自答 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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自答    

白菜を一枚剝いだ 少し乱暴だったなって思うけど 葉はまだうすく湿ってて 指先が植物を欲している 新鮮なほどうれしいって知ってる みずみずしく香り立つ白菜を 求めている まだだよ まだ 後悔で漬物を作らないって決めたよね 葉をきれいに剥げたからってそれは ゆるされたと思ってはいけない 旬の葉物はいとおしい そんなのはわかっていたことじゃないか  包丁で切りわける夕は  塩をもみこんだ部屋で  生ゴミにまとめた芯の  答えを聞くよりも早く  ゴミ袋の口をしばった 野菜を口にして命をつなぐ 言い訳の一つも持てないまま 白菜の白い部分に触れる 冬にヒビが入った気がした 本当にヒビが入ったのは指先だったけれど  



自答 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 22
P V 数 : 1560.5
お気に入り数: 4
投票数   : 4
ポイント数 : 0

作成日時 2024-03-18
コメント日時 2024-04-12
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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閲覧指数:1560.5
2025/04/10 16時15分56秒現在
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    作品に書かれた推薦文

自答 コメントセクション

コメント数(22)
熊倉ミハイ
熊倉ミハイ
作品へ
(2024-03-19)

多様な解釈ができそうな、ひろがりのある詩。一行目からとても惹かれました。 エロチックを感じました。恋人の心を剥ぐような始まりから。相手の白い部分を見ないようにする関係。「私はこの人を本当に愛してるのか?」と自問自答するような詩に見えました。 相手の本心をいつしか袋にしまうようにしてから、欲するままに相手を貪り、罪悪感のような、後悔を重ねながら。それでも、その行為に何の言い訳も思いつかず、かといって試しに白い部分に触れようとすれば、自分が壊れてしまう…… なんて、切なくなってしまいました。ユニークさと恋愛は隣り合わせかもですね。

0
メルモsアラガイs
メルモsアラガイs
作品へ
(2024-03-19)

短詩の場合は、いやあ、単純に旨い(巧い)方ですね。切り分ける白菜を喩えに台所という現実的な空間を重ね合わせて自問自答と置き換えている。これは主体と客体の扱い方を理解されているという言葉使いの巧みさですが、あまりこのことばかりに頼ってほしくないという希望的観測も置いておきます。

0
鯖詰缶太郎
鯖詰缶太郎
作品へ
(2024-03-22)

こんにちは。 たぶんですが、おもしろい発想と言いますか、書き方が出来る方ってのは、卵が割れていく瞬間ですら、文章作品にしてしまうのだろうな、と思う事があります。 台所での「自答」。 誰もが一瞬で、通過していくものを、拾い上げるのは難しいです。 たとえ、そこに実はなかなか、看過できない魅力があったとしても。 魅力的なモノローグだと思いました。 作品、ありがとうございました。

0
秋乃 夕陽
秋乃 夕陽
作品へ
(2024-03-23)

白菜も含め作物を育てていると全てが愛おしく、余すことなく命を頂くことを知る。 過去に野菜の切れ端を捨てていたのがもったいないと思うほどだ。 それがきっと愛情というもので、この詩にも作物に対する愛情の目が向けられている。

0
トビラ
熊倉ミハイさんへ
(2024-03-25)

熊倉ミハイさん、いつも丁寧に読んでくださりありがとうございます。 >ユニークさと恋愛は隣合わせ なるほど、たしかにそうかもしれませんね。 どちらも個人的なものですね。

1
トビラ
メルモsアラガイsさんへ
(2024-03-25)

アラガイsさん、こちらでもありがとうございます。 仰ること、わかると思います。 小さくまとまってはいけない、ということですよね。 ずっと書いてきて、ある程度の技量は身についたのか、まとめられるようになってきました。 ただ、まとめられらた作品がいい作品かというと、それはまた別の話ですからね。 自分の殻を破りたいです。

0
トビラ
鯖詰缶太郎さんへ
(2024-03-25)

鯖詰缶太郎さん、ありがとうございます。 「鯖詰缶太郎」という名前も、何気ないものを取り上げたおもしろさがあると思いますよ。 詩は、大きなことも、小さなことも、なんでも自由に書いていいと思います。 その上で身の回りの小さなことをちゃんと書けるというのも、大事なことだと思っています。

1
トビラ
秋乃 夕陽さんへ
(2024-03-25)

