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なまこ
少し沖合の 小魚が沢山住む岩場 水は岩に近づくと 手綱を引かれたように背中を反らせて 立ち上がり ひいた潮と砂利を飲み込んで ぐるぐると威嚇し 私の足に飛びかかる 私は足で水をあやし、なだめながら なまこにかまっている 波が被さっては引いていく露頭の溝に なまこがいる 私はふと足元の巻き貝を なまこの頭に被せてみた 巻き貝から4、5本の黒く細い脚が出てきた 脚の先は黄色い斑点で 思いの外気持ちが悪かった 巻き貝はとんでもない速さで なまこから逃げ出した 巻き貝が なまこの頭から降りて様子を見る なまこが 頭の前に降りてきた巻き貝を見る 巻き貝が 横に逃げる なまこが 頭を左に伸ばす 波が来る なまこが 巻き貝に 覆い被さる 波がひく もっと強い波が来る なまこの上半身が岩から剥ぎ取られる なまこが水になびく なまこの腹と ぴろぴろの ひげのようなものが 環状に敷き詰まった口 が水に浮かぶ 巻き貝が、いない
なまこ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 939.2
お気に入り数: 2
投票数 : 5
ポイント数 : 0
作成日時 2023-08-01
コメント日時 2023-08-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
息を詰めて成り行きを見守りました。なまこと巻き貝、かわいい!波もいい!充実した読詩の時間を過ごさせてもらいました。
1絵本の読み聞かせのようなタッチで書いてみました。 詩を読む時間を楽しんでくださったというコメントは初めてで、とても嬉しく思います。
0はじめまして。 作者の心情が中盤の「思いの外気持ちが悪かった」以外には表されおらず、磯の情景が淡々と書かれていますが、2連目の表現が巧みだと感じました。 ナマコは一般的に微細な有機物を食べているそうなのですが、この詩の末尾では巻き貝があたかも食べられたかのようにいなくなっています。 そこに何か不穏なものを感じました。 普段は何の害もないものと思っていたものが突如として牙をむく。 あるいは、普段は安全だと思っていたのに、抗い難い強大な力で突如として危険な状況に我が身を持って行かれてしまう。 そういったことを暗示しているような印象を受けました。
1おはようございます。 夏なのでね、海の岩場というのはモチーフとして季節感があって好ましいです。 まあ情景をポツリポツリと書きとめていってらっしゃるけれど なまこ とか 巻き貝 そしてそれらを書きとめたものに どれだけ「わたくし」「私性」が含まれているのかな、といった視点で読むと それは絶妙に「薄くて」、あっ、巧いのかな、と思いました。 >巻き貝から4、5本の黒く細い脚が出てきた >脚の先は黄色い斑点で >思いの外気持ちが悪かった このブリッジですね、思いの他気持ちが悪かった、以外に この作品って、話者の心情吐露が出ていることはほぼなくて でも、この景色の観察丸ごとが、景色の描写でありつつ 話者の心情であるような。 なにからはじまるか、わからないですけれど、自分でいえば昔のことで、、、 一周回って「巧いのかな」と思いました。 ありがとうございました。 15歳っ?
1はじめまして。 丁寧に読んでくださりありがとうございます。 感情をあまり表現しなかったのは、率直に言うと上手く表現できなかったからです。感情自体を詩に写し取ることが出来なかったので、出来事を語って聞かせて、同じ感情が読み手の心に浮かぶように誘導しようと試みました。 感じてくださった「何か不穏なもの」というのは、確かめようがないですが、私の持った感情と近ければ良いな、と思います。
0こんにちは。 巧いかどうかは何周かしたらよく分からなくなりそうですね笑 景色の観察丸ごとが話者の心情であるというのは、私としては少し違う意図で書きました。 詩として私の感情を他者に伝達することを目的にしているのですが、感情自体を描かず、その感情が起こるようなストーリーを描いて読者に同じ気持ちを起こさせられたら、という考えです。 「15歳」について、ややこしいですが… 14歳の時に、15歳という響への憧れと、中学生では軽んじられるだろうという気持ちで15歳という名前にしました。ところが現在16歳になってしまいました。
1失礼に当たるけれど、にゃるほどね。 詩ってさ、刺激的な表現方法なんだけどさ、その、本当は全然、地味目じゃないんですよ。 それで、刺激的なもんって強烈なマニア?を生むから、ほら、16歳でも 刺激的なお酒、飲んだことないと思うけれど、お酒はハマる方多いでしょう。凝るっていうか。 それで、ほんと、多種多様な表現方法を生んでいったので 僕は少しずつ、階段を下りるように、一個一個、試していった感じですね。 そうすると螺旋階段なんですけれど、何周もしている内に本当に巧いがわからなくなります。 ですが、野心があって、僕の詩が自分でもよくわからないなりにも 人が面白いと思ってくれたらいい、と願ってやみません。 にゃるほどね(2) 感情自体は書かない、その感情が起こるようなストーリー。 音楽。メロディーとかコード、和音進行みたいな感じですね。 ある種小説的といっていいし、そういう自分でルールみたいなものを念頭に 書くって16歳のとき、僕していたかな? ・・・忘れた。 又、おっさんですが、絡んでやってください。ありがとう。
1なんか読みかえしたけれど にゃるほどね、とか、詩ってさ、とか、絡んでやってください とか私の対応がね 非常に、不味いんじゃないか?と思えて。 そうじゃないじゃん、もっと純粋な世界でしょう、と今 シャワーを浴びながら、非常に反省したわけです。 といっても私も36だし、20違うわけでしょう。 だから、私も非常に困っているという風に言えます。 しかし、こういった純粋世界! 賞なんかもとれそうでさ、これからどうするのとか思いますね。 まあ、どしどし書いて盛り上がっていきたいですね。
1ちょっとたまらない。 もうどうにでもしてって感じ。 なまこ 巻き貝 なまこ 巻き貝 最後「いない」まで出て来ちゃった。 本命だねこれ。 くーやっぱりたまらない。
1ごめんなさい。本命ってそういう意味じゃなくて、なまこは最後「いない」と結婚したんだなーと、そう思って。
1摩訶不思議な印象をこの詩から受けました。最初の水との闘争。火水の争いがふと思い浮かびましたが、この詩では関係がないのかもしれません。そしてなまこが出て来るのですが、巻貝をかぶせたことから発生した、なまこと巻貝のすったもんだ。最後に巻貝が居なくなっている。「波」も重要な意味を持っているような気がするし、「私」が仕掛けた事とは言え、なまこの「勝利」でいいのだろうかと思いました。なまこもへろへろなようですが。(と言うかなまこは死んで、巻貝は行方不明?)。
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