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頭痛の種、あるいは羨望
現代詩なんてやつとは、どうにも仲良くやれない気がする。 なんでかって、読んでいて楽しくないからだ。 言葉の羅列・わかりにくい法則(そもそもあるのかそんなもの?) 数式なんてものもさして好きにはなれはしないが、詩なんてものと比べたら、よっぽど行儀が良いことだ。 むき出しの言葉、奔放な並び、釣り合えない意味、辞書を引いても出てくるのは単語の意味だけで、「ことば」の意味を教えてはくれない。 そうであるから、ぐるぐる目を回しながら、溢れる詩句に目を凝らし、無意味にさえ見えてくる文字の並びを睨みつける。 詩句、詩句、詩句、詩句、泣きたいのはこっちなのだ。少しは愛想笑いくらいしておくれ。 だというのに、意味深な単語と接続詞からなる暗号は、じいっとこっちを見るだけで、何を喋りもしないまま。 人差し指の爪を軽く立ててつついてやりたいくらいだが、生憎あちらは紙上にとりすますだけ。無意味な行為は疲れるだけだ、だから今日も爪は辞書の上を滑る。 それでも辞書を捲る羽目になるのは、何考えてるのかわからない、何言いたいかもわからない、そんなやつらが時折見せる、「ぎらッ」としたあの眼の光。 自分の中には存在しない、きっと存在したら明日には内側から大爆発を起こすであろう、「ぎらッ」としたその何か。 ああ、異物。たぶんそれ。その姿を見たいのだ。 だからきっと、永遠に、お前とは仲良くやれないだろう。
頭痛の種、あるいは羨望 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 868.1
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-03-01
コメント日時 2023-03-07
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
現代に書いているから現代詩? 私も「現代詩」とやらを書いているのですが、現代詩って読んでも楽しくないですよね。 墨野みどりさんのご意見に同感です。 小説は一般人も読みますが、詩は好き者しか読みませんね。 詩は敷居が低く誰もが書いてしまいますが、それが却って玉が石の海に埋もれてしまう結果となり、ますます一般読者を遠ざけてしまっている気がします。 まあ、詩のみならず文学作品は、昔みたいに紙に手書きするのが本来の姿なんでしょうね。 今更、無理ではありますし、私もパソコンで詩を書いていますから(笑)。
0「詩句、詩句、詩句、詩句、泣きたいのはこっちなのだ。少しは愛想笑いくらいしておくれ。」 この行がユーモラスだと思いました。全般的に現代詩との対決と言うほどではないのかもしれませんが、対峙して居る、現代詩と。批評的な意識が現代詩を書かせるのかもしれませんが、既にある現代詩群みたいな状況に何か一言言っておきたいと言う事なのかもしれません。
0色々含みがあっていいと思います笑。 敢えて言うならタイトルにもう少し迫力が欲しいなあと思いました。
0こんにちは。 現代詩は本当に難しいですね。 読んでいても意味がさっぱり解らないものが、沢山あります。 この詩はその本音のところを、見事に表していると思います。 でも現代詩が本当に嫌いだったら、このような詩を書くこともないでしょう タイトルに「羨望」という言葉が入ってることを見ても、仲良くやれないと言いながらも本当は、現代詩が好きなのですね。 その理由が「ぎらッ」とした何かなのでしょう。 現代詩は語意よりも語感に重きを置いて読むものだ、という話を聞いたことがあります。 ですから私も語感により注意して読もうとしましたが、それでもやはり、現代詩はなかなか難しいです。
0自分が「現代詩」と聞くと少し緊張してしまう理由が具体的にわかりやすく書いてあり、とてもすっきりしました。
0仲良くやれないながらも、やっぱり会いにいってしまうジレンマみたいなものがよく表されているなと思いました。あくまで私の好みですが、「仲良くやれない」と冒頭で述べたことが最後にも繰り返されますが、少し表現に変化が欲しかったです。
0固いかな。 あ、そうそう。なんだろう、むかしニコニコ動画っていうサイトがあってそこでよくニコ生っていう一般人の生放送配信を観てたんだけど、ドラムやってる人が好きでよく見てたんですよね。で、そのドラムの人が地上で一番うまいと思ってたんだけど、音楽やってる友達に見せたら「結構うまい。でも固いね」って言われたんですよ。 固い……?? って私は思っちゃって、なんだろう、でもなんとなくわかるような気がしたのをよく覚えてる。ドラムってのはバンバンシャリシャリやるくらいだからフルパワーで叩くものだと思ってたんだけど、関節の動きとか、なんかこう、もろもろが柔らかくなると、それはものすごく上達したことを意味するという。 そういう意味で、この作品にはまだ固さ残ってると思う。なんだろう、これを書いた人はおそらく真面目な人だから、文章の中で書かれる言葉の意味に注目しすぎたんじゃないかな。 たとえば、世の中には話が上手い人ってのはたまーにいるわけなんだけど、彼らにはみんな共通点があるの。それはねー、一つの話をしていながら、いろんな話題を展開するということ。わかりやすいメインテーマのもとで、色んな話をするんだよね。で、それぞれの話題の、一番気持ちいい瞬間だけを次々乗り換えていく。こうすることで、話し手が自分のしたい話をするだけじゃなく、それが同時に聞き手を飽きさせないようにもなる。だからお互い楽しいから、話が盛り上がる。それっていうのはポップ・カルチャーのことだし、わかりやすくいうとハリウッド映画だと思うんだよね。 なんだろう、この作品を書いた人は結構うまいと思うから、来月にはビーレビ大賞とるんじゃないかな。 あ、そうそう、最後に、現代詩って私は芦野夕狩の作品がめっちゃ好きなので、こちらおすすめです↓ https://nanimonaitokoro.com/?p=595
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