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星火の夜
息を吸うように嘘をつく君の 逸らされた目から飛び出す光線は 大気圏を突き抜け宇宙の果ての 火星人を照らす光になるらしいから 私はその嘘をふんわり包んで飲み込んであげるよ かわいそう、の中に紛れたうそ ブラックライトで照らせば浮かび上がるのかな いや、炙り出せば出てくるかも そんなことしなくても君の目が あっちこっちてんやわんや 犬の腹を撫でてる方がいいよ、幸せになるし 居もしない架空の彼女を作り上げて デートの話を楽しげに話す君に 「なんで私と一緒にいるんですか」 なんて聞けずに座る助手席で 「これあげる」ともらった詩集が 恋人たちの詩ばかりで泣きそうになる 「うーん、恋愛線がないです」 占いで運命の人が決まればいいですね そうすれば死にたくなることもないのに 架空の彼女は、現実にいて 君は毎日ベッドで一緒に寝ている 仲良くパンケーキを食べて夜中にカラオケへ行って かわいそう、の中に紛れたうそ ほんとうのことなんてだれもしりたくないのです みんな火星に行きたいから 嘘が詰まった地球では 呼吸することもままならないから 火星を宛先にして 84円切手を貼って海底ポストに あれ、94円だったけ 届く頃には君も私も灰になっているかもね 犬の腹でも撫でながら気長に待つよ
星火の夜 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 613.7
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-02-05
コメント日時 2024-02-05
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
息を吸うように嘘をつく、というのは、一見ありふれているようで、しっかりと言葉に 当たらなければいけません。息を、吸う。吐くではなく。かわいそう、の中に紛れたうそ。 このうそが、しっかりと見なければいけないもの。恋愛が、仮構なのかどうか、 最後にアクションを起こし、手紙を送る。これも仮構なのか。犬の腹を撫でる諦め。 全体に、おだやかに作られた、創造性の大きな詩だと思いました。
0一人の人間の物語ですね。 恋愛の事が書かれてる。 私は恋愛体質じゃないので そこまで詳しくは無いですが、 誰かといっしょに居たいと思うのは 誰だって一緒なんですね。
0素晴らしい詩ですね、感動しました。 今は書いていませんが、また真似をして書かせて頂きます。 ありがとうございました。
0脱線して、戻って、を繰り返すある種の脈略のなさが魅力の作品だと思います。 それとは別に、 > 仲良くパンケーキを食べて夜中にカラオケへ行って こういうディテールの部分がもう少し細かいといいのかなと思いました。架空の彼女が現実にいる、とのことなのでこれくらいふわふわしたかんじの書き方もありかもしれませんが。
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