秋乃 夕陽さん、ありがとうございます。 いとしく思えば、そこに愛があふれて、詩(うた)になる。 なんて思ったりしました。 ありがとうございますですよ。

1
墨公
墨公
作品へ
(2024-03-26)

多彩な表現力でとても惹かれました。

0
トビラ
墨公さんへ
(2024-03-27)

墨公さん、ありがとうございます。 少しずつでも書いてきてよかったなって思えます。

0
エイクピア
作品へ
(2024-03-28)

自問自答なのですね。白菜の白い部分に触れて、冬のヒビを錯覚して、指先のヒビが炙り出される詩だと思いました。

0
秋乃 夕陽
秋乃 夕陽
トビラさんへ
(2024-03-28)

トビラさん、そうですね。 いとしく思えば、そこに愛があふれて、詩(うた)になるのかもしれませんね。

0
おまるたろう
おまるたろう
作品へ
(2024-03-28)

「自答」の詩としては、説明的すぎるかもしれない。 もっと矛盾があってもいい。 ある種の失敗作のような要素があれば、惹かれるのですが。 現実を生きる上で避けられないこと、 一種の自己矛盾ですね。 混乱とも言えるけど、そのような呪われた部分が出てくれば、 もっと素晴らしい詩になっていたと思う。

0
トビラ
エイクピアさんへ
(2024-04-07)

エイクピアさん、こっちもありがとうございます。 そうですね。 寒いと息も心も白くなって、氷がヒビ割れる。 冬もまた背が伸びる季節ですね。

0
トビラ
秋乃 夕陽さんへ
(2024-04-07)

秋乃 夕陽さん、またコメントをくださりありがとうございます。 うたうことはけっこう大事だと思います。 たぶん、それが人が本当は求めているものだから。

1
トビラ
おまるたろうさんへ
(2024-04-07)

おまるたろうさん、ありがとうございます。 たしかに陶器のようにつるりとしていると思います。 なんでそうかと言うと、自分にとってはもう解決した答えだからだと思います。 証明された公式のようなものです。 それは、同時代的というより、過去的なもので、ライブというより、収録済みVTRのようなものです。 僕はもっと今抱えている問題、たった今感じていることを書いていいのかもしれない。 おまるたろうさん、ありがとうございます。 大事なことに気づけたかもしれません。 ププッと解決したことばかりでなくてもいいんですよね。

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A・O・I
作品へ
(2024-04-07)

titleに自答と置いたことで完璧になってしまい詩をしての読み手の幅をなくしてしまっているので、巧いなと思うけど、巧く書いたでしょ、という作者の意図とは無縁の圧を感じてしまう

0
Molloy
Molloy
作品へ
(2024-04-10)

夕暮れすぎにキッチンの蛍光灯の下で一人、白菜と対峙する緊張感のある情景が見えてきてよいなとおもいました。

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エイクピア
作品へ
(2024-04-10)

「冬にヒビが入った気がした 本当にヒビが入ったのは指先だったけれど」 この二行が謎だと思いました。「冬にヒビ」。春の訪れの事であろうかと思いました。春近し、春隣り。春を待望している心的機制。指先は春を象徴しているのではないかと思いました。

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トビラ
A・O・Iさんへ
(2024-04-12)

A・O・Iさん、ありがとうございます。 何か鼻につく感じがあったかもしれませんが、それについてはどうこう言えないです。 申し訳ない。 自答というタイトルが、読みの幅を狭めているかも、自分にはちょっとわからない。 ただ思い浮かんだのが「自答」だったから、もうそれは仕方ないかなとも思います。 うまくコメントは返せていないかもしれませんが、コメントを寄せていただいてうれしかったですよ、ありがとう。

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トビラ
Molloyさんへ
(2024-04-12)

Molloyさん、ありがとうございます。 冬の寒さは人を少し聡明にしてくれて、あったかい食べ物は人を少し優しくしてくれるかもしれませんね。  ありがとうございました。

1
トビラ
エイクピアさんへ
(2024-04-12)

エイクピアさん、再度のコメントをありがとうございます。 なるほど、春を望むですね。 作者としてはそういうことは意識にはなかったのですが、エイクピアさんのコメントをいただき、作品の可能性を感じられました。 意識をしていた訳ではありませんが、「春」はやっぱり切望している。 そうですね、やっぱり、春を望んでいるんだなあ。 エイクピアさんの返答をいただき、エイクピアさんの熱を感じられ、何かうれしかったです。 また作品を投稿するので、気が向いたら、読んでみてください。

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投稿作品数: 2