コンビニエンスストアで
三五〇ミリリットルの缶ビールは買わない
飲めないから
ひとり夜の散歩
タケダ漢方便秘薬が切れたから
仕方なく、徒歩二〇分のウェルシアまで歩く
歩きスマホだから車に轢かれそうになる
ごめんね、お行儀悪くって
轢かれそうになってまで
芸の肥やしにもならない文字を書いている
書かないと忘れてしまうから
良し悪しなんて知らねぇんですわ
今度は人にぶつかりそうになる
歩道のゲロは回避出来たよ
スニーカーが合わない
このまえ買ったんだ、白いピカピカのやつを
不自然に大きな足にナイキが合わない
ニューバランスにすればよかったのかもしれない
捨てなければよかったね
当時の恋人にもらったスニーカー
シンデレラフィットだったね
彼は私にフィットしなかったのにね、変なの
坂道を歩くわたしは足が痛い
痛そうにしているとかっこ悪い
だからスンとした顔で歩き続ける
私の書くものには詩情がないらしい
言葉の組み合わせは謎めいている方がイケているらしい
単語×単語の薄い本、上手く作れませんな
今とりわけ書きたいネタもない
少し覗いてみたかったんだ、こっちの世界
そんなことを言っている間に家に着いた
帰ったら録画したアニメを観ると決めているため、これにて御免
追記
いま修正するを押したら消えたよ、バグかな
作品データ
コメント数 : 21
P V 数 : 2033.1
お気に入り数: 3
投票数 : 8
ポイント数 : 0
作成日時 2023-11-18
コメント日時 2023-12-16
#現代詩
#縦書き
#受賞作
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
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技巧 | 0 | 0 |
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閲覧指数:2033.1
2024/11/21 22時34分58秒現在
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とりとめない思考をとりとめないまま流れに任せて逆らわない潔さを感じました。
1どこをどう修正しようとしたのですか? 少し気になります。
1山本やまさん こんにちは! >芸の肥やしにもならない文字を書いている >書かないと忘れてしまうから >良し悪しなんて知らねぇんですわ ほとんど依存にも近いバランスを失った調子で、日常と書くことが結びついていて、例え書くことに苦痛を感じたとしても止めることはできない、といった書くひとの宿命のようなものが見えます。そこまでに至っていない私なんかはちょっと羨ましくなるような力強いフレーズ。 きっと「私」は恋人に貰ったスニーカーのことも、スニーカーを捨ててしまったことも全部書いたんだろうな。 5連目は2連目の「良し悪しなんて知らねぇんですわ」というような強さはなく、揺らぎでいっぱいで、思考がぐるぐるしている様子が夜の散歩というタイトルにぴったり。 最後の追記がホラーっぽいなと感じました。 何が消えたか言及していないところが怖い! ひとり夜の散歩をする「私」、便秘薬を求めウェルシアまで歩く「私」、元カレのことを思い出す「私」、書くことに向き合う「私」、修正をしようとして消えたのは「私」なのかな、なんて思いました。 久しぶりに山本やまさんの新作が読めてうれしかったです!
1こんにちは。 とにかく好感のもてる言葉たちが並んでいてあなたを抱きしめたい!と、思ってしまいました。 気持ち悪いと思うのでしたら、私を通報してください。 あなたに筆を折られるのならば本望です。 日曜日に、いい詩が読める。 なんて、しあわせなのだ。
1詩情がないらしいと嘆く連が印象的でした。詩の工房を垣間見る様で。若干、ネガティブですが、「こっちの世界」とは?と思いました。詩の世界の事だろうか。あからさまには述べられていませんが、歩きながらでも詩作に耽って居たのかもしれません。
1コメントありがとうございます! とりとめもなく考えてたことをそのまま書きました。その日足がめっちゃ痛いのも本当でした。 入間しゅかさんの『容器』に惹かれてコメントしたいけどうまいことが言えないと悩んでいたところ、ご本人よりコメントいただき嬉しい限りです。近々書きにいきます。
1コメントありがとうございます! ちょっと邪魔かもという箇所を消したのと、見た目が悪いところを修正したら「ファーン」って全部消えちゃったんですよね。びっくりしました。メモ残しておいて良かった。
0あやめさーん!こんにちは。 コメントありがとうございます! そうなんです、依存するかのように毎日何かを書いています。書けない日も何か言われた日も何かしら書いています。でも歩きスマホはやっぱり危ねえので気をつけたいと思います。笑 書くのは基本好きですがその割に書いたものに自信はないし、ぐるぐる考えてしまいます。特に一人で歩いている時なんかは。 修正するを押したら、物理的に本文が全部一度消えてしまったんです。謎。それをそのまま報告的に追記したのですが、なんだか良い感じにホラー要素出してくれたみたいでラッキーでした。ポエマーの幽霊でも近くにいたんですかね。 確かに、いらんこと思い出す自分は修正したいし消したいなと思います。 私もあやめさんに読んでいただけて嬉しいです!
