夜更け
余計な電柱の明かりがしらじら
きれいな駅へいそぐわたしの
余計なぶぶんを照らし出す
ああ、これで
あたまを空に
明日も暮らしていけるねと
わたしは安心して肩をおとし
コンビニごはんの残りをかじる
代々木
余計なビルのライトがあかあか
都会にあふれる余計な電車を
絵の具みたいにえがき出す
ああ、これが
わたしが昼間
かちをうみ出すせかいだと
ホームの隅から薄目でながめ
クールなかたちに口をすぼめる
寒気
余計な家々の灯りがあおあお
静かにいきる無数のひとが
シナリオもなくうごいてる
ああ、ここに
すごく卑屈で
温度がひくめのわたしにも
ひかない君がいてほしいと
身震いしながら期待をたくす
死ぬ気
余計なかつての記憶がほつほつ
心にうもれる余計なきもちは
ほんのりはい色にひかりだす
ああ、こんな
わたしはいま
なんで生きてて息をしてるの
ぼんやり不思議を飼いながら
死んでるみたいに生きてみたい
抜け毛
余計な髪の流れてつうつう
お風呂の床にたまったお湯に
見えないふりしておし黙る
ああ、これは
すこし前まで
わたしの名前で呼ばれてて
わたしのいたみを引き受けた
仲間のすがたをいつくしむ
眠気
余計でひとりでおそいわたしを
ヒリヒリするまでピリピリはがし
ピンクのはだにローションを塗って
ああ、ここに
ママがいたら
わたしをなんてなぐさめるだろって
はだかを毛布にくるくるくるんで
せかいのそとまで夢を見にいく
ヤバい
わたし
作品データ
コメント数 : 27
P V 数 : 2104.8
お気に入り数: 1
投票数 : 5
ポイント数 : 1
作成日時 2024-04-18
コメント日時 2024-05-12
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 1 | 1 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 1 | 1 |
閲覧指数:2104.8
2024/11/21 20時50分51秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
余計、という言葉で括られる世界の断片とあなた。自己否定は悲痛で不憫な感情です。小さな存在にも尊厳が宿り愛に足るのですよ。少なくとも私はそう信じています。あなたは余計な存在なんかじゃないです。
1>ヤバい >わたし ここは「あー働きたくねー」の方が決まってた気がする。 おしい!
1リズムがいい文体、そしてリズムがいい風景の移り変わり。 疲れた目で見る夜の町、光と闇、照らされる部分、照らされたくない部分、人と自分、そして自分と自分の乖離、そういう感覚、思いがとてもよく伝わってくる作品で、あるある毎日あるあるって思ってしまいます。 抜け毛を「すこし前までわたしの名前で呼ばれててわたしのいたみを引き受けた仲間」として見る発想、すごいです!憧れます。今度抜け毛をもっと親切に扱います。
1コメントありがとうございます。言葉では余計とか言っていますが、そんな自分も嫌いじゃないって感じなんだと思います。ややこしいですね。
1同じ感覚を持って書いていたとしても、書き(見せ)方によって伝わり方も変わってきて、そういうものを体験されている最中なのだと思います。一つの連が8行(サブタイトルは除く)できちんと構成されていて、読み手からすると約束事のように読みやすくはあるのですが、もっと自由に書かれた方が言葉の魅力を引き出せるのではないかと思います。詩という形式にあてはめた作品という感じがしました。日常を切り取った優れた作品をいくつかこのサイトでも読んだことがありますので、他の方の作品を視点にして、考えて学ぶべきことは多いと思います。
2多分に言葉遊びの感覚が強いと思われるのですが、前に置かれた副題が面白いですね。 余計な景色に流されてきた記憶のくり返しから終わりは~ヤバい、わたし。ですか、通常の毎日を客観的かつ否定的に眺め観る。そうなれば、ちょっと待てよ、このルーティンはヤバい、わたし、ということでしょうか、自虐ネタに置き換えて遊んでみた。ということでしょう。余計なかつての記憶がほつほつ~とか~つうつう~とか、くり返される言葉の余韻も独特ですね。 日常の景色からわたしの気配に置き換え言葉でいじけてみせた。ということでしょうか。
1詩としての形として収めることにチャレンジしてみた、きっと楽しく書いたのではないかとおもう。まずそれを大事にするべきだね。評価を気にせずにたくさん書くことをおすすめする。出力しないと見えないものだし、まだまだあーだこーだ悩むときじゃないとおもうのです。ところでこの最後の『ヤバいわたし』というオチの必要性をまったく感じないのだけど、なにか詩の体裁としてカチッと仕上げることを拒否したような、作者の照れの姿と見えましたが
1それは思いつきませんでした笑
1コメントありがとうございます。共感しただいてうれしいです。抜け毛ってなんとも言えない切なさがありますよね。あの姿を見るたびにきっと何かを引き受けてくれたんだなって思います。
1ありがとうございます。おっしゃるとおり詩みたいなかたちに当てはめてみたらうまく書けませんでした。自分でも全然書けた感じがしなかったので、それが一つの学びかなと思っています。
1言葉遊びがちゃんと効いててすげーなと思います。これいいなあ。
1コメントありがとうございます。毎日のアンチクライマックスの繰り返しをあまり詰めずに軽い言葉で書いてみました。副題も思いついた言葉をつなげてみました。「いじけてみせた」というのはおっしゃる通りだなと思いました。少し笑顔でいじけてる感じです。
0コメントありがとうございます。詩みたいな形に挑戦してみました。当たり前かもですが、なんだかうまく収まらなかった感じです。 いろいろやってみようと思います。 最後はおっしゃる通り、照れというか、誰宛でもないちょっとした抵抗みたいなものだと思います笑
0ありがとうございます!
0流れが、リズムがある詩だと思いました。内容が気にならないぐらいの、流れ。「なんで生きてて息をしてるの」こんな問いがあまり深刻な意味を持たないような感じがこの詩のポイントだと思いました。
1コメントありがとうございます!
0先程は失礼… コメントとしては、 短編6篇+1 描写と扱う題材が上手いと思った。 (何か上から目線の文体になる。) 描写としては色が飛び出る様 な感じがあった。 題材は人並みな言い方になるが、 現代的なものなのだと思う。
0物語、語りのうまさを感じた。 背景?色彩の描写は 色彩が飛び出る感じがした。 深海の明かりに泳ぐ魚になった気分。 プロレタリアの視点、心情の汲み方。 ものの語り、 描写面は総合的に上手いと思った。 (先程の駄文は許してください…)
2仕事帰りにふと感じる、詩に表現されたようなあれこれ、またふと我に返って身震いする時のあの感じ、共感しました。
1さいごの言葉が効いている。
1ヤバイわたしは世界の外まで夢を見に行く。死人のように生きて見たい私は、抜け毛に注目する風呂場。死ぬ気はまさに地の果てで認識されているのかもしれません。代々木とは何か。ただの東京の地名か。「わたし」のホームグランドなのかもしれませんが、「寒気」が独特な役割を果たして、この詩に独特な雰囲気を付与していると思いました。
1丁寧に読んでいただきありがとうございます。
0コメントありがとうございます。ふと感じたことのかけらを集めてみました。
1最後の言葉はなんとなく出てきました。ありがとうございます。
0あまり深く考えてはいなかったのですが、ありがとうございます。
0わかります。 私も感じることあります。
1