小さな蜂の様なドローンが 花から花へ花粉をつけている 空中庭園には何十枚かの巨大なガラスが嵌め込まれており太陽光が植物達を優しく照らしている 小さな蜂型のドローンは小窓から絶えず出入りしており、庭園に居る自律機械の中に入って外部の情報の共有をしている 自律機械達が庭園の世話をしていると この古い城に近づいてくる人物があった 城外の堀にまでソノラが近づいても跳ね橋は少しも作動する事はなく、彼女はその視線を城の上の方、空中庭園の方に向けていると その方角から大きめのドローンが垂直に降りてきた。そのドローンは手摺りと四方に柵が付いており乗り物として安全面に配慮がされてる。ドローンは地面ゆっくりと降り立ち 設置されているスピーカーから彼の声が聞こえてきた 「柵の右の部分は開くからそこから乗り込んで」 其れを聞いて彼女は用心をしながらそのドローンに乗り込んだ。 彼女を乗せた大型のドローンは四方についている透明な板を昆虫の様に羽ばたかせて 空に垂直に登っていく 古城の中心にある庭園に向かっていく 庭園に嵌め込まれている大きなガラスが静かに開いて大型のドローンを迎え入れる ソノラは空中庭園の中に入って行く 大型のドローンが空中庭園に到着すると ガラス製の扉は音もなく動いて他のガラスにピタリと嵌って、もう何処が扉だったかわからなくなる。 空気の流れがコントロールされていて扉が開閉されても中の状態が変わらない仕組みになっている 庭園の中心にドローンが停止する 地面に敷き詰められている石板に這う様に光の筋が通ってい大型のドローンと同期する様に淡い光を放っている 幾つかの石板が点滅しているその明滅する石板の上を歩いて行く 沢山の花々が咲いている 明滅する石板は庭園の奥にまで続いていて その先に蝶と遊んでいるウラエルス見える ソノラの姿を見つけるとウラエルスは少し驚いた身振りをして近づいてくる アグリアス達は彼の元を離れて庭園の上に舞っていった ソノラとウラエルスはしっかりと抱きあって 彼はソノラの首筋にキスをした 昔の記憶が甦ってくる、何かしまっていた 小箱を開いた様な気分 昔の様に管理されているなんて・・・・・・ あなたもココにはいなかったのでしょう？ ああ、この古城は相続はしたけど手入れは 殆どドロイド達に任せているよ、 僕も遠隔で操作はしていたけどこの10年間は ほぼ無人で管理していた ドロイドの思考回路については寧ろこの為に理解を深めていったと言っても良い 資産の大半をここの維持の為に注ぎ込んでいた。この場所は君との思い出の場所だし、僕の中で最も神聖な、祈りとも言えるものだしね。君の方はどうなの？ Jとは別れたとゴシップ紙は毎日の様に書いているしコレは。 まぁ彼との事に関して言えばフラれた感じなんだけど、どうなのかな？ まぁ嫌いではなかったけどお互いに深くは踏み込めなかったと言うか 魂の形が違っていたのかもね そう？キミとは連絡を取らない約束もしていたのでもしかしたら例の約束を気にして時期を合わせてくれたのかと、そうであるならなんと言うかちょっと彼にも悪いことをしたと思っていたのだけど 偶然は必然の極地って言う話しなら どうかな？ どちらにせよノドルのテスト運用の時期も終わったタイミングみたいだし 結果的に通じる道だったのかも あなたの頼りない預言、予感？は今回も当たったのかな ここまでの僕らの動きはまだ準備の段階だからね、火星人って言って君は僕をいじめていたけどナカモト氏がコチラの思惑に気がつかずに自らの意思で行動していると言う思い込みが今の処成功しているのかどうか？ まあしかしこの段階までくるとそれはもう大した問題でもないのだろうケド ノドルの基本的な仕様は私の論文で説明しているからね、ノドルの構想自体を彼のアイデアだと思い込んでもらえるかどうかの匙加減が難しかったけど、少し彼に悪いことした気分もあるわ 仕方ない、パビリオンへの侵入に際してのレギュレーションの仕様に人数が絡んでくるとは、考案者の思惑というか、あの当時の僕等では解決し難い問題があったからね 多分、10年程の期間が必要だとは思ったが 君の25歳のバースデイに間に合う事になるとは、しかしよく枠がもらえたね、その件では僕なりにチャンネルを得ようと動いてはいたんだけど Jからの慰謝料としてお願いしたの 所謂抱き合わせって奴？ ナカモト氏は渋っていたみたいだけどMITと国にも入ってもらってプロジェクトとして 支援もあると言う事でなんとかねじ込んでもらったわ つまりポッドはMITに届くって訳かな まぁそうだね、しかしプロジェクト自体についてはその性質上関わる人間を極端に制限するから私にとってもあなたにとっても悪い話では無いとは思う、最上かと言われればそうではないのかもしれないけれど。 あなたの仕事は？ 風の噂では世界中を飛び回っていると聞いていたけど 先月でINTERPOLは退職したよ 随分引き留められたけどそもそもの理由がプラスの組織に近づく為だからね 幹部の1人、ベンダーと仲良くはなったけど 彼も万博への侵入によって悪意の亜種から始末されてしまった なんと言うか流石に堪えたと言うか 彼は僕の分割した意識についても気もがついていた、彼はプラスの中でも良心的な人物だったと思う。 ベンダーを葬った悪意はどうしたの？ そのまま？ いや、ベンダーの仇はうった これはまた数奇な話になるから機会が有れば話すけどその悪意は遠い国で始末したよ 強力な悪意だったので主人格でしか倒せなかった。 だから悪意そのものは僕に収めることが出来なかった、もし主人格に収めればバチカンの例の兄弟から感知されてしまうから え、じゃあどうしたの？ なんと言うかその時補助をしてくれた人がいて・・・一応今はその人物の中に捕えている状態なんだ その人にも適正と才能があったのね 運が良かったのね まあ、そうなるね彼ならおそらく万博にも いけるだろうけど、その事は秘密にしておいた悪意はほぼ力を失っていたので彼の人格に影響を及ぼす可能性は低いだろう だけど・・・ その内になんらかの処置はした方が良いと思うけど、連絡は取れたりするの？ さぁ？しかし彼の話によるとあるサイトに訪問すればと言う事だったので 彼の名前はなんだったかな？ ちょっと日本語がまだ難しくて、 起きてなんとか寝てなんとか コメディアンとポエマーのかけあわせみたいな事を言っていたな その時のメモには一応書いてあるけど、 彼も落ち着いたら今回の事を纏めて書籍化するかもと言っていたけど それは余りお勧めする事は出来ないとは言ったが、何か・・・そういう習性の様なものに取り憑かれているらしい ビーバーがダムを作る様に？ そうリスがどんぐりを隠す様に。 書籍化する際は本名とか事件の概要をぼかして書く様に依頼はしたんだけど・・・ ふうん、まぁその話はまたゆっくりと 今回の事が終わってから・・・ だけど今回の事が終わったらどうするの？ どうかな？一応この古城で養蜂なんかをしながら余生を過ごしたいとは思ってはいるよ その前に君にプロポーズもしないといけないけれど あら、そうなの？しかしあなた多分無事では済まないかもしれないし無謀な人間はなんとなく性に合わないかも ねぇ、計画の全てを辞めて此処にそのまま住んでも良いとは思わない？ 多分あなたまともでは帰ってこない気がするのよ、養蜂家の妻という立場は私の思い描いた将来には無かったけど、あなたと暮らせるならやっていける覚悟はあるんだけどな ここで全てをやめて君と二人で自由に生きる には僕らは予想外に多くの人間をまきこんでしまっているよ、それはある意味で必要な犠牲だったとしてもね それにいくらそうなるシナリオだとは言え 僕らが此処で手を引いたら怪人ランカー、そうナカモト氏が世界を支配してしまう、それは物語的には避けなければいけないカセイジンだった僕としても。 