別枠表示
遠くで船が往く
橋の向こうの 躊躇いの波音の隙間 流れゆく煙の外れに 眩いばかりの船が1隻 ゆらり ゆらりと 日が沈むように消えていった。 耳につく 騒音と喧騒は、遠く 煙と潮の満ち様を見ている 生命を眺めるように 煙は続く 船はゆく どこへともなく どこへともなく 闇に馴染んだ視界で なお届かない地平線 その済々たる背中 俺は、幾度となく憧れた 荒れた髪を慰めるほどの、 静寂を洗う風の雨。 灯台で照らされた写真は ぽたぽた浮かんでは また、消えてゆく 船は既に 此処には無い 誰か 背を押す者がいる 胸を乾かすほどに潮風がわらう コートにも、スーツにも 僕を慰める術を知らぬ。 父は言った、「正しくあれ」と 俺があの船に乗らずにいた事が 波打ち際の傍観者にさせたとしたら このまま波の音の上 もう少し 煙を吹かせていよう あの父に似た海の背に もう少し もう少し 融けていよう
遠くで船が往く ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 991.3
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-01-11
コメント日時 2018-02-08
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
投稿有難う御座います。父性との対峙が感じられる作品ですね。なんと言いますか、ストレートさが感じられました。
0三浦果実さん ありがとうございます。僕は夜の海の、静かで、かつ小さなことを吹き飛ばしてくれるような雰囲気が好きで、今回はそれをテーマにしました。
0はじめまして わたくし るるりらの父も 海に関係した人でしたので、なんとも 言えない気持ちに なりました。 なんとも言えぬでは、感想にも なってませんので、オススメの動画を案内させていただきます。 TEDという番組内でスティング(イギリス歌手。父親は造船業)が、【再び曲をつくりはしじめられたわけ】と、題した 番組に 感動したときの 思いと、本作品から いただいた感動が 似ておりました。よかったら、ネットで御覧になってみてください。 また、ほかの作品も 拝読してみたいです。それでは、ご機嫌よう。
0るるりらさん ありがとうございます。そうなのですね、私の作品に心を動かして頂いただけで嬉しい限りです。動画も拝見させて頂きます。
0これは海の香りがしますね。行間に漂う波のリズムがそう思います。海に行くと本当にそういう感じがするのですよね。 >ゆらり > >ゆらりと > >日が沈むように消えていった。 繰り返される音を行間飽きまくりの詩行の中にぶっ込むのが本当に勇気あると思います。繰り返す波の音に詩を漂わせながらそこに様々な物事の影を追っていく。その視線のあり方に海を感じました。
0百均さん ありがとうございます。 この詩はえらく進行スピードが遅いのですが、やはり海というものをテーマにしたこともその理由だと感じます。ゆらり/ゆらりと にも、その遅さが出ていますね。
0