"薔薇の花を赤く塗ろう"
"急いで塗ろう早く塗ろう"
今日もトランプの兵隊達は
白い薔薇を塗っていく
"この国の薔薇は全部全部、
赤くなくっちゃぁなりません
だってこの国の女王様は
白い薔薇が大嫌い
だから赤くなくっちゃぁなりません"
彼らの手にはペンキじゃなくて
ギラリと光るナイフがあった
彼らは情け容赦なく
血飛沫上げて、
グッサリグッサリ
「言うことを聞きなさい!」
「気が利かないわね!」
「静かにしなさい!」
「何度言ったらわかるんだ!」
血飛沫上げて、
グッサリグッサリ
「お話を聞きなさい!」
「忘れ物をしないでちょうだい!」
「勝手にいなくならないで!」
「今日はお給食なしですからね!」
血飛沫上げて、
グッサリ、グッサリ
「なんで出来ないの!?」
「しっかりしてよ!」
「邪魔!イライラするんだよ!」
「ブス、デブ、宇宙人!」
血飛沫上げて
グッサリ、グッサリ
「ボケっとするな!」
「全力でやれ!」
「言い訳するな!」
「いい加減に覚えてよ!」
グッサリグッサリぶっ刺して
真っ赤に真っ赤に染めていく
そうして私は進化する
世間様が喜ぶような
血みどろ真紅の道化(ピエロ)になって
民の一人と認められる
それでもうまく溶け込めない
それはなぜ?どうしてだ?
答えはわかりきっていた
小さな白い塗り残し
これがバレたらどうしよう?
首を切られておしまいだ!
怯えて、震えて、モヤモヤとして
だんだん私が擦り切れていく
ピシッ……!
ある日突然、私の中で
ヒビが入る音がした。
割れた裂け目から溢れ出す、
ドクドクドクドクドクドクドクドク
ドス黒いインクが溢れ出す。
ドクドクドクドクドクドクドクドク
それは抑えても止まらない!
ドクドクドクドクドクドクドクドク
ダメだ!全然止まらない!
ドクドクドクドクドクドクドクドク
いつしかインクは白い部分を
ドクドクドクドクドクドクドクドク
あっという間に染めていく
ドクドクドクドクドクドクドクドク
もう手遅れだ!助からない!
ドクドクドクドクドクドクドクドク
もう体中、真っ黒だ!
ドクドクドクドクドクドクドクドク
しかし不思議と怖くなかった…。
むしろ気持ちいいくらいだ!
体の底から漲ってくる
得体のしれない感覚に
思わず笑いが込み上げた!
アッハッハッハ!こりゃいい気分!
最早怖いものなどない!
女王なんざ屁でもないわ!
悔しかったらかかってこい!
アッハッハッハ!最高の気分!
今すぐにでも叫びたい!
この国の中心で中指立てて
笑ってやろう、言ってやろうか!
"あんたの色に、もう染まるものか!
ホラ、黒なら文句はないでしょう!?"
作品データ
コメント数 : 3
P V 数 : 555.9
お気に入り数: 0
投票数 : 1
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作成日時 2024-02-04
コメント日時 2024-02-05
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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2024/11/21 23時29分06秒現在
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ついに、越えてしまったんですね、壁を。そこから、可能的世界の始まりです。 女王なんてもう怖くない。アリスの知力と努力と感性をなめるなよ。 真実に気づいてしまった人は、強いものです。
1詳しく内容を理解できたかわかりませんが ここまですっ飛んでいると気持ちいいものです。
1白=無垢の表象 赤=「単なる」政治思想的表象(或は「女王」の辞よりテューダー・ローズの半身の可能性も視野に、) 黒=非-無垢の表象(此処では、敢えてアナキズムの表象の可能性を斥けたい) ならば。 白は無垢か、黒は非-無垢か(或は白が非-無垢であり黒が無垢である、という、詩-的な価値基準の顛倒が熟考、記述をされているか)、 何卒、御一考の程を。
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