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神様の落日
神様がふられた日 今日が恐らくそうなのだろう 何処からともなく降り注ぐ 雨はきっと 神様が何かに敗れて 泣き崩れているのだろう 故に僕らがみんな 色とりどりの傘をさす訳は ブルーに沈んだ神様の 気持ちを励ますためなのだ びしょびしょに 濡れながら地面を這い進む 車のワイパーは 涙を拭うものではなく 空に手を振るものなのだ 神様に向かって、 元気を出してと。 僕らはみんな エールを空に贈っているのだ 神様に届くようにと。
神様の落日 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 850.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-04-06
コメント日時 2017-05-07
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
すごく素直な詩である。あまりにも素直すぎて、逆に何か裏があるのではないかと疑ってしまい、深読みの罠に落ちそうだ。良い意味で小学生が書いたような、素朴さと新鮮な発想。「振られた」と「降られた」、気持ちとしての「ブルー」と「カラフル」、そしてワイパーの擬人化。 言葉通りに読めば良いのかも知れないが、タイトルが「神様の落日」である。本物の小学生なら「降られた神様」とか「神様の涙」みたいなタイトルにするのではないか。それが、この詩では「神様の落日」である。これはどうしても「神々の黄昏」を連想してしまう。無様に泣き出して人間から励まされる時点で、神はその権威を失ってしまったのかも知れない。そして、それはラグナロクの始まりを意味してるのではないか(ここまで深読みして、最後に作者の「考えすぎです」の一言で粉砕されるまでが遠足です
0三連目、四連目で、へえ、そういう展開になるのか、という驚きがありました。 ウィットに富んだ、童謡的な気持ちを含んだ作品だと思いました。 思い出したのは、「それは神の生誕の日」という西脇順三郎の一節であったり、「虹二重神も恋愛したまへり」という俳句であったり、まど・みちおの「ドロップスのうた」などなど。 ウィットをきかせて、日常を少しだけ異なった視点から見てみると、日々に新鮮さが戻って来る・・・そうした、日々の深呼吸のために書かれたようなライトヴァ―ス。
0一連にふられたとあり、失恋をしたと詠みました。二連は敗れてや泣き崩れてとあり、スポーツなど劇的なドラマを思いジーンときました。 中島みゆきが僕に手を振っている、という昔に書いた作品を思い出しました。こんにちは/さようなら。どちらとも取れるような、手を振るという動作からつらつらと三世をめぐるものでしたが。雨乞いの風習や信仰など、すがることや願いをするという対象として神仏を拝しますけど、涙をとめるために励ましやエールを送るなど、友達みたいな関係を想像させますね。
0はじめまして。初心者の私にも楽しめる詩をありがとうございます。 私にとって、傘は、雨という敵から守ってくれるもの、盾のようなものでしたが、確かに高層ビルの上から見る色とりどりの傘は、まるで花壇のように綺麗ですものね。 車のワイパーを、コンサートの客席の手振りのようだと思ったことはありましたが、神様へのエールだなんて思ったことありませんでした。 鬱陶しい雨も、考えようによっては素敵ですね。ありがとうございます。
0ポエニークという詩を投稿するサイトにはじめて投稿したものが本作です。 ビレビュには一番新しいものを先日出したので、今回は一番古いものをと思い投稿しました。当時高校生だったのでリライトしたい思いに駆られました。 でもそこが読みやすさに繋がっているとも思うのでこのままに。見方を少し変えてみる、がテーマの詩です。 桐ヶ谷忍 さん 絵本を連想されてなるほど確かに短い小さなお話としてありそうだと思いました。 色とりどりのカラフルな絵本ですね。 物語のどこかにイノセントな祈りとエールがあればいいですね。温かい読後感を見出していただいて嬉しいです。 もとこ さん 素直で小学生が書いたような、素朴さと新鮮さ。まさに。まさに。まさに。 十代の時に書いたものですので、それを見透かされて恥ずかしい。ただイノセントなものだけではない関係性を含みたかったのか。それがタイトルに現れたのだと思う。 もとこさんの中に「落日を迎え無様に泣き出し失墜した権威の果て見たものが、人から送られたエールであった」というイメージで言語化されて連想が膨らみました。 一番偉そうにしていた強きものが失墜した時、真っ先に優しく声をかけてくれる存在って結局、指をさされて哂われていた弱き者だったりするよなあ。 そこで弱きものが本当は強きものだった・・・みたいな。 花緒 さん 痛いところを衝かれました。仰るとおりですね。ここに出てくる「神様」が何者か。そこまで想いを馳せてはいない=作りこみの甘い作品であると思います。 その甘さが取っ付き易さに成っていればよろしいのですが。いやはやリライトしてみたい思いもあり、これはこれでとも思う次第です。 まりも さん 物事を違う角度から見てみる。リフレーミングしてみると同じものでも違って見えることがあります。 この作品の肝は視点の転換のみですから。アリキタリなモチーフから少しだけ角度を変えて、新鮮な呼吸を吸ってみる。 その後はより深みのある世界へどうぞ。深度のある作品へ向かうための休憩所のような。そんな作品だと思います。まさにライトヴァース。 湯煙 さん 信仰、祈り、願い、エール。どれも相手に向けているようでいて、自分に向けているような。自分のために、相手を思うような所ってありますよね。 手を振るという動作が、こんにちは/さようなら/どっちなのか曖昧なように。 人々は神様から祝福を与えられる、ならば、神様にエールを送ったっていいじゃない。人間だもの。そんな感じですかね。 ぶたみみ さん 詩に初心者があるのかどうかの議論はさておき、お読み頂きありがとうございます。 ぶたみみさんのコメントがこの作品の全てを表現してくれていると思います。 サクッと読めて、ちょっぴり好きになる。そしてスーッと忘れるけど、日常生活の中で雨が降り傘や車を見かけたときに、ああ。と思ってもらえる。そんな作品であれば嬉しい限りです。
0凄く面白い作品ですね。雨のイメージを綺麗に裏切っている感じがします。神様を皆で励ますシーンなんか面白い。単純な比喩といえば比喩なんですが、愛嬌があって微笑ましい。B-REVIEWでは「雨」をモチーフに使った作品が多いとおもうのですが、その多くは悲しみのイメージに繋がっていたり、それに終始しているイメージがあるのですが、ここでは、失恋で泣いた神様を人間が励ましているという事、それに神様が気が付く為の媒体として雨が使われている。そこが面白い、 >故に僕らがみんな >色とりどりの傘をさす訳は >ブルーに沈んだ神様の >気持ちを励ますためなのだ > >びしょびしょに >濡れながら地面を這い進む >車のワイパーは >涙を拭うものではなく >空に手を振るものなのだ > >神様に向かって、 >元気を出してと。 痛快に心を打つ傘やワイパーの比喩のすがすがしさ。表現の豊かさを感じました。秀作だと思います。
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