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星月夜の朝
昨晩は星月夜。 残った一切れの麦パン、牛乳をお供に絵を描いた。 目は毎晩ロウソクの火を映すからか酷く鈍い。 しかし、それは次第に今現在が夢であると思えるようになる。 星明かりが海流を見せ始めた。 うねり、入り乱れるそれは海だ。 この奇妙な光景に私は静かに、おそらくいつも通りに筆をとっていた。 なぜなら夢だからだ。夢中にいるならば些かの奇天烈も幻と思いパニックにはならない。 しかし、風邪をひいたのか熱っぽくはあったので、私の筆も自ずと揺れ動く。 それは錯覚としてあの星月夜が私の腕を鷲掴みにしているようだった。 抗うか抗わないか。そうこう悩む内に夜はすっかり明けて白む空に。 見晴るかすべき天が戻っている。 だけど私は知っている。そしてこの目にまだうっすらと、あの星月夜がこの空に掛かっている。 この空と呼べるものは実は海なのだと。 空などなく天もなく、上下には海があるのだ。 二階から一階へ。 素朴な土とまばらな草の生えた地へと足を運んだ。 絵にはまだ名前を入れていない。 朝八時、宿屋の朝食の匂いがする。 私は海に背を向け、宿屋へと戻った。
星月夜の朝 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 645.7
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-07-03
コメント日時 2023-07-12
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
全体的にしらける感じがしました 星明かりが海流を見せ始めた。 うねり、入り乱れるそれは海だ。 海流と書いてるのにうねりっているのだろうか?入り乱れるもいりますか?しまいには海だと書いてます。海流っていりますか?そんな感じで全体的にしらけたのかもしれないです。丁寧に書こうとしているのはいいなとは思いました。
1言うまでもなく、ゴッホの「星月夜」を題材に記述されていらっしゃることには論を俟ちませんが。 海原と捉えになられたのですね。 私は、あれはゴッホの内面に燃え滾る激情の炎であると、感じて居ります。 捉え方は千差万別。されど、人に拠ってここまで見えるものが違うのか、と感じ入りました次第でございます。 そう、ゴッホの空って。うねり、渦巻いているんですよね。 着眼点が良いと。
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