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風景
磨かれた床が 反映する君の手 白く、すべっこい手 指し示すのは 皿に盛られた不在 風が流れ、 花びらが、乾いて頬に、小さな皺を それができたのはなんで? 台無しにされたあなた ぐるりは酷薄だ そのひとりは、他ならぬぼく あなた、いま、カーテンで閉ざされている 電車のがたごと、そして空調 バットがカキーンと、 外から、外から、中は静か よく眠ってる君は 目を開けながら、自転車を漕ぎながら なれた服を着て、風をはらんだんだ そこは坂の多い街だった あまりにも知らなすぎるぼく、 分かってない君と 老成したあなた そこは壁の高い街だった 見えるのは、飛び交う気球と、石畳だけ 今や道幅は狭くなって ひとりしか通れないよ 泥濘に足はとられるし。。。 だから、引き返すのも悪くない そうかな、いや、そうでもないのかな 宙で釣られて、息も苦しい 嗚咽を抑えて、OKグーグル、でも その先が出てこない 降りれないほど、速く動いてる そんなタイムマシンに乗るのは ナイーヴなんじゃない 閉ざされた生活、暮らしの、見果てぬ夢 追いかけて、老いかけて 次はどんな街だろう
風景 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1023.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-10-07
コメント日時 2018-10-09
項目 | 全期間(2024/12/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
転がるように風景が変わっていく様子がうかがえました。 バットがカキーンと、←とカタカナがあるので、その一行前の がたごと も、カタカナでよかったのかなぁ?と思ったりもしました。 いろんな風景と言葉が多めに詰め込まれていて、少し読みずらかったです。 ですが、「白く、すべっこい手」という表現は好きでした。
0運営のステレオです。初投稿ありがとうございます。詩の中身については若干描きたいことが分散している「印象」がしました。老いかけた「あなた」が誰であるのか気になるところですが、詩の読み手の四面楚歌な気持ち、袋小路に陥った感情が所々にない交ぜになっており、「あなた」の謎に迫り切れていない、との感慨を持ちました。しかし一つ一つの表現には光るものがあり、今後どう変化していくかとても期待しております。
0登場人物が展開していくので、引き込まれました。「。」の使い方も好きです。
0しょうこさん コメントありがとうございます。 映画のジャンプカットに着想を得て、目まぐるしく情景が変わることを表現しようとしました。 「がたごと」という擬音は僕の中では平仮名がしっくりきました。地方の在来線がゆっくりと蛇行した道を走るイメージです。ただ、自分自身、片仮名と平仮名の使い分けにはもっと意識的になる必要があるとは思います。 また、イメージを詰め込みすぎた点に関しては前述のジャンプカットの副産物であると思っています。他者に伝えるという点では、一つのイメージをもっと精錬していく必要があると思います。ご指摘ありがとうございました。 「白く、すべっこい手」はこの詩を完成させるきっかけとなった表現なので、気に入っていただけて嬉しいです。 今後ともよろしくお願いします。
0ステレオさん コメントありがとうございます。 今回の詩は、眠れない夜に頭の中に渦巻いていた言葉をまとめ上げたものです。 「あなた」の謎に迫り切れていないとのご指摘は、僕の作為でもあります。今回扱いたかったのは、自分にとって大切な人物であるからこそ、迂闊に内面に踏み込めないという閉塞的な状況です。したがって、「あなた」(そして「君」)には、決定的な不幸が起こったにもかかわらず、読み手はそれを傍観するしかないのです。 なので、感情の綯交ぜををある程度ほぐしていくことで、より他者に問題意識がつたわりやすくなるのかもしれません。 自分にとって切実な問題を自己救済の域から出られていないのかもしれません。 ご指摘ありがとうございました。今後も投稿していきます。
0かるべさん コメントありがとうございます。 自分はこの詩において、観念よりも、情景を描くことで感情を共有したいと思っています。なので、登場人物に着目していただけたのは、この詩がほんの少し成功している証左かもしれません。 また句点の使い方は、自分でも気に入っているので、指摘していただけてありがたいです。
0そこは坂の多い街だった あまりにも知らなすぎるぼく、 分かってない君と 老成したあなた こう言った分類は、却って中性的な印象を持ちます。坂の多い街と相俟って、風景のように溶け込んでいると感じるからなのですね、「ぼく」「君」「あなた」が。そして詩の最後らへんに出て来る速く動いているタイムマシンに乗る内容が出てきますが、閉塞感のある今を打ち破るものとして、この詩を象徴した内容なのではないでしょうか。
0エイクスピアさん コメントありがとうございます。 風景と人物の関係については意識していました。もはや自対他の関係は存在せず、主客の別が完全にはなされていない世界で、足場が砂地のように崩れていく感覚です。 閉塞感を打ち破るものとして、この主人公は動き続けることを選びました。それは真摯さを欠いた判断かもしれません。しかし、そこには、胸のすくような清々しさもあるのだろう、と思います。
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