運命はめぐるめぐる、つまりキャストは螺旋の様に繋がっているんだ 空中庭園には絶滅した花が咲き誇りそれは千年ほども続く方舟になる ソノラはスマートフォンを取り出してWorld warを起動した 開幕ガチャの画面から1回引くを選んで 中指でレバーにふれた 虹色のエンブレムが出現して それが輝きとファンファーレと共にLレア vozlyublennyyに変化する ウラエルス、賽は投げといたよ 私の望む地に連れていってくれるかどうか だけどそれはもしかしたらあなたの願望なのかも、わたしはもしかしたら ワタシはそんなコト・・・ __________________________________ アマソンオリジナルドラマ 『ウィグナーの友人』 あらすじ アフリカで起きた猟奇的な殺人事件を捜査していた国際刑事警察機構の警部アレン=グレスはある夜、夢の中で啓示を受ける 「ソレは日本で見つかるだろう」 夢の中で彼は森の中を彷徨っていた その情景を元に調べを進めていると 夢の内容と酷似した森と石板を見つける アレンは1ヶ月の休暇を申請して日本に向う。其処で出会ったお笑い芸人と詩人の二足の草鞋を履く人物と協力して殺人事件の謎を解いていく 主題歌 【invasive】 作詞　あべのハルカス田中 作曲　あべのハルカス田中 歌　Neo girls 現実感の無い朝は雨が降っていた アスファルトは濡れていて危険な匂いがする 車のエンジンをかけるといつもと同じ音声が聴こえてくる 頭の中に台詞がある ギアを変えながらアクセルを踏んで いつものルートに合流する 頭の中に台詞がある 一時停止して左右を確認する 少し進んで信号待ち 頭の中に台詞があるんだ 現実感の無い話をする為に 花屋で薔薇をたくさん買った 薔薇と言う現実感の無い漢字 画角の端が見える 手に持った金槌で現実を叩き割る 極楽鳥が金網の中で羽を繕っている 窓枠には極楽鳥の体調が説明されている いつか君が風邪をひいてそのピンクのジャージが可愛くて僕の容量はそれで圧迫されて大事な現実が削除され続けている 頭の中に台詞があるんだ ポケットの中の空想を叩けば虹色の飴玉が転がる ストーリーストーリー桜桜舞舞落落 頭の中に台詞があるんだ 清涼水をアレもこれも開けて 果物もどれも少しだけ齧って やりたい様にやる LINE通話は何時迄も繋がっていて 韓国のグミの甘さで脳がトケテいくんだ そうなっちゃえば良いんだ 頭の中に台詞があるんだ 自転車が急に飛び出してきて時間がゆっくりと過ぎてゆく ジョイフルの大盛りポテトフライの最後の ポテトを食べてメロンソーダを飲んだところでキューブレーキを踏んだら 現実が後から追いかけてきて肩をトントンと叩く 頭の中の台詞がスラスラと出てきて 僕は記憶の中の記録の画像に挨拶をする おはよう シュレーディンガーの猫 チャプター1 (120分拡大版) 日本へ向かう航空機の中で 友人からの連絡を受ける 友人の高林が軽井沢の別荘で事件に巻き込まれたらしい 空港から軽井沢に向かう途中にアレンは何者かに追跡されている事に気がつく アレン以外にも夢の中で啓示を受けている人物がいるらしい 友人の別荘に到着して話を聞くアレン 話は意外な方向に進んで行く EPRパラドックス チャプター2 友人の高林の事件を解決し お礼に日本に滞在中の間、高林の別荘を貸してもらえる事になった 前回の事件で手を貸してくれた 自称コメディアンでポエマーの彼。 その彼が日本に不慣れなアレンに暫くの間軽井沢での暮らしのサポートを申し出でてくれた。 