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人々を伝う雨
私はあなた方すべての人間の身の上を案じています あなたがどういう境遇や地位にあるかは問題ではありません どんな立場であろうと悲しい人間がいるのです どんな立場にあっても思いやるべき人間があるのです 今、地は渇いています せめてひとしきりの雨がやって来て、あまねく通過するように祈っています やがてあなた方のうちの誰かが罰せられるでしょう 一部の人間が罰せられるでしょう そんな時、またひとしきりの雨が降って、あなた方のすべてを濡らすように そうしてみんなが一緒に悲しむことができるように そうして悲しみがひとしきり深くなって もう二度とこんなことにならないようにとみんなが感じることができるように あなた方のすべてを等しく濡らす雨、これも悲しいものでしょうけど あなた方を次々と伝い流れてゆく雨、みんなが同じ感情に浸ることになる 誰か一部の人間が悪とされることを悲しむ この気持ちに胸が痛む、せめてみんなを等しく伝う雨が降って かけがえのないこのただ一つの地を潤すことになるように、祈っています
人々を伝う雨 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1291.8
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2022-05-12
コメント日時 2022-05-15
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
平易で滑らかな文章で、預言者もこんな風に語ったのかなと想像しました。 私はついつい堅いことを考えがちなのですが、人に訴える語り口とはこんな風かと勉強になりました。 この雨が何なのかによってユートピアにもディストピアにもなるなと思いつつ(無粋で本当にすみません)、この雨のような詩を作れたら素敵だと思いました。
1お読みくださりありがとうございます。 投稿した後、ちょっと筆の運びに自分で酔ってしまったかもしれないと反省されました。でも良い方に受け取っていただけたようで良かったです。 この作は、ウクライナ情勢およびロシア情勢のことをぼんやりと考えていた間に生まれたものです。(ロシア情勢とはあまり言われませんが)。この状況下では世界中の人々それぞれが、それぞれの思いを持ち、それぞれの立場にあると思います。私はあの稀代の政治家のこれからの人生、命運に思い及んだ瞬間、ぞっとしました。この拙作の直接のモチーフはこの感覚にあると言ってもいいです。
0理解はできないが共感できる、こういうのが好き。
1第二連にある『でしょう』『ひとしきり』『ように』。これらの語句のリフレインが心地よい余韻を残します。 雨は涙か、弾雨か、はたまた血か。色んな風に捉えることができるのもまたいいですね。
1コメントありがとうございます。 「理解はできないが共感できる」という伝わり方、私も好きです。
0コメントありがとうございます。 この作を書くにあたっては、読む人が読みやすいようにと心がけました。それからあまりごちゃごちゃしないようにと。雨を扱うなら、せめて雨が降るような感じが出せればいいなと願いました。心地よい余韻があったとのこと、とてもうれしいです。それからそうですね、雨というもの、書いた私自身もさまざまに考えます。
0案じる人ですか。極論で言えば、人間とは違う立場でものを行って居る様にも見えて、ユーモラスな感じが無きにしもあらずなのですが、読んで見ればそんな悠長なものではないことが分かります。雨が―キーワードでしょうか。等しく伝う雨とは何か。Togetherの精神、祈祷の念。レントウなのかもしれません。戦争後の宗教的な感情、そんなものまで含まれているのかもしれません、この詩には。
1コメントありがとうございます。 出だし、なんか「私」が聖人みたいになってしまっていますね。他の方途がなかったかなと、今かえりみています。 そうですね、「地」という語はユーラシア大陸を思い浮かべながら使いました。ウクライナ情勢およびロシア情勢のことを思いながら書いた詩です。「人々を伝う雨」、これについてのエイクピアさんの推察は的外れなものではありません。
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