0コメントありがとうございます! そうまで言っていただけて、嬉しい限りです。 投稿してからいつも「猛烈にdisられたらどうしよう」と不安になるので、コメントで抱擁していただいたと思います。通報しません。笑 嬉しいコメントを読めて、しあわせな火曜日です。 ありがとうございます!
0コメントありがとうございます! そうまで言っていただけて、嬉しい限りです。 投稿してからいつも「猛烈にdisられたらどうしよう」と不安になるので、コメントで抱擁していただいたと思います。通報しません。笑 嬉しいコメントを読めて、しあわせな火曜日です。 ありがとうございます!
0コメントありがとうございます! 詩情が薄いのが悩みなんです。日記や作文みたいになっていないかなって。「詩の工房を垣間見る」っていう表現、なんだか好きです。あるなら私も覗いてみたい。 こっちの世界とは、おっしゃる通り詩の世界です。文章を書くことは好きですが、私にとって詩は難易度高めです。皆さまの作品を読み、コメント付けようとしては引っ込めている小心者です。覗くのではなく、堂々と入りたいものです。
0視点の切り替えが見事な作品だと思いました。特に凄いと思ったのは、 >彼は私にフィットしなかったのにね、変なの から >坂道を歩くわたしは足が痛い のところ。 買い物をする場面をきれいに切り取り(省き)ながら、それを終えて帰路につくまでの動作が、一連のセットとして頭の中を違和感なく流れていきました。省かれているのですが、行動があった思わせる書き方、その余韻のあるレトリックをとても鮮やかに感じられました。 反対にこの部分に、もう一連あっても良かったのではと感じたのが、 >だからスンとした顔で歩き続ける と >私の書くものには詩情がないらしい の間でした。 簡単ですが、こちらに初連を移動させて >コンビニエンスストアで >三五〇ミリリットルの缶ビールは買わない >飲めないから を上記の間に入れても良いのかなと思いました、視点の切り替えという意味でも(ひとり夜の散歩-は表題等と重なっているので割愛させて頂きました)。初連4行の意味(意図)は、「夜の散歩」という表題によってほぼ補足されている気がしますので、極端なことをいえば初連が削られてしまっても、作中の流れが損なわれるものではないと感じました。また、タケダ漢方便秘薬とかウェルシアといった身近な単語が、この詩の敷居を低くしつつ、読み手と書き手を結びつけるディテール(細部)を適切に埋めてくれているのだと思います。作品の冒頭にそのような配慮があるため、読み手によっては親近感すら抱いた状態で作品が読めてしまいます。余談になりますが、それでも町は廻っているというマンガがあり、このマンガも読み手の心にすっと入ってくるレトリックがコマゴマに散りばめられていて、それが読み手の共感であったり、親しみに繋がっていると感じながら、主人公達が家からこっそりと抜け出して夜の町を散策するシーン等も何話か描かれていて、夜の散歩という、現実と非現実の境目を流れ歩くような光景を、この詩とそのマンガがリンクされるように思い返しました。そして、ディテールってとても大切で、細かすぎると伝わらないし、荒すぎても要領を得なくて、適切な塩梅であるほど共感を得られる、ということだけは分かるのですが、分かっているけど書いてみるとそのように書けなくて、山本さんの作品を毎作読ませて頂くと、細やかな共感(他者の感情とのリンク)が作中に組み込まれているのがよく分かります。そのように苦心されているのか、自然と出来てしまえるのか、分かりかねますが、共感を得られる、というのは一つの武器だと思いますし、もちろん武器はたくさんあった方が良いのかも知れない、はたまたそうじゃないのかも知れませんが、その武器(強み)にこだわり過ぎず、でもこれからも磨き続けるべき大切な感覚であると思いました。
