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ある春の帰り道
ぬるま湯みたいな空気を押し分けるようにして 一歩ずつ進む帰り道 むわっとした湿気が私に纏わりついているようで どうにも蒸し暑く 背中がじっとり汗ばんでいる 家ははるか彼方 小川には散った桜がどんよりと滞っている 空もなんだかピンクとグレーが入り混じって何とも言えない色だ 全ての輪郭が曖昧に見えるのは目の問題か 道端の花も萎びて見える 今日は烏がやけにうるさい 道に目を落とすと たばこの吸い殻と一緒にばらばらと桜の花びらが散らばっている 何度も何度も踏まれた桜の花びらは 地面にへばりついて 哀しい色をしていた ああ、そうか こんなにも蒸しているのは 散った桜の水分が 踏まれた傷跡から 立ち昇っているからか
ある春の帰り道 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 842.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-04-05
コメント日時 2018-05-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
コメントありがとうございます。確かに後半、センチメンタルになっているところがあります。私は気に入っていますが、もっと自然に入れる方法もあったのかな、と思います。それと、お褒めの言葉、とても嬉しいです。ありがとうございます。
0作りとしてみた時に小説みたいだなぁと思いました。分析して読んでみると面白いのかなぁとおもいました。時間がかかってしまうのでここでは詳しくレスしませんが、さりげない情景を描いているようで無意識に訴えかけてくる感じが面白いなぁとおもいました。
0「散った桜の水分が 踏まれた傷跡から 立ち昇っているから」 この発見、気づきが、とてもよいですね。 前半は、もう少し・・・詰めることもできる、かもしれないけれど。 肌にまとわりつく空気の質感を、うまく表現していると思いました。 (つぼみは、ひらくときに(裂けるので)痛いだろうか、と思いを馳せた詩人がいました、そういえば・・・)
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