耳が聞こえなくても歌を
口ずさむのが好きだ
愛する人や自分の声さえ聞こえなくても
口ずさむのが好きだ
何も聞こえない耳の中に閉じこもって
歌を口ずさんでいた
何も聞こえない闇の中でもっと深く
身動きもできない程に暗く狭い場所で
もがいてあがいて深く潜って
ついにたった一人ぼっちになって
訳の分からない言葉を吟じてみせるが
誰からの反応もなくって
余計に寂しくなって
それでも一人で歌を
口ずさむのが好きだ
世間はとても冷たく白々しく
差別されてきたんだ
馬鹿にされてきたんだ
笑われてきたんだ
愛されてきたんだ
裏切られてきたんだ
傷まみれになって溺れて
誰の手も太陽の光も言葉の温もりも
何も届かない暗く狭い所で
歌を口ずさんでいる時
もっと深くもっと深く
これ以上は潜れない息ができない深淵へ
指が触れたその瞬間に
声が聞こえた
空の上から流れる自分の歌声が
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 619.5
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-06-05
コメント日時 2023-06-07
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 23時20分08秒現在
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こんにちは。 とても切ない詩ですね。 特に 「愛する人や自分の声さえ聞こえなくても」や、 「誰からの反応もなくって 余計に寂しくなって」 というところでは、胸が痛くなる思いがしました。 でも末尾の 「声が聞こえた 空の上から流れる自分の歌声が」 というところで、微かな希望の光が射してきたのかなと、そんな印象を受けました。 ビーレビューの詩を読んで感じたことのひとつに、何かしら心の中に苦しみを抱えている人が多い、ということがあります。 ですから、他の他人の詩の中に込められているそんな苦悩を読み込んでみてはどうでしょうか。 僅かでも孤独感が和らぐかもしれません。 余計なお節介かもしれませんが・・・
1耳が聞こえないのであれば、差別や馬鹿にされることはなかなか気づきにくいように私は思うのですが、ものすごくはっきりと差別されたり馬鹿にされたということでしょうか。
0ありがとうございます。
0ありがとうございます。
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