此処は眠るための部屋
貴方は眠るために生きている
今日は「ハツ」が心臓のことであると教わりました
ツインタワーを建てたくはありません
それは所謂小説であり
切り売りの出来ない情念という領域
貴方は何故此処に来たのか
最小限の明かりで考えてごらん
熱の冷めた石ころのような瞳
鏡に映して夜は暖かく
私たちはガードレールの下で生まれた
ガラスによく反射する挨拶を交わし
空からちょうど地面に立つような位置にぶら下がっている
特別な風が吹いたら、誰もが塵か星になる
貴方は何で動いてますか
動力が足りてないようです
操る糸が切れて、このまま眠らないでと駆け寄る
もう自由なのに
もう何処へも行けるのに
私たちにはオーケストラが必要
青白い顔の高速道路が必要
ハワイの高級ハンバーガーが
ひんやりした枕と直通電話が必要
私がもう少し、あと少し、丈夫だったらと呟いて
お詫びの言葉を置いて出た
センターラインの白に沿って
アメニティも揃ってるし
至れり尽くせりのサービスも
私たちにはドライヤーが必要
サイズの合わないバスローブが必要
日曜日が好きだと言った
日曜日には「ぼんじり」を食べましょう
此処は眠るための部屋であり
そして貴方は最後に此処へとやって来た
最果ての砂漠から
一滴の水を求めて
作品データ
コメント数 : 10
P V 数 : 1068.6
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 91
作成日時 2022-10-20
コメント日時 2022-10-23
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 24 | 24 |
前衛性 | 5 | 5 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 7 | 7 |
技巧 | 22 | 22 |
音韻 | 10 | 10 |
構成 | 20 | 20 |
総合ポイント | 91 | 91 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 12 | 12 |
前衛性 | 2.5 | 2.5 |
可読性 | 1.5 | 1.5 |
エンタメ | 3.5 | 3.5 |
技巧 | 11 | 11 |
音韻 | 5 | 5 |
構成 | 10 | 10 |
総合 | 45.5 | 45.5 |
閲覧指数:1068.6
2024/11/21 23時36分45秒現在
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~が必要と言う最後の連も印象的なのですが、やはり最初と最後にも出て来る、此処は眠るための部屋と言うフレーズを考えなくてはならないでしょう。思わずタイトルであると思ってしまったのです。タイトルは「ホテル」。ある意味眠るための部屋と言うのは、当たり前のことを、客観的な事実をただ言って居るだけの様にも思えるのですが、「ホテル」と言う場所を考えると、様々な事を空想してしまいます。ビジネスホテル、ラブホテル、観光名所に近いホテル、海や山に近いホテルなど。そして二連目の貴方が此処(ホテル?)へ来た目的などこの詩の記述に即して考えても、様々な空想が湧きます。詩と言うのは汲めど尽きせぬ泉なのかもしれません。
0「ツインタワー」は自分の中で反目し合う2つの心理なのかと思いました。 ホテルに関連する語句が並ぶ中で「熱の冷めた~」「特別な風が~」といった行の真っ直ぐな詩を感じるフレーズがより活きてる気がしてグッと来ました。 「操る糸が~行けるのに」は詩全体の中間地点という事もあり、特に重要なフレーズに感じました。 締めの2行もキレがいいなと思いました。
0子供が眠った後、近所の居酒屋のカウンターで1人でビールを飲みながら焼き鳥を食べる時間が最高に幸せです。よく考えると、鶏の色々な部分を食べていることが、今更ながら残酷に感じますが、ハツは塩がサイコー。 人間は心臓が止まったら死ぬけど、そういうことじゃなくて、自分で生きてると思っていたのは勘違いで、誰かに、何かによって生かされていた、のだとしたら。ということを考えました。 ピノキオの話を思い出します。おじいさんが星にお願いして、命を吹き込まれるけど、正しく生きないと本当の人間になれない。 >特別な風 それは誘惑か試練か。正しい判断をすれば星になるし、誘惑に負ければ屑になる。。でも、星屑という言葉もありますね。星屑ならいいかな。 私は「不自由」だからこそ生きていけている気がしています。私を縛り付けている糸のようなものが、わたしの邪魔をしているようで、そうではなく、私は「不自由」に生かされている。 もしその絡まった糸がほどけたら、自由だし、いくら眠っても起こられない。眠らなくても怒られない。でも私は一体どうしたいのか、はっきりとした意志が必ず自分の中に、はたしてあるのか、少し自信がありません。 気持ちよく眠れるベッドがあって。睡眠薬を飲まないと眠れないのが、この糸のようなもののせいだったとして、その糸がなくなったとき、私は、本当に眠れるのだろうかとも思います。 導いてくれるもの、私と何かを直結させるもの、そのようなものははっきりとは見えなくて、いつも遠回りさせられる。スマホの連絡先の名前ばかりに頼って、番号は覚えていないように。夢の中で、何度も押し間違える電話番号のように、間違え続けるような感覚。 ここ3年程見続けている夢の中の話を見ている感覚でした。とてもよい作品だと思います。
