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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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大きな星空は三つ 小さな星空は 無限個あった きみたちのうちのひとりが それは 可算無限? と 尋ね 三つの大きな星空が 分からない と 答えた また別のきみは 星空を数えるための単位 を つくり わたしに 耳打ちしたから わたしのなかにまた 小さな星空が生まれた きみたちは あらゆる方法でわたしに 小さな星空を埋め込んでいく だからわたしは 星空でいっぱいなのだ きみたちは三つの大きな星空 の 境界 を 同値関係で貼り合わせ ひとつの《かたち》にした。 きみたちは それを 名付けようとはしなかった いつも 「あれ」 と 呼んだ 「あれ」 三つの大きな星空では 《波》が 絶えない から 小さな星空へ届けることが きみたちの仕事だった 届けられた《波》は 音楽や 絵画になる そのあわいできみたちはみたされ 漂う くらげのようだった きみたちはどこから来て どこへ行くのだろう きみたちのうちのひとりが 消えてしまうとき 結ばれた 三つの大きな星空は 一瞬 《かたち》で なくなり 《波》が 《波》の まま 漏れ 残されたきみたちのあいだを ゆっくりと伝播していく


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作品データ

コメント数 : 4
P V 数 : 1002.4
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2017-08-02
コメント日時 2017-08-30
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
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閲覧指数:1002.4
2025/04/10 22時49分09秒現在
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    作品に書かれた推薦文

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コメント数(4)
まりも
(2017-08-07)

これはまた、ユニークな作品ですね。 無数の「宇宙」の重層性。一人一人がミクロコスモスとして存在している、その心の在りようのようでもあります。 そして、ひとりの人、の中に、また複数の、ミクロコスモスへの入口がある・・・。 宇宙間を《波》が〈伝播していく〉。すると、〈届けられた《波》は/音楽や/絵画になる/そのあわいできみたちはみたされ/漂う くらげのようだった〉ここは、詩であると共に、詩論・・・詩想がどのように生み出されていくか、という思いを、イメージによってあらわしている、そんな印象を受けました。 きみたちって、誰だろう。精神と意識と心・・・そんな一般的な普通名詞に置き換えてしまいたくはないですが、語り手の内部で生き生きと蠢いている、妖精のようなミューズ。座敷童のような、詩想の運び手。そんなイメージで読ませていただきました。

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なかたつ
(2017-08-12)

 この作品、好きです。正直よくわかりませんが、好きですね。  何がわからないかと言えば、大きな星空・小さな星空・きみ・わたし・あれ・波が何を明示しているのかと言うこと。それはつまり、僕がこれらの名詞を比喩だと捉えてしまっているのだと。そんな必要はなくて、あくまでもこれらのものは比喩ではなく、これらのものとして存在していると思わなくてはいけないのでしょう。  というのも、「波が/波の まま 漏れ」ているように、これらの名詞もその名詞のままに作中に存在しているのでしょう。  ただ、三つの星空がなぜ三つなのか、そこに必然性があるのかと考えたくなってしまいます。その時から謎解きが始まってしまい、終いには捉えきれずに作品が終わってしまいます。そして、わたしはこの作品の世界において、一体どんな役割を担っているのか。  だから、これらの名詞を名詞のままとして捉え、それらの物体が映像として、動きとして捉えることに難はなく、その動きが面白く、それをただ楽しめたのでよしとします。

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完備
(2017-08-14)

まりも様、なかたつ様読んでくださり、さらに好意的なレスポンスをくださり、感謝しています。ありがとうございます。

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シリュー
(2017-08-30)

Magic number is three. トリニティーってことがあるね。奇数は真ん中があるんだよね。古事記の最初のかみさまは右のかみさまとひだりのかみさまと、真ん中のなんにもしないかみさまだ。星空の単位ってすごく詩的。波ってのは点の真逆のことだ。光でいえばね。星座の真ん中はいつも真っ暗な夜空だ。言葉なんてのもそんなもんかもしれないなって思った。

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投稿作品数: 1