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連詩:交感
耕したまま何も植えられていない畑の土に カラスの嘴がひとつ突き刺さっていて 「俺のことは放っておいてくれ」と 嘲る白い太陽の下で茫茫と呟いている スケアクロウは歌いながら踊っている 白い太陽の下 ここが天国だと勘違いしているようだ カラスの嘴につまづき 転倒する 孑孑、孑孑、孑孑、孑孑 漂っている妄、刺してくる陽 丁、丁、丁、丁、と調子を上げて立ちあがり 読めるものならば なんだって読んだ 呼んだ?、読んだ 四だって、なんだって カラスの古老の蔵書も臓腑も 畑の土を嘴からこぼしても 腹を空かした 朽縄 潰れては 骨も露わな 槌の子 脹らませ 融かした刺青 白い着物に。より、懸かる 眩暈が降る 真蛭の凡例 のち祝福を 風が吹いて 雨が降って 秋になって 畑には たくさんの カラスが 突き刺さっている 太陽の子が 収穫しようとするが 黒い畑に 踏み入ることはできない では呼ぼう 黒い畑へ 大声で 灼熱で 焼けた黒い子よ 何を願い 望み祈りて 突き刺さる 「友よ友よ」と スケアクロウ 畑の同胞へ むんずと つかんで 引き抜いて そしたら それは 飛んでった ギューン!だの キラーン!だの 自分で言いながら 消えてった 俺は大地の砂風呂を楽しんでいるのさ 太陽さんよ、おまえが暑いほどに強い俺が証明できる すると太陽が言った 俺は神かもしれないね、いいや、一人の兵かもしれぬ、はたまた多国籍企業か、 君の愛人か、蟻か、一粒の砂か どうする? 土の匂いは、やや少し野生の硬さを孕んで 黄色く変色した鼈甲のような嘴を受け入れると、 すぐさま黒い羽根を散らした過敏な嗅覚を崩して 押し黙る陽の光りを緩りと嘲る穴に埋めた 黒い翼の暗闇へと嘲る薄白い太陽を陥れても 豪雨に削られる耕土と共に流されてゆく嘴 ゴボゴボと溺れかけながらも喚き散らす 「バイバイ!前衛に成り損ねたこの陳腐な世界」 ―――――――――――――――――――― 鯖詰缶太郎さん、田中恭平さん、トビラさん、A・O・Iさん、シノハラマサユキさん、羽田恭さん、 もじゃおさん、湖湖さん、atsuchan69さん、連詩へのご参加ありがとうございました。
連詩:交感 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 802.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-09-01
コメント日時 2023-09-02
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
待ってました!文体のバトンリレーのようでおもしろかったです! 四行ごとに視点が変わって話者が登場して交代していく舞台のようなイメージも湧きました。
0コメントをありがとうございます。 「待ってました!」と仰っていただき嬉しく思います。 「文体のバトンリレーのよう」 「舞台のようなイメージ」 そのような見方もあるのですね。 勉強になります。 ご感想ありがとうございました。
1参加させていただきありがとうございました^ ^ 20日を過ぎると、そろそろ始まるかな?とそわそわしますね(笑) 参加者がグッと増えて詩人のカタログの様相。この連詩を見て、気になった文体の方の作品を読みにいくという使われ方も今後あるのかなぁ、既にされているのかなぁ、と思いました。 今回は入りどころ間違えたかな、と思っていたので最終行で拾っていただいて救われました^ ^
0超大作という赴き。映画だと今村昌平の「神々の深き欲望」の近親相関や暴力といった土着のタブーからケガレそのものをみごと神話的世界へと収束させるまでのストーリーのような、まさに力業による逞しく豪快なタッチを感じました。
0コメントをありがとうございます。 「20日を過ぎると、そろそろ始まるかな?とそわそわしますね(笑) 」と仰っていただき、たいへん嬉しく思います。 参加される方が増えると、入りどころを定めるのが難しくなりそうですね。 でもそれも意外性があって面白いかななどと、勝手なことを思っております。 ちなみに次回はどのようなテーマがいいでしょうか? 自分一人だけで決めるより、何名かの方からのご意見をお聞きしてから決めたほうがいいような気がしてきました。 今後とも宜しくお願い致します。
0コメントをありがとうございます。 「超大作という赴き。」 「まさに力業による逞しく豪快なタッチを感じました。」 お褒めのお言葉、ありがとうございます。 参加された皆様のおかげです。 次回はどのようなテーマがいいでしょうか? 何名かの方からのご意見をお聞きしてからテーマを決めようかなと思います。 今後とも宜しくお願い致します。
0こんにちは。 その、三連目に参加させていただきましたが ちょっと冒険し過ぎて、次の方にその回収に迷惑をかけてしまった、と思い 反省しております。 その、結局、この作中主体はどこかへは行けなかったわけですよね。 ですから、次作は何か旅もの、などはいかがでしょうか。 山とか、川、海、森。 宜しくお願い致します。
0コメントをありがとうございます。 4連目の方がどのように思われたか聞いてはいないのですが、私個人としては、連詩では多少冒険されたほうが思わぬ展開が観られて面白いのではないかと思っています。 次回のテーマとして何か旅もの、いいですね。 山、川、海、森、とても詩情をそそります。 他の方のご意見もお聞きして、決めたいと思います。 ご提案ありがとうございました。
1うまく連結出来てると思う。
0コメントをありがとうございます。 うまく連結できたのは参加された皆さんのおかげです。
0連詩や返詩は、すでにあるものにノッていく楽しみがあると思っていますので、テーマの希望がありません。 皆さんにおまかせします^ ^
0次回のテーマの件、了解致しました。 ご返信ありがとうございました。
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