ゆけなかった
ひび割れた空のかけら
拾い集めて
黒曜をながした月光
あなたのような
静謐
いだかれながら
緩やかに枯れてゆく
水底の
片羽根なくした
蝶を
想った
緑は虚しく囁きかける
深い杜で甘い果実を
絡めるように
溶けあって食べてしまった
密やかな
行為の
代償
失うことは
こわくなかった
怖かったのは
満ちてゆくこと
溺れてしまえば
パウダーシュガーで
窒息しそう
抱かれるたびに
線香花火の散り消えるさま
季節外れの螢にも似て
ふるえながら
強く弱く
次第に遠く
とおくとおく
もう
伝わる聲も
響かないほど
遠くへ、と
ゆきたかった
花のあめ
ふる
その向こう
あなたの背中が透えた気がして
蹲る夜
青く争う
寒さに馴染んだ人肌と
こごえるくちづけ
滲んだのは
紫煙が
しろい雪にみえたから
清く汚れた
真白い骨に視えたから
夜明けは
コーラルブルーの
子宮のように
結露する
閉ざす沈黙
幽やかに
眠ることなく
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 446.9
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-03-02
コメント日時 2024-03-05
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/22現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:446.9
2024/11/22 01時06分06秒現在
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何と表現したら良いのか… 血で書かれた作品のように感じました。 この作品を解剖することは難しいですが、とても素敵な作品ですね。
1レタスさん、有り難うございます。 できるだけ冷静に抑えて書いたつもりですが、抑えきれないものが血で書かれたような印象になったかもしれません。
1この作品は何度も、何度も読み返したくなるものです。女性ならではの筆致で見事な作品であると思います。
1レタスさん、有り難うございます。 この作品には私のテクニック全てを入れたつもりです。
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