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人でないもの総てがつながる勢い
虫の眼を持ち飛ぶところ 境目のないネットワークを飛ぶ 上下のないところを羽音もなく転がる 何か分からないものがそそり立ち 解釈の川が眼下にあり 唾液が滴る 糸を引く 吹かれてさみどり色に回る 複眼で微分すると物語ではなく時間経過となる話 そのコンクリートの突起 小さな柱でできている 一本ではない 一本に見える柱 柱の間にはない隙間を飛び抜けた 飛び抜ける かつてゴムの塊のような思考形式をもったため 私でないものに音を見いだせないという 記憶の山肌に 順調に走る記憶の亀裂 硫黄の臭いたばしる新生が 中心のない隙間のないホンモノの空間から 同時に複数の複数蜂起する これを喜びと言ってみよう 一緒に言ってみようと 筋雲を伸ばす高層の赤い気流になる 逆転また逆転の転写 四本の足が焦茶色に垂れている長くくの字に曲がりながら 有線無線 ネットワークのつながる臭いを嗅ぐもの どこにいるかそれはここにいるかこれは
人でないもの総てがつながる勢い ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 894.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-09-30
コメント日時 2017-10-03
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
虫の目を持ち飛ぶところ、印象的な始まりだと思いました。虫の複眼。境目のないネットワーク。上下のないところ。何か分からないもの。解釈の川。複眼で微分する。記憶の山肌に順調に走る記憶の亀裂。 「硫黄の臭いたばしる新生が 中心のない隙間のないホンモノの空間から 同時に複数の複数蜂起する これを喜びと言ってみよう」 こんな詩行。全てが示唆的な詩行で、俗に堕さない屹立を持って私に迫って来ました。
0エイクピアさん、コメントありがとうございました。 俗には堕していますw俗そのもの。でも、好意的に御覧になって頂けて嬉しいですね。 昨日、それこそ勢いに任せて三十分で書き上げたので、いわゆる突っ込みどころ満載状態です。 おそらく着想だけ残してリライトすると思います。 普段気を遣っていることができていませんね。 「境目のないネットワーク」があるわけではなく、「ネットワークに境目がない」という認識があるだけなのだから、既に不正確。安易な連体修飾の文節の使用は詩を俗情に堕させる大きな要因になっていると思います。
0奇妙に「ごつごつ」したテクスチャーは、いったいどこから来るのだろう、と思いつつ拝読したのですが・・・ 意図的なものでしょうか、あえて同じ単語を、一見すると不器用なつまづきのような形で重ねていく。体言止め、動詞の終止形の頻用。さみどり、たばしる、この部分だけ、滑らかにすべり行くような、後はつっかえたり止まったりするようなギクシャクした文体・・・批評ではなく、感想に過ぎないコメントになってしまいましたが・・・。 蠅になって飛び回っているような、奇妙な浮遊感と共に読みました。サイバー空間のようでもあるし、解釈の川、という言葉に引きずられて、詩の空間に取り込まれているようにも思えますし。 多義的な空間は、複眼で捉えた空間に似ているのかもしれません。
0拙詩に短いながらもご感想をいただいたので、どのような詩を書かれる方なのだろうかと拝見いたしました。 冒頭、「虫の眼を持ち飛ぶところ」から、これは並々ならぬ書き手さんだなと引き込まれ、 5行目「解釈の川」が出たところで、おおよその詩のスタイルは推測でき、案の定その推測通りの詩でした。 私が勝手に推測するに、読者に思惟をうながすタイプの詩であり(あえて思想詩とは言いません)、はっきり言って難解です。 >これを喜びと言ってみよう などと表現するのではなく、その喜びそのものを詩で表現したものが私は好みです。 ただ、どこを切り取っても作者独自の個性的な言語のつらなりがあり、 そこは素晴らしいですね。(意味はよく分からない箇所が多かったですが) 私でないものに音を見いだせないという 記憶の山肌に 順調に走る記憶の亀裂 こういった箇所の詩句にはなぜか限りなく惹かれます。 多分、実感として理解できるからでしょう。 筋雲を伸ばす高層の赤い気流になる 逆転また逆転の転写 四本の足が焦茶色に垂れている長くくの字に曲がりながら 逆にこの箇所は全く私の頭では理解不能。 面白い表現であるとは思いますが、さっと読み飛ばし 全体を味合わせていただきました。
0はじめまして。よろしくお願いします。 「複眼で微分すると物語ではなく時間経過となる話」こういう視点は良いですね。時間を切り刻むみたいで。 僕の読む能力の低さもありますが、全体で考えると何を言いたいのか、いまいち判りません。部分では何となく判るのですが。 それに伴い読むのに疲れます。抽象的?とでも言うのでしょうか、僕には書けない書き方を見れて楽しかったです。
0静かな視界さん、コメントありがとうございました。 脳内描写、というようなものではないのです。じゃぁ何かというと困ってしまうのですが、言葉から生まれた言葉の世界、というものかもしれません。 まりもさん、コメントありがとうございました。 同じ言葉を何回も繰り返すのは僕の書き癖です。一回だけ表れてさっと消えていくのでは、言葉が消費されているようで、どうも落ち着かないのです。何回も繰り返して読み手に刻み付けることで作品の中に定着させたい、という意図があります。 >多義的な空間は、複眼で捉えた空間に似ているのかもしれません。 この御指摘が僕の考えていることと同じでした。それが「正しい読み方」とは言えないと思いますが、同じように見て下さる方がいるというのは嬉しいですね。 具体性のまるでない描写で、よるべなく人の間をさまよう作品なのです。
0白島真さん、コメントありがとうございました。 この具体性のまるでない、いかにも「現代詩っぽい?」スタイルは僕の中では異例なもので、これまでは散文的な、はっきりした文を書いていました。もっとも「言語明瞭、意味不鮮明」な内容ではありましたが。今回は言葉が言葉を呼んでぐるぐる飛び回るという、博覧会やテーマパークのパビリオンによくある抽象映像みたいなものを書いたんじゃないかと思います。理解不可能とおっしゃった部分は、作者にも理解不可能なのでご安心下さい。何も表現しようとはしていません。 沼尾奎介さん、コメントありがとうございました。 何をいいたいのかいまいち分からないのは、沼尾さんの読解力には関係なく、何をいいたいのかいまいち分からないまま書かれた文章だからです。読むのは疲れるかもしれませんね。 >「複眼で微分すると物語ではなく時間経過となる話」 ここは解釈の一例を示すことが可能です。つまり、物事を同時に多面的な方向から捉えることができる読み手にとっては、物語は脈絡のある事態の予測可能な進行ではなく、単に時間が経過しているとしかいえない。つまり統一を失ったバラバラの要素が、時間というフィールドにとりとめもなく散らかっている、というだけの単純な話になる、ということを書きたかったのです。
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