不幸ではないから、
感情はただ留まって、どこにも行かない
幸せ、かも、よく分かっていないから、
感情がいくら留まっても、溢れることはない
平日は快晴で、休日は雨雪が降った
ありふれた不運は、しかし不幸ではない
平日が休みで、日曜に会社に行く人には
もしかしたら幸運かも、幸せかは知らないけれど
私の特技にもしも、
こいつがもしも、少しでも興味をもって
誰に強制されるでもなく、自分から手を伸ばしたなら
絶対、私よりもずっと、こいつは高みへ行ったはず
不幸ではないけれど、
私は欲を持っていて、私一人で留まっている
幸せだったなら、良いのかもしれないけれど、
無関心なやつの視線の先を、私もまた知らないから
平日の朝に雪が積もっていて、休日の夜には凍っている
誰にとっても不運かもしれない、でも不幸でもない
溶けはじめの、踏み鳴らして溢れる感触を知っているから
幸運でもあるかもしれない、幸せとは、呼べるか分からないけれど
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 757.4
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-01-21
コメント日時 2024-01-24
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 23時38分16秒現在
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不運や幸運を見分けられるのが、特技でしょうか。 感情を溜め続け、欲を溜め続けている。 中道に従って欲は発散されるべきですが、欲を持っているという告白。 雪を踏みしだく感触を得られるといった小さなことに、みんなが等しい幸運を 感じられるということが、この詩では、結論として描かれていますね。
0正直、他人にとっての幸運なんて私にゃ分からん、という気持ちの方が強かったです。 結論も何も無いかもしれません。私自身が幸運をどう感じているかも分からないまま、書き殴った産物になります。 特技というのも、何でも良いかなと思ってます。最初は、詩を書いたら凄そうな文才ある友人が、一切詩に関心を示さないことを連想していましたが、それは詩に限らずあらゆる事柄に当てはまる感情かなと、書いている途中で思った次第です。 とにかく、早速コメント頂けて嬉しかったです。ありがとうございました。
1幸せと運を結び付けて考えてしまうことがあった僕にとって響くものがありました。
0心象の独白と、日常風景の描写が並走して語られつつ。 何とも申し難い精神の輪郭が顕ちあがって来ます様な御作であると感受を致しました。 朦朧と、しかし明瞭な他者「こいつ」への想念が語られ、比較対象としての「自己」の文脈が泛び上がりになられる。 顔、容貌が無い様でありながら、確かに有る、不思議な読後感の作品であると思いました次第でございます。
0コメントありがとうございます。 響くものがあった、と捉えていただけるのは、素直に嬉しいものですね。
0コメントありがとうございます。 不思議な読後感とのこと、何だか感想をいただいて、私も不思議な気分です。 何か読者の心に引っ掛かるものが書けたなら嬉しい限りです。 また、「こいつ」への想念、という点に着目していただけたのも嬉しかったです。 ありがとうございました。
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