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連詩:旅路
地に敷き詰められた蒼い田と奥に控える山々 列車の窓外を流れる景色には音がない どこから乗ってどこで降りるのか知れない 無言の列車はただ鋼鉄のレールを食むばかり 白い頭の案山子がいるけれど 白い夢でも見ているのかと 黒い頭の案山子がいるけれど 黒い夢でも見ているのかと 列車は まざまざ さまざまな 夢を 汗を滴らせ 走ってゆく 歯を食いしばり 列車は煙を上げ続け走り続ける どこに行くのか自分にもわからない余りに 「うがあああああああああああああああああああああ!」 絶叫 目が覚めると、俺は 風になっていた 「これが自由なのだろうか?」 と、とりあえず吹いてみた 遠い日の夕暮れは頬を霞める 輪郭を覆い、凪を思いださせるには 虫の音よりも細く、微かにふるえるだけの ハモニカの欠伸を呼び込むだけ やがて列車は稲田の中を 通り抜けトンネルを目前にして タイムテーブル調整のためしばらく停車しますと 煙を独特な音で吐き出しながらアナウンスした タタンタタン タタンタタン タタンタン 歌いながら トンネルから出てくる兎 後ろから 無言の少女 無表情 タタンタタン タタンタタン タタンタン あの時、たしかに私は汽車に乗った おぼろげながら行先は決めていた でも、たしかな行先など決めていなかった 此処はいったい何処なんだろう じゃがりこのフタを開けると北極圏があふれた 私はもう高校生ではないのかもしれない 苺の飴と木星の相似値が均衡している今はまだ 汽車は薄荷の匂い、靴ずれが痛いな かぼそく掠れる気流の呼び声は 無音に過ぎ去る景色の代弁者 起点も終点もなく流れること自体が存在の核 汽車はほどなく揮発して抽象だけが走りゆく ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 田中恭平 newさん、羽田恭さん、鯖詰缶太郎さん、A・O・Iさん、エイクピアさん、もじゃおさん、yamabitoさん、トビラさん、連詩へのご参加ありがとうございました。 尚、次回の連詩のテーマに何かご希望がございましたら、その旨コメントください。 宜しくお願い致します。
連詩:旅路 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 569.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-10-01
コメント日時 2023-10-02
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
靴ずれは、たしかに痛い。
0コメントをありがとうございます。 靴ずれしないよう気をつけます。
0参加させていただきありがとうございました^ ^ どこまででも広がっていきそうなテーマでしたね!
1コメントをありがとうございます。 今回も参加された方々の様々な個性が出でいて面白かったです。 連詩へのご参加ありがとうございました。
0ありがとうございます。 トビラさん?の、締めの連が好みですね。GOODJOB。
1コメントをありがとうございます。 済みません、最終連は私が書きました。 連詩では1連目と最終連を私が書くことにしています。 説明不足で済みませんでした。 お褒めいただきありがとうございました。
1おー。tasakiさん、ナイスです!ありがとうございます。
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