1コメントありがとうございます! 視点の切り替えや動作を省くところについては、おそらく普段書いている文章の中で、場面の切り替えや一旦書き上げてから大幅に切ることが多々あるため、もしかしたらそれらがちょっと役に立っているのかもしれないです。その分、行間を読ませるような、詩に於いて大切であろう部分がちょっと苦手です。たった一行でハッとさられるようなキラーフレーズとか。 冒頭のコンビニエンスストアの部分を間に持ってくる手、流れが自然で良さそうです! 読み直してみても、ここは突然どうした感あるかもしれないです。 『それでも町は廻っている』、Kindle Unlimitedにありました! 早速買ってみました。後ほどゆっくり読んでみたいと思います。夜の散歩って、音楽聴きながらだとさらに浮遊感があって好きです。 共感を得られているとしたら、嬉しいです。武器となる部分は大切に磨きつつも、足りない部分は1.5Aさんをはじめとする皆さま作品や感想などを拝読しながら、ちょっとずつ習得出来たらと思います。1.5Aさんのコメントからは、いつも得るものが多くて有難いです。それから、めちゃくちゃ推してます。シンプルにファンです。
0僕は紙媒体だとほぼ小説しか読みません。反対にPCで詩を読むことが多いです。紙それからPC、それぞれが持つ読み易さというのが大きく関係しているのだと思います。山本さんの、書いたものを削るというやり方から、普段小説を書かれているのかなと少し思いました。削られた部分も見てみたいです。それだけを拾い集めたら別の物語が出来そうですね。線引きが曖昧な部分はありますが、小説にないものが詩にあって、詩にないものが小説にある気がします。人に例えると、小説はよくしゃべる人で、詩は無口な人みたいな感じかなと思っています。詩のような感性を有しながら、小説のように整然と展開していく、小説と詩の中間に位置するような作品もなかにはありますので、詩という概念に自分が潰されすぎないように、僕は気を遣っています。 勝手に移動させて、すみません。冒頭の連はこの詩の導入、雨の日の傘のような役割があると思います。 早速探して頂きありがとうございます。夜のシーンが早々に見つかると良いです。夜の散歩って響きがまず素敵ですよね。音楽を聴きながら歩くのも良いし、夜だから聴こえる虫の声や、切れかかった外灯に耳を澄ましてみるのも良いです。夜だけに満ちる解放感に、歩くという高揚感が混じりあって、すごく大切な時間に身を浸している感覚がありますね。 ありがとうございます。僕の書いている詩はへんてこなものが多いので参考になりませんが、ちょうどこの画面の上部中央に「アーカイブ」という内部リンクが付けられています。クリックすると月間投稿作品リストというページに飛びます。このサイトに投稿された詩が月別に集約されていますので、その中から適当な月を選んでクリックすると、月間B-REVIEW杯選考結果というページに行き着きます。このページにある「月間BREVIEW大賞」は、読まれておいて損はないと思います。僕はこのなかにある一つの受賞作を読んでこのサイトに登録しようと思いました。「アーカイブ」をご存じでなければ、この機能を使ってみられることをお勧めいたします。
2返信ありがとうございます! 小説は、紙で読むこともKindleのこともありますが、詩は文庫を二冊買ったくらいで殆ど知りませんでした。ここに来て、皆さまいろんな表現をされるのだなと知り、楽しく読んでいます。登録した時期はここもゴタゴタしていましたが、1.5Aさんの作品がある時で良かったなと思っています。 ご名答です! 普段は小説を書いています。小説もまだこう語れる領域ではなく、やっと自転車乗れた、逆上がりできたかもしれないみたいな、そういう段階です。削った部分を集める、面白そうですね。 小説はよく喋る人、詩は無口な人。わかる気がします。その無口が言葉にして喋らない部分を、良い感じに表現することも、また他の方の作品から読みとることについても未熟だなと感じます。 自分の書いたものを1.5Aさんならどう書くか、私としては読めるとすごく有難いので、全然もう動かしたりいろいろ開いていただいて結構です。というよりむしろ、新しい可能性を見ているようで楽しいです。ありがとうございます!冒頭の部分を「雨の日の傘のような役割」と喩えられるところ、素敵だなと思います。 サイトの機能についても、教えてくださりありがとうございます!過去作をあまり追えていないので、月間B-REVIEW大賞、読んでみます。1.5Aさんほどの方に登録を決意させるような作品が一体誰の書いた何なのか、めちゃくちゃ気になります。『それでも町は廻っている』も、まだ読めていないのですが来週辺りに読む時間が取れそうです。いつもいろいろ教えてくださり、ありがとうございます!