丁度その頃イギリスの自宅から荷物が到着する、其れは小型のドロイドと蜂形のドローンでアレンが今回の来日の為に必要なものであった アフリカの猟奇殺人の件で動いている組織があるらしいアレン達は別荘を監視する組織に ある作戦を決行する ダブル・ブッキング チャプター3 空港からアレンを尾行していた組織は アレンからイスラエルの情報を得ようとしていたテロ組織であった 助手の役目をしてくれているコメディアンとポエマーのかけあわせの彼を誘拐し インターポールのデータベースの情報と引き換えを要求してきた アレンは蜂のドローンとドロイドで 反撃に出る 誰にでも偶然起こることがある心理的共鳴 チャプター4 テロ組織を壊滅したアレンだったが それを調査していた別の組織があった アフリカの殺人事件に関係しているらしい イケメンの二人組とのやり取りの結末は 峠からのダウンヒル対決になった イギリスから到着した愛車 マクラーレン・エルヴァを駆り 敵車ランボルギーニ ウラカンとの極限バトルに突入する 23エニグマ チャプター5 友人の高林の紹介で日本政府の高官と面会する事になったアレン 極秘裏に来日するドイツの要人のスケジュールが漏洩していることでのアドバイスを受けたいらしい 霞ヶ関に向かう2人の前に突然現れた金髪の女性の話で物語は意外な方向に進んでいく 創作主題による32の変奏曲 チャプター6 夢の中に強力な悪意が登場する 分割した人格に隠してある悪意で応戦するアレン。 意識の混濁する中悪意が彼に伝えた事は post hoc ergo propter hoc チャプター7 世界的なハリウッドスター ジャック=フォルターメイヤーが来日する事になり要人警備の件でアレンに連絡が入る 乗り気では無かったアレンだったが ジャックの恋人でもある女優ソラナ=マクラクランも同行していると聞いて 要人警護に協力する事になる 爆弾魔の予告が届いたのだがその結末は意外なものとなった 第二種永久機関 チャプター8 バチカン市国からミシオロスキー兄弟が日本にやって来る。 兄弟は悪意を有している人格に対して感知できる能力があり 兄はその者の位置を、弟はその者の姿を把握できる能力を持つ アレンが所有している悪意は別人格に収納しているが強力な悪意の襲来に応戦する時に使った別人格の悪意を兄弟に感知される事になった。バチカンからの疑念に対して ミシオロスキー兄弟に会う決断を下すアレン 窮地を救ったのは助手の彼だった 普遍的な因果性に関する自由の問題 (文フリ東京) チャプター9 助手の彼の勧めで文学フリーマーケットに参加する事になったアレン ちょこちょこと書き溜めていた自作の詩を詩集に纏めていると懐かしい思い出が甦ってきた ウィグナーの友人(前編) チャプター10 強力な悪意 レニークラヴィッツとの戦い ウィグナーの友人(中編) チャプター11 悪意レニークラヴィッツの心象風景に飲み込まれるアレン、禅の公案の中に答えを見出そうとするが ウィグナーの友人(後編９０分拡大版) チャプター12 悪意レニークラヴィッツとの戦いは終盤戦へ アレンの主人格での思惟はレニークラヴィッツの魂を捉える事ができるのか？ 終わりの歌(エンディング曲) 『想像上に咲く花』 作詞　あべのハルカス田中 作曲　あべのハルカス田中 歌　Neo girls ノートに計算し尽くされた数列が 今日の日はさようならを囁いている ブラックムーンのサクサクとろける食感は 君と初めて喋ったカンガルー日和 何日も水をあげていた花が造花だった時の悲しみが稲妻の様に支度をはじめて 僕はなんとなく腕を組んだ ちょっとにっこりともした 想像上に咲く花は 想像上に咲く花は 今日と明日を区別しない 想像上に咲く花は 想像上に咲く花は 時々昨日を振り返る 日もくれるので家に帰ろう 犬が遠くで鳴いている ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 劇場版 「室内鳥類学」 coming soon