すっげぇ、いいです。正直、今は読解とかしたくないから身を任せるままに酔わせて貰いました。
1ありがとうございます。なるべくタイトルは隙間だらけの方が良いような気がして。なので要所要所で急所はずらしてあるんです。あと個人的にホテルは大好きな場所ですし。いつでも泊まりたい。お金さえあれば。
1ありがとうございます。ツインタワーってだってどっちが兄でどっちが弟?って考えちゃうじゃないですか。何だかいたたまれないんですよね、そういうの。ツインなのに。 締めの2行はうーん、どうしたらいいかな?と実はまだ思ってます。
1心から書かれた作品のように音に力強さを感じた。腹から出ていると思える言葉たちが温かい。温度が感じられるのだ。冷蔵庫から取り出した言葉ではなく、今産まれたての言葉のようだった。本当にホテルが好きなんだろうなと伝わってくる。私もホテルは好きだが特別であって欲しいと考えていて、何かしらの記念日とか旅行した時にしか使わない。ホテルはいい、ホテルの中にいると何をしても時間の無駄だとは思わなくなる。ホテルの中にいる、それだけでサプライズのようなものだからだ。作品には、問題意識も問題解決も無いように思われた。ただただホテルへの賛美歌のようなものとして書かれたものだろか。心臓もツインタワーもこの詩の中では浮いていて、それが問題らしいのだが、問題の匂いを感じられても問題そのものを感受することができなかった。自分の中に何も咲かなかった。それはホテルへの愛着が毎日泊まりたいとは思わないほどに薄いからかもしれない。ホテル経験値を積まれた方なら捉え方も違ってくるのかもしれない。ちなみにビジネスホテルを想定して読んだ。全体的には希望が描かれていて読んでいて不快ではなかった。終わり方はやや難点を感じる。砂漠の果てから一滴の水を求める割には、ホテルは高価で贅沢に過ぎるのではないかと。砂漠の迷子たちはオアシスを夢見るとは言え、まさかホテルまで夢見ることはないだろう。砂漠という語が強すぎるのかもしれない。田村隆一が言っていたが、砂漠は悪い比喩だと。私もよく砂漠を比喩として良く使うので耳が痛いのだが、現実問題、日本人で砂漠を旅した人は滅多にいないからで、経験もしていない事柄にリアリティを帯びさせることは至難の業だ。無論、作者が砂漠の放浪を経験されたかどうかを問うわけではなしに、日本人なら鳥取砂丘が関の山であっても、そこは普通に都会で疲弊してとかではダメだったのか。ダメなのかもしれない。それでも砂漠の方が良かったのかもしれない。気持ちの強さを表すためにも、砂漠はやはり使いたくなる比喩であるのかもしれない。日本のホテルは綺麗だし、余程治安が悪い場所でもない限り、ホテルの部屋に虫が出る心配も無いから理想的で、理想を実現してくれるホテルは最高だ。
1ありがとうございます。実はハツって私はまだ食べたことがなくて、それよりもどうして複数形なんだろう?と考えたりしています。右と左があるからか、動脈と静脈があるからなのか、一つしかないのに一人じゃない、一つになれないって何だか悲しいなって思いました。 本当は天の川ってガードレールなんじゃないかと思うんです。私たちを操っている糸は本当はガードレールに絡まってるコンビニのレジ袋で、大型車が通ったら風で簡単に外れてどっか飛んでっちゃう。そしたら私たちは晴れて自由の身になれるのかどうか、それは自由と言えるのかどうか、悩みは尽きません。
1ありがとうございます。読解はしない方が良いでしょう。道化師が星になれるチャンスです。見守っていてください。
0ありがとうございます。最後締めの部分にもやっとしてた理由がわかりました。砂漠ですね。なるほど良くない比喩だ。今なら砂漠は使わないかもしれない。わからない。 ホテルは本当に大好きで、特にビジネスホテルが好きです。ホテルに泊まる度に、ここで毎日暮らすかもしれない人のことを考える。隅々まで見なくては気が済まない。自動販売機やランドリー、バーや避難梯子まで、使うはずのないものまで。引き出しの聖書、マッサージの電話番号、魅力的なものばかり、どれも馴染みのないものばかり、だけどそれを必要とする人もいる。その人のことを想像する。ホテルでないと出来ない想像、素敵です。
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