ココアの底 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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ココアの底    

甘い唾が 舌の底から わいてくる 肌に似た 夜の風 足元を削る 水の上 落ちた枯葉のふちが 次第にやぶれて 泥の中に 埋もれるのを ただ見ている 光もなく 染めたうろこがこすれて さりさりと 鳴いている 弧を描く嘴が 炎を啄く 翼は帳の幕を引き 視線は果へ向かう 息が満ち満ちる 窓ひとつ 白いばかりの壁紙 閉じるのをやめたカーテン 瞳孔がちぢむ こずんだよるは まだ 出ていかない いつも いつまでも来る朝 頬にさす はばたきの影 くっきりと 焼き付く 夜の中で 泳いでいると 取り残された さみしさが 結晶になって 温度のない 透明な氷の中で ちいさく つぶやいた言葉は 誰も知らない



ココアの底 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 6
P V 数 : 979.5
お気に入り数: 1
投票数   : 2
ポイント数 : 0

作成日時 2022-11-03
コメント日時 2022-11-05
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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閲覧指数:979.5
2025/04/10 18時35分57秒現在
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    作品に書かれた推薦文

ココアの底 コメントセクション

コメント数(6)
yasu.na
作品へ
(2022-11-04)

 鋭敏な感性を持っている方なのだろうと推察されます。そして書かれた言葉たちは美しいと思いました。どのあたりが良いかと問われると、全体が良いと言うしかないのですが、あえて一つ摘出するなら、「いつも/いつまでも来る朝」というところの「いつも」と「いつまでも」でとらえられあらわされた「朝」の二種の無尽です。

1
つつみ
作品へ
(2022-11-04)

すっかり乾燥した落ち葉の絨毯の上を、できるだけ音を立てないように歩いている感覚で読みました。 寒くなってきたので、ココアに熱いお湯を注ぎ、飲む毎にきちんとスプーンで混ぜているのに、飲んでいる間にもどんどんココア成分が底にたまっていきます。 4連は、突然激しい炎の表現から始まり5,6連がとても眩しい中 >こずんだよるは >まだ >出ていかない コップの底で溶けきれなかったココアの表現と、朝なのに「よる」が残っているような表現が重なり、とても心地よく感じました。 7,8連のもの悲しさは、今年の冬の寒さを伝えるニュースにも似ていて、南国の私の町にも久しぶりに雪が降るそうなので、掌で雪の結晶が溶けた瞬間、何か聞こえないかどうか確かめてみます。 とても良い作品だと思いました。ありがとうございます。

2
ほば
作品へ
(2022-11-05)

とても心地よい。底に残ったものが夜を呼んでくる。いい加減な連想ゲームでもなく、最初の3行から読む私と接近してくる。

1
あきら@ちゃーこ
つつみさんへ
(2022-11-05)

秋にしかこの作品は書けないのかもしれません。わたしのふるさとは寒いところです。

1
あきら@ちゃーこ
yasu.naさんへ
(2022-11-05)

時折、朝がとても眩しく感じます。

0
あきら@ちゃーこ
ほばさんへ
(2022-11-05)

暖房ばかりきいた部屋で、膝を抱えています。

0

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投稿作品数: 2