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罪と白昼夢
近代の申し子である 建築と原水爆 この近代的なビルディングの上から 人々を見下ろし 一人一人の行き交う人たちの中に 僕は罪を認める 力と快楽の源泉であり 神への裏切りの証である 罪を発見する 僕は自分を錯覚する 神も錯覚するのであろうか 建築の高さは 僕を空の上にある 神の国に近づけ 僕は罪を認める者になる 八月の太陽は かりそめの視座をいる僕を 熱と光で嘲笑う ここは南国のビーチではない 神の玉座に僕はいない 遥か彼方 熱によって歪んだあたりに 僕たちを支配する侵略者の基地がある 罪は人々を殺すであろうか 魂に罪の苦しみは宿れど 罪そのものは 肉体を抹殺する権能は与えられていない 戦争と暴力は歴史の反復 支配される者と支配する者の関係性の反復 人々の中の苦しみ そして原水爆の罪 人間によって作られた あれらにも罪はあるのだろうか 飛び立つ金属 金属は罪を宿さない 世界にはconspiracy 凶鳥は微笑む 罪のもたらした原水爆を腹に抱えて 真夏の白昼夢 人々は真昼にも夢を見る 僕は現実感を失ってしまう 現実が自分で作り上げたか あるいは仕組まれた物語であるかのようで 夜 人々は 優しい冷ややかさと共にいる 昼のもたらした罪は 冷静な夜のひと時に ふと脳裏の片隅に現実感をもたらす 夜の想像力は現実? あるいは現実からの逃避? 凶鳥も巣に帰ったであろうか 僕は神から許された一杯の美酒を口にする あるいは寝る前の夜の短いひとときに 一編の罪の迷いを書けるだろうか 罪を握りしめた人間の 神へのささやかな反抗を 悪ふざけではない詩の形で
罪と白昼夢 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 572.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-07-01
コメント日時 2023-07-03
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
こんにちは。 罪の象徴として原水爆と共に建築が挙げられたのは、少々意外な感じがしました。 でも、高い建築物はその時代の権威の象徴であるという話を聞いたことを思い出し、どちらも人間の支配欲の表れなのだろうとも思いました。 また、全米ライフル協会が銃規制の論議に対して「銃が人を殺すのではない、人が人を殺すのだ」と反論していたことも思い出しました。 人が人を殺すという罪を犯すとき、世界に対する歪んだ認識、あるいは偏った認識がそこにあるのだとしたら、その認識はある意味白昼夢のようなものなのかもしれません。(例えば陰謀論のような・・・) 認知バイアスは誰にでも起こり得ることだそうです。それを考えれば人間一人一人誰もが白昼夢と罪の種子を持っている、という見方もできるのでしょう。
1建築は天の上、つまり神の国に、生きたまま近づこうとする人間の欲深さがあるのではないかと思います。バベルの塔のような。 白昼夢は原爆を意識しました。そして、原爆は罪です。 的確なご批評、ありがとうございました。
0なんだろう、これは作者の方ではなく作品へのコメントなんですが、この主人公は高校生だと思う。で、私がもしこの作品の中で彼に出会ったら、車出して霧箱とか見せに行っちゃったりするかなあ 「僕」の語りには何度も神と罪と原爆が登場して、そのイメージから引き寄せるようなちょっと強引な数々の比喩は、彼の自信のなさや将来への不安とともに、ナルシズムを描いてるような気がする。それってものすごく映画的だと思います。
0ありがとうございます。比喩がイメージを引き寄せるという感想がうれしかった。まあ、たしかにナルシズムかもしれません。
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