日曜日
雲形定規重なる
山容のまなうらに
下りて行くミソサザイ
空のほとりへ
木曜日
一本路地を入れば
深くなる呼吸
木目調の手のひらに
かざす檸檬
月曜日
電線の破調沿わせ
蝶が過ぎて行く
迫り出した青空にミームは踊る
空気かすれるように巻いていく
昼の月
土曜日
斜めっているサウンドに千年の発露
羊羹に須く宇宙の間取り
カジュアルな惑星のブーツがまぶしい
水曜日
剥いているまなざしの
あさぎまだらに
慢心のアーケードつぶてと継ぎ手
鱗粉に噎せながら
詩地図を画す
名前から錆びていく
カルト日めくり
「おまえ手桶に花を挿したか」
「おまえ」
「おまえ」
「おまえ」
「おまえ」
サエキカルダモン
一本の地平線冬に入る
自在かな
手足長い虫にたくす時間たまゆら
こぼれ落ちるかるたに
硝子の小蓑
作品データ
コメント数 : 12
P V 数 : 892.1
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-11-23
コメント日時 2023-12-24
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:892.1
2024/11/21 22時44分46秒現在
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タイトルの「素描」のとおり、心に浮かんだ景色や言葉を、思いつくまま描いたような印象を受けました。 個人的には、 「羊羹に須く宇宙の間取り」 「詩地図を画す 名前から錆びていく」 『「おまえ手桶に花を挿したか」 「おまえ」 「おまえ」 「おまえ」 「おまえ」』 「手足長い虫にたくす時間たまゆら」 といったところが面白く、また、美しいと感じました。 ところで、「サエキカルダモン」とは何ですか? これだけは調べてもわかりませんでした。
1もちろん架空の名前です。 今、村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」を読んでいるのですが、加納マルタとかクレタとか変わった名前の人物がたくさん出てきます。それを真似してみたというところです。 ご感想ありがとうございました。
1ミソサザイはスズメより小さい鳥と言われており、鳴き声ぐらいは聞いたことがあるのですが、高いところにいたりとかしてなかなか降りて来てくれない憾みがありますね。普通は手を翳すと言うと思うのですがこの詩ではレモンを翳すと言うところが、逆に手にレモンを翳すと言うところがちょっと立ち止まるところですね。ミームは調べてみました。「脳 内に保存され、他の脳へ複製可能な 情報」とあり、「踊る」と言う表現に納得しました。斜めっているサウンドとは何であろうかと思い、詩的空想を羽ばたかせてみました。最後の曜日ですが、アサギマダラが出て来て、この蝶多分、何回か見ていて、普通のナミアゲハ、これは恐ろしくたくさん見ている。アオスジアゲハは結構珍しいが、クスノキの葉を食性としているので、幼虫が。まあ、珍しいけれど見ないことはない。アサギマダラが、一年に一回見るかどうかの蝶ですね、私的には。そういった感じで、この詩を概観してみました。
1丁寧にお読み下さりありがとうございます。 ご感想ありがとうございました。
0初連、わかるように書かれているので、それを思っているとどんどん、不明なときを垣間見るようになる。あるがままの素描なのだなと表現を映っていくイメージは、やはり詩を持ち得ます。
1「シュルレアリスム宣言」の自動記述の話を思い出しました。私は詳しくないですが、そのようなことにも興味を持っていそうだな、と作品を読んで思いました。(全然違ったらすみません)
1曜日形式が目新しい。
1>初連、わかるように書かれているので、 序章だから違う方向性で書いたというわけではないのですが、興味深い感想でした。 それにしても私にとってA・O・Iさんの詩は大変難解ですが、どんな書き手であっても自分で理解していない部分が詩の中に必ず紛れ込んでいるような気も致します。 コメントありがとうございました。
1>「シュルレアリスム宣言」の自動記述の話を思い出しました。 以前シュルレアリスムそのものについて別のサイトで詩を書いたことがあります。 その時シュルレアリスムを冒涜している的なお叱りを受けたので、それからは自分の中ではなるべく距離を置きたいものでした。 今思えば理解が未熟であったと思います。 でも自然とまたその方向に向かっているなら、今読んでいる小説だとかあまり関係のなさそうなものからの影響かもしれません。 コメントありがとうございました。
0曜日のシャッフルは田中宏輔さんの日めくりシリーズを参考にさせていただきました。 コメントありがとうございました。
0おはようございます。 さっさっさっと読める、筆致の、キレのよさみたいなものがありつつ それは現代詩、して、書かれてらっしゃるような。 それも短詩系から培った己の強み、みたいなものもふんだんに展開しつつ ああ、こういう風になるんだ、なってゆくのだ、と読んでいて面白かったです。 その、意味、ミーニングみたいなものも、しっかりとあるんでしょうけれど 読者の私としてそこまで深くは探らず、さらりと読みましたね。 木目調の手のひらに かざす檸檬 この、木目調の手のひら、とか最高ですね。キラーフレーズとして。
0今年も書いた中では一番好きな詩かもしれません。 「水曜日」は微妙で最後まで扱いに迷いました。 小蓑としたのは完全に失敗だったように感じています。 コメントありがとうございました。
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