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不満を募らせる柏餅
地に押し付けられた 枯れた葉たちの 怨嗟の声も聞こえずに 湿った空気を呑み込む 柏餅たちは 生まれたときの熱を すべて失い 不満を募らせる 縁起がいいからと バイ菌を防げるからと じめじめした柏の葉などで 包まれたくはなかった どこにでもあるような 甘い甘いあんこを ぐちゃぐちゃと 腹のなかに 詰め込まれたくはなかった 独り柏餅は 不機嫌につぶやく ・・・・ おまえのツラに あんこを吐いたろか ・・・・ まとわりついて 離れない柏の葉に すっかり さめきってしまった柏餅の 不満は募るばかり でも葉っぱを へばりつかせているのは 湿った空気を呑み込む 己の粘着性だということに 気づいていない そんな柏餅を 地に押し付けられた 枯れた葉たちが 嘲笑っていた
不満を募らせる柏餅 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 717.7
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-05-20
コメント日時 2023-05-21
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
いいイメージしかない柏餅が毒付いているユーモアと、読み返すたびに自分の背筋が伸びているか確かめたくなる不穏な感じが良かったです。 2連では「柏餅たち」と複数形だったのですが、全体通して1人の柏餅をイメージしてしまいました。 なんにせよ、柏餅は美味しくいただくのが1番だと思います。
0コメントをありがとうございます。 この詩にユーモアを感じていただいて嬉しく思います。 柏餅が2連目だけ複数形になっていて、統一性が欠けているのは、明らかに推敲不足でした。お恥ずかしい限りです。 ご指摘ありがとうございました。 尚、こんな詩を書きましたが柏餅は大好物です。
0コメントをありがとうございます。 なるほど。言われてみればイソップ童話に似ていなくもないですね。 この詩に込めたメッセージを正確かつ深く掘り下げて捉えていただいています。 「自分が産まれてきた理由もわからずに、どんな境遇になっても不満を持ち続ける」 「俺たちは人に踏まれてこんなにも辛いのに、選ばれたエリートの葉に包まれ、それでも不満を持ち続ける柏餅を馬鹿にしてる」 これ以上の解説は必要ないでしょう。 たいへん深く読み込んでいただき、今後の詩作の励みになります。 ありがとうございました。
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