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ドライフラワー
干し柿の友より 凸凹の固い図面に筆を奔らせツリーに吊す 風に靡き 善人ならばそれを弾よけにしてもよい 糸杉の隙間からキラキラと皮が陽を浴びて 匂いにつられて大空の鷲がやってくる 烏賊は地中海を渡り砂漠を越えてやって来た 断食の夜の灯火よ 埋もれる渇いた呪文よ 祭壇を飾るふた月の花々に 処分を忘れた母の入れ歯が棚に眠る。
ドライフラワー ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 885.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-12-12
コメント日時 2017-12-25
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
投稿有難う御座います。アラメルモさんの作品の『瑪瑙』でも感じましたが、神秘的なものを今作でも感じました。また、そこには形而上なことのみを語っておらず、「日常生活」が作品に必ず出てきます。それがいつも私は好きなところでして。ただ、今回は前半部が少し難解度が高いような気がしました。 断食の夜の灯火よ 埋もれる渇いた呪文よ この箇所が砂漠地域のイスラム圏的なものが感じられて気に入ったフレーズでした。
0三浦さん、早々とコメントありがとうございます。 よほど気合いも入らないかぎり、だらだらと言葉を綴りたくはない。そのような心境です。なので、あなたが投稿されている「赤い川」。あのような技術だけでは書き表せない豊かな詩情を含んだ作品に当たると嫉妬してしまう。本当に羨ましく思います。 いまは、いかにインパクト感のある言葉を自然に紡ぎだせることができるか。そのことを一番の課題に置いて創作を心掛けています。突然にもふうっと思い浮かべることがある。そのようなものでない詩は必要でもない。このことだけは肝に命じておきたい。なかなか簡単ではありませんね。お互い頑張りましょう。
0おっと言い忘れた。 三浦さんの思ワレル通りです。端的に言えばエルサレムと親子の絆とスルメイカです。
0>祭壇を飾るふた月の花々に >処分を忘れた母の入れ歯が棚に眠る。 全般的にピンときていないし、コメントを読む限りだと、僕は干し柿のイメージ以外多分掴み切れてないのかなと思うんですが、最終二行えげつないですね。内容なりイメージなりは分からないのですが、最後にぶっこまれた母の入れ歯が棚に眠っているイメージのインパクトは凄かった。
0竹馬の友、ではなく、干し柿の友。ふむ・・・ 新鮮な言葉なのに、なぜか懐かしいのは、あの朱赤の色が黒ずんでくる時間感覚、軒先に吊るされた景の懐かしさのゆえかもしれません。 〈善人ならばそれを弾よけにしてもよい〉弾よけ、とは、また不穏な・・・。善人ならば、と前置きがあるところがまた。罪なき者が、石を投げよ、という一節を思い出しました。弾よけ、ならぬ、石よけ。 糸杉、ここで急にヨーロッパにイメージが飛ぶのですが・・・ゴッホの糸杉のイメージが重なりました。なぜでしょう。死のイメージが、全体を支配しているから、でしょうか。(そもそも、題名のドライフラワーからして。) 〈烏賊は地中海を渡り砂漠を越えてやって来た〉国際的、というよりも、モロッコ産のタコのたこ焼きとか、オマーン産のインゲンといったスーパーマーケットの品ぞろえを連想。ドライフラワー、干し柿の流れで、スルメイカ(あたりめ)を思いました。炙っていただく、酒のつまみ。 最後の二行の鮮烈。語り手は、仏壇(二か月も前の仏花が、既にドライフラワーのようになっている、かなり荒んだイメージの仏壇)の前で、ひとり、酒を酌み交わしている。スルメを炙って、齧りながら・・・そんな景を思いました。 冒頭の「友」と、ツリーのイメージが取り残されたままになっていて・・・友のことを思いながら、ツリー(にみたてた、なにか)に、ひとりのクリスマスの飾りを飾っている、そんな光景でしょうか・・・。でこぼこの固い図面、これは、なんだろう・・・それが、ひらひら、揺れているイメージ。
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