あなたは草にすわって、薄く蒼い耳元から
もつれる髪を掻き上げ、世と争う私と失くした櫛にささやく
その色は白い項から遠い樹陰に笑みをおくり
茨の茂る溝を飛び越えていった
良識をもつわたしにあなたは狂気をささやき
光は平原を満たしている
天使のような顔をしながらあなたはささやく
風に揺られて蘆の中を歩く塵に
わたしは人間という名前をあげるわ
わたしはあなたの海をたたえた細められた眼に
何という破壊と奇跡を見るのだろうか
わたしは世界を信じないが
あなたを純粋に輝いている瞬間に思う
世界の果ては霞んで決して見えないことを
一羽の小鳥があなたの足もとに落ちて駈けてゆく
あなたの眼が清澄な揺らめきを白い足に与え
わたしはふと叢が小鳥の重さでしないでいるところを見た
命は光のように塵のように年齢もないことにわたしは気づく
風はいつも緑色の新鮮さを運んでくる
追憶のもとで、かつてはあなたに言えなかったことを
あなたに告げるためにこの平原にともに来たことを
わたしは思い出した
あなたの優美な髪に見とれて
あなたの名前を
あなたの薔薇色の唇に
ただそれだけを
あなたの翼に乗って力強くわたしは歩き出す
あなたにすべてを話かける時は始まったばかりなのだから
作品データ
コメント数 : 4
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作成日時 2023-11-08
コメント日時 2023-11-26
#現代詩
#縦書き
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2024/11/21 23時01分19秒現在
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きらきらする言葉遣いが読んで心地よいものでした。
0返事が遅くなり申し訳ありません。 拙作を気に入って下さり、とても嬉しく思います。 これからも良い作品を書けるように頑張りますね。
0悪魔とは言わないまでも、「あなた」と言う人物に小悪魔的な魅力を感じているのであろうと推察します。どんな狂気をささやいたのか、ささやかれたのか、そこはぼやかされ、「あなた」に対する賛美がポエティカルに続いているのですが、これは騎士道精神なのかもしれません。最後の行から、この詩は結婚初夜の場面を描いた詩なのではないかとかいろいろ空想が膨らみました。
0この作品では、愛や正義等の思想の各々間の非対称性を表わしています。 「わたし」が大切に思うものが、「あなた」にとっては「風に揺られて蘆の中を歩く塵」に過ぎないということですが、 それが「わたし」が「あなた」に感じる小悪魔的な魅力なのだと思います。 騎士道の多くは騎士には手の届かない女王に対するものであり、まさに非対称的な愛ですね。 ひょっとすると、報われないからこそ愛が詩になるのかもしれません。
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