1一連目は、きのこ帝国『クロノスタシス』のオマージュですね。映像含めて、私も大好きな曲です。歌い出しの一節であるので、オマージュであることを際立たせるためには、やはり本作冒頭に持ってきて正解というか、自然な成り行きだったと考えられます。むしろ、『クロノスタシス』に引き寄せられて本作が書かれたのではないかとさえ思わされます(前述したように私も大好きな曲なので)。 作中でこぼされているような詩情がないなんていうことはなく、三連目のスニーカーのくだりは、フィットしなかったことが身体性を帯びた隠喩と読むことができますし、その次の連では坂道を歩く足が痛いと書かれていますが、前連からの文脈が手伝って、痛いのは決して足だけではないであろと察せられます。だから、そうねえ、詩を書くことについて作中でメタ的に愚痴をこぼす必要なんてなくて、それこそスンとした顔で歩くように書き切ってほしかったわ。感受性を素直なレトリックに活かせているから、もっと自信を持っていいわよ☆
1コメントありがとうございます! そうです、冒頭は『クロノスタシス』オマージュです。一生誰にも気づかれないのかと思って、言うタイミングを逃していました。笑 書こうとした時に聴いていたのは『ラプス』ですが、実際に夜の散歩中だったこともあり、頭がクロノスタシスに持っていかれました。私も大好きな曲です。 いろいろな方が様々な読み方をしてくださりとても嬉しいのですが、私の心の内にあったことを見破られているようでドキッとしました。 コメントの後半からゆめくいさんのキャラクターが気になりすぎて、もう夜しか眠れないです。 ありがとうございます。自信持っていきます!
0タケダ漢方便秘薬など、具体的なものを出されると、イメージ喚起力が違いますね。歩きスマホ、シンデレラフィット、スニーカーや、バグなどキーとなる言葉を抜き出すと、この詩の全容なり、部分の光が分かったような気がしました。
1コメントありがとうございます! タケダ漢方便秘薬は実際に使ってるのですが、めっちゃ効きますよ(どうでもいい情報)。 イメージ喚起力が違うとのお言葉ありがたすぎます……!言葉選びについても言及いただき、嬉しいです。 ありがとうございます!
0これ先生ほんとに散歩しながら書いたな!? 俺にはわかる(違うかもしれない) 俺も時々やります身体性と世界のタイミングに任せるやつ 即興性に任せるということは自分以外のものに任せるということで そーゆー試みに詩情がないとかゆーやつには お前にポエジーがねーんじゃねーってミドルフィンガーを突きつけよう 突きつけ続けよう
2コメントありがとうございます! わー! バレてる! 大当たりです。散歩しながら書きました。片道徒歩20分は盛りましたが、いろいろと本当です。暗闇で二宮金次郎像と目が合った気がしたことも書こうと思いましたが、別の機会にします。 昨日今日の日本は、冬なのに風がぬるくて散歩に最適です。 身体性と世界のタイミングに任せるって、良い言葉ですね。 詩情ないとかゆーやつに、ミドルフィンガー突きつけてやります! 両手でやっちゃいます!
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