃんと会いました 彼はうちなんぐち(みたいな発音 琉球語の意味とのこと)しか沖縄では話さないらしくて 今では日本語(彼はそう言いました)も話せるけど ほんとうに心をこめて話すならうちなんぐちじゃないと みたいなことを言ってました エモーションが伝わらないらしいです じゃあそれで喋ってよって言ったら喋ってくれたんですがほんとうに何を言ってるかひとつも分からなかったです タイ語とかベトナム語とか中国語とかにきこえました これはちょっと極端だけど 方言はエモい 標準語はやっぱなんか平坦でクールですよね これはエモい作品だ たぶん そうあとごめんぼくもなんかストーリーが読めなかったよ
0コーリャさん コメントありがとうございます!コーリャさんの愛情が感じれて嬉しいです。 ボルカさん コメントありがとうございます。この作品を書いてみようと思ったのはボルがさんの作品を読んでの影響もあったので読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます。 ユウさん コメントありがとうございます。その通り!人間やばい時、笑ってしまうんです。かなり大昔にヤクザの方々と話をする機会があったんですが、言ってましたよ。笑ってる人間には近寄らないことだって。
0「春になってもまだ、好きかもしれん、~」ここが「みうらくん」で、 歩道橋で。しょんぼりしとったね~ ここが、「みうらくん」を見守るガールフレンド、で、 「気づかんかったって、泣いとったちゃんね~」ここは、もしかしたら「先生」で、 嫌いやけんって。いつも描くのばやめて~ ここはガールフレンド、 「はぐらかしよったけん先生、声、きいておれんし~」ここは「みうらくん」 父親が夜逃げするっちゃろう。行かんでいいとね~ ここは「先生」 「卒業制作の絵、どうしたらいいとうかいなね」ここは「みうらくん」 絵は春まで。部屋に置いとくけん。また遊ぼうか。みうらくん。子供やけんね。 ここは「先生」 そんな感じで読んでみました。(あっているかどうかは、聴きません) 「先生」も、ちょっと年上の、お姉さんみたいな先生、なんだろうなあ、と思いつつ。 好き、が、異性を好き/絵を好き、双方に重なっているようにも思いました。
0ショートショートよりもさらに短い小説、みたいな作品ですね。 いや、小説の中の一部分という方が近いでしょうか。 中身に関しては、自分がまだまだ未熟なものでコメントをするのが難しいのですが、結構好きです。
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