慶弔 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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慶弔    

臙脂のばかでかい垂れ幕の、そら 煙幕に垂らして、それはもう随分前からずっと、したしたと鳴らして。帯びているのだと思った。伽藍堂では陽と月は宙には上がらず、私のまわりには輪郭ばかりが 塗りつぶされ等しく吃って。土踏まずからスウミリ 浮いた分 お喋りでうんとおしゃまな姿絵を無心したのですから 花火はどうやらうんとはやく 散らしたようだった。起き出したのが遅かったゆえ仕方ないのだが。ノウサギが数匹 路面をはしりぬけるような風があって、悪くないよと考え、ひひと凌いだ。それでもう一眠り。多分季節を廻らせて カノジョとふたり 河川敷で夜桜だよ。水鏡には粋狂なものを見たかのような己が共鳴りにある、 『慶弔』 煤けた黒真珠の眼球がこちらを見ている。肋の浮いたヒトガタの中心から天地の様子まで あらゆるものが刳れたあと。旧式のマグマは ガタがきていたがそのほてりは保たれ ぬるい繭のような人肌を造りあげていたのだと、(彼は云う。)鈍重の刻と共に砂礫に還るよう屍毒を吸い上げる、成熟の祀りに これは排泄物は雅な精気とじゃれ合い逢瀬を八重に咲かす、年輪を刻み風雪に耐えて、襤褸を出す。まったく不快感が逆流し汚物を撒き散らすようだ。その走馬灯は喀血と糞からできているのだろうよ。なあ、芯に火がつくと感情が溶け出したあとに残った私は何だ。今、シャボン玉はくるくると色を変え魅了して已まないものだったか 風が埃が土煙が砂塵が、なにごともなかった。若葉が揺れ、日も月もやわらかだった。大雨が降ったあとに、流れが干上がって、道ができていた。そこに行列をなして、征く逝く。とぼとぼと、大股で、跳ねるように。風が埃が土煙が砂塵が、かき消さんとするばかりに。草花が燃える、日も月もしじま そのものだった



慶弔 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 9
P V 数 : 1268.3
お気に入り数: 0
投票数   : 4
ポイント数 : 0

作成日時 2023-01-01
コメント日時 2023-01-07
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
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音韻00
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閲覧指数:1268.3
2025/04/10 10時34分45秒現在
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    作品に書かれた推薦文

慶弔 コメントセクション

コメント数(9)
よんじゅう
よんじゅう
作品へ
(2023-01-01)

ぼくもいつか書くよ。弔辞ってタイトルで。書けたらいいな。あんなことにもこんなことにも背を向けたままだけどね。読みました。

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A・O・I
よんじゅうさんへ
(2023-01-01)

ボクも読むよ、よんじゅうさんの弔辞ってやつをまっすぐに書いて、/読んで/見るよ、それでいいよ花丸だよ百点だよ!(コメントありがとうございました!!)

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田中宏輔
田中宏輔
作品へ
(2023-01-01)

そんなじきがありました。

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A・O・I
田中宏輔さんへ
(2023-01-02)

なにか思い出すきっかけになれば、幸いです。コメントありがとうございます。

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鷹枕可
作品へ
(2023-01-03)

何でしょう。 近世日本的文脈を継承していらっしゃる様に感受し、稀有であると。よもや可読性を調整為された後でもございましょうか。 いかにせよ、良いものを拝読させて頂きました。

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A・O・I
鷹枕可さんへ
(2023-01-03)

良いと言っていただきありがとうございます。表し方書き方が自分で制御出来ないので、もうこれが自分だとひとつに決めるのはやめたのです。ですから気楽に好き勝手に出てくるままに書いてます。いつもどのタイプを出そうか迷いますけど。これは今一番力を抜いて書いているシリーズ(?)です。 こう書こうと思って気張ると何もろくにできないですし、逆に自分を出したり言いたいことを置いたり現実や現代を分かるように絡めるほうが難しいのですが。まあただ同じ詩という冠に置いているだけで詩はそれぞれですからね、わかろうとなさらないのなら、いちいち喧嘩したところで意味がない。ああ、そういう方もいるな、いろんな考えがあるなと、ビレビさんは兎角おもしろいなという次第、とても楽しんでおります。

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黒髪
作品へ
(2023-01-07)

とてもクリエイティブな作品だなぁと思いました。言葉を自在に操っていて、凄いと。

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A・O・I
黒髪さんへ
(2023-01-07)

自分は詩が好きだからとか救われたとか誰かの道標に成りたいとか理解されたいとか、そう行った形で詩を書いているわけでもないので、自分の納得のかたちだけを求めているのでこういう見かけになってしまったようです(*_*; が行き詰まってもいないですし、共感や同調の感動も求めてないので、特になにか特定の指針と成るべきものを探すこともありません。ただのツイ廃です。まあ今のところですから、これからもどうなるやら、「わからないな、」といった探究でしかない感じですケド。ですから自分勝手な我流でしかない今現在の私の詩に対して、くろかみさまのコメントは非常に有り難いお言葉です。お読みいただきありがとうございます!

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エイクピア
作品へ
(2023-02-10)

輪郭ばかりが塗りつぶされたり、横文字のスウミリやマグマ。屍の毒を吸い上げるのは。シャボン玉が魅了するものはと疑問が湧きこの詩を読んで行く中で、解決されないながら、大雨が降った後を夢想しました。

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投稿作品数: 2