物事は寂寞の中で、生きている。理性の咎めを受け取る静かな、美術とも言える、ふしだらな生で有る。以て、僕は合理を尊び、此の生命を愛する。
水声が囁いている景色を、僕自身との調和の先を観ている、正邪を見詰める此の時を創り出す、物事のすれ違う事は皆、芸術で有ると、水面を吹き去って告げる。
僕は過去で呼吸をする。己の姿を観る朝は来ないから、水底で思案する。婦女子は皆、僕を可哀そうな男と言っている。僕は過去で呼吸をする。涙を零しても、惚れている、そんな姿。
水面は揺らいでいる。単色画の中で風に戦いでいる、惜春は白さに溶けて散る。流露と成る、僕の何もかもは、心の隙の内を零れている、命の色どりを掬えぬ僕。
水屑となり沈んでいる、意思の上澄みは随分と、曖昧な自然と言える。陽に揺らいで神秘的で有る、道徳は僕を生かしている、最後の白色で有る。
作品データ
コメント数 : 9
P V 数 : 893.7
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-09-06
コメント日時 2023-09-16
#現代詩
#縦書き
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2024/11/21 23時12分57秒現在
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三島由紀夫の金閣寺に通じる青春性を感じます。 この作品の作中主体の方が断然、潔癖なんですけれど。 一連目、初読、作中主体が「きれい」過ぎないかと思ったのですけれど 通読してしてもう一度読むと「ふしだらな」の語が生々しい。
0詩で絵を描いているのであろうかと思いました。しかし道徳を白色とか、何か具象ではなくて抽象みたいな面持ちもあるようです。
0こんにちは。 孤独を想わせるような寂しげな詩ですね。 「寂寞」「惜春」「流露」といった言葉が使われていて、敢えて全体的にやや古風な表現をとっている印象を受けました。 「物事は寂寞の中で、生きている」 この冒頭の詩句でこの詩全体の世界観を表していますね。そして、 「物事のすれ違う事は皆、芸術で有る」 というところで、寂寞の中に美しさを見出しているようです。 「僕は過去で呼吸をする」 「惜春は白さに溶けて散る」 語り手は過去を頼りに生きているように感じます。それ故「可哀想な男」と言われてしまうのでしょうか。 「命の色どりを掬えぬ僕」 「水屑となり沈んでいる」 生きることの光彩を失った自分を否定的に見つめながらも、なおそんな自分を生かしているのは道徳である、そんなふうにも読み取れました。 全体的に非常に暗い内容なのに、重苦しさを感じさせない、表現の巧みさを感じました。
0どこがいいと批評する力はないのですが、好きなので何度も読ませていただきました。 絵画に例えるとどんな作品になるのだろうと考えていたのですが、モランディの静物画が頭に浮かびました。 作者の世界観はもう少し明度が高い絵であるかもしれませんが。
0コメントありがとうございます。この詩の中の僕は確かに、潔癖です。笑 だらしない毎日を送っているので、こういう事を不意に考えてしまいます。返信が遅かったのも、えろ動画漁りに夢中になってたからです。すいません。笑
1コメントありがとう。その通りかもしれない。僕の中では、道徳や正義なんて、抽象的なもんですからね。具象画には出来なかった。
0コメントありがとう。僕は近代の著作物を好んで読んでいる、影響を受けているので、古風な表現というのは、的を得ていると思います。埃を被ってたり、カビが生えた様な言葉を、叩き起こして、磨こうとしてみたり。笑 筆者の表現したかった事は、氏の感想の通り。概ね間違いございません。
0コメントありがとうございます。そうですね。そうかもしれない。正直、読み手の事は、あまり気に掛けてなかった。笑 ご意見参考になります。ありがとう。
0コメントありがとうございます。僕はモランディ氏の事を知らなかったので、少し調べてみました。何か凄く簡素な絵が出て来たので、なるほどなと思いました。筆者、最近は侘び寂を好む為、目指す方向性は近いのかも。偉大な画家と比べて、こんな事を書くのは、とても、おこがましいですが。笑
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